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プロレスの絵本【レスラー談話集】

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架空のレスラーや関係者たちへのインタビュー集。 あなたの推しレスラーはだれ? (制作2006)
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記事一覧

【プロレスの絵本】第9話 試合会場実況中継「アダム、暴れる。」

※週替りでレスラーや関係者が、自らの生き様を語ります。たまに今回みたく試合中の様子を切り取った一枚絵が入ります。

【プロレスの絵本】第8話 人間大陸移動説アダム“ビッグフット”ブルトン

俺、見た目大きい。コワイ。 だからみんな近づかない。 リングの上だけ。女の子ほほえんで花束くれる。 俺、うれしい。花きれい。 でも、みんなその花で俺のこと殴る。 花、折れる。 大きな俺の体あたって、花こなごなになる。 俺、悲しい。悔しい。だから暴れる。 試合終わったあと、花の葬式のため 俺、自分で花買う。 だからいつも俺の家、花でいっぱい… ※週替りでレスラーや関係者が、自らの生き様を語ります。 次回は試合会場実況中継。彼が実際に暴れている様子をお目にかける予定です。

【プロレスの絵本】第7話 主人のいうことを全く聞かない荒くれ魔法使い バッドガイ“スミス”ジーニー談

千年ぶりにランプから呼び出され、最初にしたこたぁ 主人の首絞めることだった。 「俺様を自由にすること」 それがヤツの最初で最後の願いよ。 もちろん俺様が言わせたんだがな。 感謝はしてるが、俺様を蘇らせたのがヤツの運のツキだったな。 この国はいい。 食いもんはうめぇし、ネエチャンもきれいだ。 俺様は今、そう、 フリーダムってヤツを満喫してるのよ。 リングに立つのは、千年分なまっちまった体の そう、リハビリみたいなもんだ。 本調子にもどったら、 世界征服でも何でもしてやるぜ。

【プロレスの絵本】第6話 重力無視の空中殺法「フライングハイ」スカル仮面談

どんな高いとこから飛んでも、恐かないさ。 コツがあるんだ。 相手の目を見て、飛ぶんだよ。 一度目が合っちゃえばそこに道ができる。 そうなったら向こうも簡単には逃げられない。 あとは公園のターザンロープと同じさ。 ただ足を離せばいい。 簡単だよ。今度やってごらん。 え、無理? そう。 気をつけるのは、いつまでも見続けないこと。 お互い目が離せなくなって、 そのまままっすぐ頭ごとぶつかっちゃう。 たまに「ごっつんこ」するときがあるのは、 そういうわけなんだ。 ※週替りでレスラ

【プロレスの絵本】第5話 試合会場実況中継「フィニッシュホールド」

※週替りでレスラーや関係者が、自らの生き様を語ります。たまに今回みたく試合中の様子を切り取った一枚絵が入ります。

【プロレスの絵本】第4話 トレーニングの鬼、腕立て中

レスラーの一番の仕事といやぁ体鍛えることよ。 たとえばこの腕立て。 腕を支えに体を上下さすなんてなあ回数が足りねえ。 やってるうちに床の方がだんだんてめえに迫ってくる。 それを無理矢理向こうへ押し返す。 何度寄ってこようがとにかく押し返す。 そのうちどうにも体が言うこと聞かなくなってくる。 けどそこで負けちゃあ、しめえよ。 そこから先はただ「てめえは床に反発する磁石だ」とでも思って、 こんな風に押し返す、押し返す、押し返す…… こうやって鍛えた体だけ持って、みんな裸でリング

【プロレスの絵本】第3話「壊し屋」 ブルドーザー・オブライエン談

恐えヤツに限ってリングの内と外じゃ人が違うって? そんなこたあねえ。 俺ァどこでも乱暴者だ。 違いといやぁ家だと壊したもん女房に片付けさせられるくれえだ。 演技できるほど俺ァ器用じゃねんだ。 だから、 プロレスがイカサマだなんていうヤツぁ俺はゆるせねえ。 こないだも幼稚園でガキがからかわれてな。 ほおっちゃおけねえ。 全員バスにつめこんで、 バスごと家まで引っぱってやった。 全員黙ったあとで歓声よ。ざまあみろだ。 そっからたのまれてな。 試合のない日はときどきまたそうやって

〈プロレスの絵本〉第2話「月面からの使者」 Mr.ムーンライト談

この顔ですから。 子供の頃は随分とからかわれましたよ。 子供時分のあだ名は、おまんじゅう。 小学校では、ドッヂボール。 高学年では、サッカーボール。 学生時代は、風船大王……。 お月さまがあだ名だなんて、 随分と出世したものです。 多感な時期はおっかさんを恨んだりもしましたが、 今やこの顔のおかげで皆さんにもすぐ覚えられ、 おまけに声援までもらっています。 天職、だと思います。 ※週替りでレスラーや関係者が、自らの生き様を語ります。

〈プロレスの絵本〉第1話「史上最強のチャンピオン」ディック・モーガン談

私はチャンピオンである。 チャンピオンは常に完璧でなくてはならない。 心、技、体、全てにおいて頂点を極めるもののみが、この栄光のベルトを腰に巻く資格を持つのだ。 よって私が最強であり、 私すなわちプロレスである。 チャンピオンである私は、 誰の挑戦も受けそして勝たねばならない。 なぜなら、 プロレスこそが最強であり、 私の敗北は、プロレスの敗北だからだ。 人はいつか老いるものであり、 私とてその例外ではない。 その時が来たら、私は潔く プロレスの名を継ぐに相応しいものに