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『すずめの戸締まり』観てきたよ

 あまり映画は観ない私ですが、評判が賛否両論なのを見て、野次馬気分で熊本県民と共に見物に行ってきました。まったく事前知識なく観たんですけど、楽しかったですよ。「お薦めか?」と言われれば「お薦めです」と言えます。

 前評判として、どんなに高いところから落ちても死なない女子高生が化け物級の体力を駆使して天空を駆け上り転落するホラーサスペンスと聞いていたので、思ったより平穏な感じで良かったです。

 また、物語の舞台が私の実家近所で、どうもガチで足元で怪奇現象が起きていたようです。半世紀生きてきて私はあんなところで育ってきたのかと思うとショックでした、リフォームして穢れを祓いたいと思います。

 冒頭、登校途中でイケメンに声を掛けられてから事態が急展開するのですが、これが田代まさしやTKO木下だったらこの物語は成立しなかったでしょう。途中、太ったり痩せたりする猫(ダイジンさん)が登場して舞台回ししてましたが、やはり「うちの子になる?」がモノ扱いされていたダイジンさんへのリスペクトであり、最後は「モノではなかったのだ」と回帰して無事元鞘となるのは良かったのか悪かったのか。要石があって扉を抑えているのだから、てっきりスサノオでも出てきて何かするのかと思いましたが違いました。すずめさんも踊りませんしね。また、死者の世界である常世で幼いすずめさんが放浪していましたが、災害に遭って半分死んだ状態だったからなのかと思いましたが、これも違いました。悩ましいですなあ。

 たぶん、ハンパものの閉じ師であるらしい草太さんにモノ扱いされておるダイジンさんに「うちの子になる?」のリスペクトを投げておきながら道中いろいろありすぎて敬意をすっかり忘れていたすずめさん、深津絵里が婚期逃しの理由に幼いころのすずめを引き取った災害孤児の話をぶつけてきたあたり、失われたリスペクトのリスペクト返しは驚きです。劇中説明は一切ありませんでしたが、要するに要石の皆さんはモノ扱いされず神様としての尊敬に預かりたかったって理解でいいんですかね。そして路肩に落ちた芹澤さんの車から被災した実家に帰省する道中のチャリで仲直りという怒涛の展開で、やはり閉じ師は精神的にも肉体的にもタフでなければ務まらない職業なのだと実感しました。

 地震を引き起こす災害そのものであるミミズさんは、閉じ師の草太さんとすずめさんにしか見えないのは何故だったんでしょうか。なんか特殊なトレーニングとか積むとワイも見えるようになるんでしょうか。あれだけの大スペクタクルが御茶ノ水の上空で起きていたのに私はまったく気付いてなかったのはショックでした。

 舞台装置として東日本大震災が下敷きになっていたのですが、ということは、あの地震は日本のどこかにいる閉じ師が無能だったから起きたことをも意味し、感動を呼ぶトリガーの割には扱いが雑な雰囲気もしましたけど熊本県民もみんな泣いていたので良しとしましょう。

 ロードムービー的に、いろんな出会いと親切を受けながら北上していくすずめさんと椅子、てっきり道中は桃鉄的に名古屋でもだぎゃあだぎゃあ言いながら地震止めるのかと思ったら、まさかの富士山ごとスルー。これは事実上のチーム解体に進む立浪ドラゴンズに対する熱い制裁と受け止めました。

 それにしても、イケメンでいい声だと姿かたちが椅子にされても若い子は発情するのだというのはよく理解できました。芹澤さんが可哀想でしたが、きょうび教員試験は昔ほど難関でも何でもありませんし、きっといい先生になることでしょう。

 ジジイになるといろいろと気づくことも多い映画ですが、家族連れも多かったですし、熊本県民も割と「あれは宮崎の話だから」と冷静に受け止めていた感は強かったので、万人にウケる作品だよということで、あまり気にせず時間があったら観に行って損はないのかなと思いました。

 画像はAIが考えた「すずめの戸締まり」です。



神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント