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それぞれのコンテンツと適した表現方法

 最近、Amazonプライムに入った。本当に今更。

 「僕達は、もっと早くから知っておけばよかったと後悔する事が多い。」という導入から始まるnoteを先日書いたが、Amazonプライムも早速「僕的もっと早く知っておけばよかった物一覧」にノミネートされた。

 何が良かったって、自宅で動画コンテンツを見るという行為が、日陰に生きている僕に適した視聴方法だからだ。もしかしたら今後、映画から学んだ事やアニメから学んだ事などを書くかもしれない。似たような事が並んだとしても許して欲しい。

 さて。早速だが、書きたい事があった。

 Amazonプライムには、いろんな映像コンテンツがある。アニメから映画。あとは、バラエティとか。そして、僕は興味ある物をジャンル関係なく見るようにしている。最近は、弓道部にスポットを当てた青春アニメを見た。今の時代に武道っていうのがいいよね。僕はずっと野球部だったけど。

 話を戻して。映画は基本的にアニメ映画と実写映画という分類に分けられる。そして、実写映画には「原作がアニメや漫画の物」がある。それはほぼ確実に駄作が生まれる事が多い。なぜか。

 最近思ったのだが、アニメと漫画は同じカテゴリーに分けられて、小説と映画は同じカテゴリーに分けられるんだと思う。

 そんな事ないだろ!

 って思った方。まあ、膝の裏でも掻きながら、このまま読んでいて欲しい。

 アニメや漫画の面白い所って、やっぱり非日常感の中にあるドラマチック感だろう。「強豪校の中で熾烈なエース争いに勝って甲子園を目指す!」(ダイヤのA)だったり、「部成立1年目の弓道部が全国制覇を目指す!」(ツルネ)だったり、「小学生が未確認生命体のマスターになる為に旅に出る!」(ポケモン)だったり。アニメや漫画というのは、まず「ありえなくはない…のかな?という設定」から始まって、最終的には「すげぇ事なんだろうなぁ。」と言うゴールに辿り着く様になっている。

 抽象的に言えば、僕達の世界では起こりえない出来事を表しているのがアニメや漫画だ。

 でも、ここで問題になるのが「現実の世界では起こりえない出来事を、どうやってこっちの世界観に引き込ませて、楽しんでもらうか。」である。まあ、平たく言えば「どうやって、この世界の住人になってもらうか。」だろうか。

 これが漫画やアニメの凄いところで、出来てしまうのだ。聴覚的情報や視覚的情報を使って。

 漫画では、集中線だったりオノマトペや漫画文字を使って音や視線。登場人物の声量や力み具合などが分かる。アニメも、集中線だったり効果音だったり声優が吹き込む声で同様な物を分かる事ができる。

 要するに、漫画やアニメはその世界の全てを目や音で確認できるのだ。 

 じゃあ、小説はその世界の全てを表すことができるのか。きっとできないだろう。

 理由は何個かある。「説明口説くなるから。」「人によって物の認識が違うから。」「制作枚数に限りがあるから。」

 まあ、1番の理由は「美徳センスは共有できないから」だろう。

 良い表現だ。という物は大抵、普通の物を表していることが多い。小説家に求められているのは「普通の日常を、どれだけ幻想的に表せられるか。」だと思う。

 じゃあ、実写映画はどうか。漫画やアニメと同じ様に音や視覚的情報を使うことができる。じゃあ、同じじゃんって思うのも当然だろう。

 果たして、本当だろうか。

 漫画やアニメの聴覚的情報や視覚的情報は、情報だけじゃなくて面白さも相乗効果として載せることができる、言わばチートアイテムだ。用法と容量は守らなければならないだろうけど、使えば面白くなるのは間違いないのだろう。

 さて。実写映画にそんな技法はあるのだろうか。あったとしても、カメラの切り替えとか俳優の演技とかちょっとした効果音とかだろう。 

 要するに、実写映画もできる事が限られている。

 ラブコメアニメでよくある様な目がハートになったり脳内の妄想を早口で喋ったりするシーンや、バトルアニメでよくある様な地面が割れたり筋肉が隆起したりするシーンを実写でやるのは無理がある。CGでやるにしても金と労力がかかるし、それが歪に映っては元も子もない。きっと、映画にするにしてもこういうシーンは視聴者の脳内で表す様に促すしかない。でも、前述した様に限界がある。堂々巡りだ。

 つまり、僕が「漫画•アニメ」と「小説•実写映画」の間に壁を作ったのは、表現したい物や面白さの根本がそもそも違うと思ったからだ。

 漫画•アニメが描けるのは、世界観や非日常感といった「横の面白さ」であり、小説や実写映画が作れるのは、人間の美的観念や心理的探究などの「縦の面白さ」だろう。

 実写映画で漫画やアニメを再現しようとすると、実写映画で表せられる横の面白さの限界に打ち当たり、「アニメの方が良かった。」なんで言われる。きっとこういう理屈なのだ。

 たまに、実写映画が成功するのは、「漫画•アニメ」の中で人間の面白さにフォーカスを当てている作品を選んでいるからだったり、生身の人間でもできる範囲の物を取り扱っているからだと思う。

 要は、それぞれの制作物で表しているのは「縦の面白さ」なのか「横の面白さ」なのかを見極め、そしてそれを表すのに最適なコンテンツを選ばなきゃいけないのだ。

 というわけで、みんなもAmazonプライムに加入しましょう。してる?あ、そう。



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