親に伝えたい「エンディングノート」と「遺言書」の重要性
東京都江戸川区船堀から、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
「エンディングノート」や「遺言書」を準備してほしいと親に伝えたいけど、なかなか言いづらい。
そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
相続の問題はデリケートな話題ですが、早めに準備を進めることで、家族が安心して暮らせるようになります。
今回は、子から親へ「エンディングノート」と「遺言書」を作成してもらいたいと伝える際のポイントをまとめます。
最後までぜひ御覧ください。
なぜエンディングノートが必要なのか?
エンディングノートは、相続が発生したときに、親が持っている財産や希望を確認するための大切な資料です。
たとえば、銀行口座、保険、不動産など、親の財産がどこにあるかを知っていないと、相続手続きが非常に大変になります。
エンディングノートがあると、これらの情報を一目で把握でき、スムーズな相続手続きが可能です。
また、親がどのような思いで財産を持っていたのか、相続後にどのように使ってほしいのかなど、本人の気持ちを知ることができます。
親に「エンディングノートを書いてもらいたい」と伝えることで、自然と相続についての話し合いが進むきっかけにもなります。
エンディングノートで何を書くのか?
エンディングノートには、財産に関することだけでなく、葬儀の希望や生前の介護に関する意思なども書き込むことができます。
具体的には以下のような内容をまとめておくと良いでしょう。
基本情報:名前、生年月日、住所、連絡先
銀行口座、保険、不動産の情報
クレジットカード、ローンなどの借入れ情報
生命保険、年金に関する情報
葬儀の希望やお墓に関すること
デジタル遺産(SNSやメールアカウントなど)の管理方法
エンディングノートを記入することで、親自身も自分の人生を振り返り、家族にどのような形で財産を残したいか考える機会になります。
書き終わったエンディングノートは、定期的に見直しを行い、状況が変わった場合には更新することも大切です。
遺言書が必要な理由
エンディングノートだけでは、法的効力はありません。
親に「遺言書」を作成してもらうことが、財産の分割や相続トラブルを避けるために非常に重要です。
遺言書には、親の意思をしっかりと残すことができ、相続人間での争いを未然に防ぐ効果があります。
たとえば、子供の数が多い家庭では、遺産の分け方で揉めることがよくあります。
遺言書があれば、親の意思が明確に示されているため、相続人全員が納得しやすくなります。
親に遺言書を書いてもらうことは、子供たちにとっても、家族全員が安心して相続手続きを進めるための大切な準備です。
遺言書に何を記載するべきか?
遺言書には、以下の内容をしっかりと記載してもらいましょう。
誰に何を相続させるか(不動産や預貯金、株式などの分配)
代償分割を行う場合(たとえば、不動産を相続した子に他の遺産で補填する)
祭祀承継者の指定(葬儀や墓の管理を誰に任せるか)
生命保険金の受取人や死亡保険金の指定
事業を営んでいる場合、事業継承に関すること
遺言書を作成することで、相続財産の分け方や親の意思を正確に伝えることができ、子供たちが混乱することなく手続きを進めることが可能です。
ただし、遺言書を作成する際には、形式や内容に法律的なルールがありますので、専門家に相談しながら作成するのが安心です。
親にエンディングノートと遺言書を書いてもらうためのアプローチ
相続や遺言書の話は、親にとっても重い話題かもしれません。
だからこそ、子供としては、できるだけ丁寧に、親の気持ちを尊重しながら進めることが大切です。
「お母さんやお父さんの気持ちを大切にしたいから、エンディングノートを書いてほしい」
「将来のことをしっかり考えたうえで、みんなが困らないようにしておきたい」
こうした優しい言葉で伝えることで、親も前向きに考えてくれるでしょう。
無理に話を進めるのではなく、時間をかけて少しずつ話し合っていくことが、相続において最も大切です。
まとめ
エンディングノートと遺言書は、親が家族に対する思いを形にし、相続手続きが円滑に進むための大切なツールです。
親に「自分の意思を伝える大切さ」を理解してもらい、今後の相続対策を進めていきましょう。
親子でしっかりと話し合い、相続の準備を早めに行うことで、家族みんなが安心して未来を迎えられるはずです。
この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。
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