きりえやいろはがるた①「いぬもあるけ」
「きりえやいろはがるた」(2007)より
いぬもあるけ(犬も、歩け)
〈解説〉
かわいいのは分かる。
重荷があるほうが運動になることも、
冬には暖が取れるのも分かる。
だから抱えるあなたには何も言うまい。
しかし、抱かれるままにけだものの本分
を忘れた君たちにはあえていおう。
「犬も、歩け」
(ネタ・画・解説/高木亮)
〈追記〉
「きりえやかるた」1枚目(制作順でも)。
井の頭公園で出店中よく目にした光景から生まれた札。
立って売ってるはずなのに、やたら犬と目が合う事に気づいたのはいつのことだろう。出店してた期間のうちでも、年々増えてた気がします。
このかるたを元に卓上カレンダーを作った年末のこと。
あまりに目の前をかの如き「おじさんと犬」ペアが交代で通るので、店頭に置く見本ではわざとこれの載った月(1月)を後ろに隠して見えないようにしてました。
おじさんの目には愛するわんこだけしか見えてなかっただろうに。
チキンなきりえやです。
実のところ人目を気にせず無条件に愛を注ぎ合うお姿が、僕には少し眩しく映っていたのかもしれません。実際に、自分が寂しいおじさんになってから分かることです。
元気な子には歩いてほしいと、今も思わなくはないけれど。
犬も歩けば棒に当たる(いぬもあるけばぼうにあたる)
(1)たいした仕事もないのに、精力的に動き回っているうちに、思いも寄らぬ幸運に巡り会うこともあるというたとえ。
(2)(犬が積極的に歩き回ったために、棒で打ちたたかれることがあるように) なまじ出しゃばった行動をしたおかげで、とんだ災難に遭ったときなどに用いる。
〔出〕
(1)滑稽本(こっけいぼん)・狂言綺語(きょうげんきご)
(2)諺苑(げんえん)
〔会〕
(1)「ママ、ぼく就職試験また落っこっちゃった」「こうなったら犬も歩けば棒に当たるよ。あと2、30受けてみなさい」
(2)「取っ組み合いのけんかをしてたんで止めに入ったんだ」「勇気があるな。で、どうした」「それがさ、刑事が窃盗犯を逮捕しようとしてたんだ。説教はされる、始末書は書かされるで、さんざんな目に遭った」「まさに、犬も歩けば棒に当たるだな」
(集英社『会話で使えることわざ辞典』より)
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