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最近の妄想の私。⑤

ではこちら、お預かりいたします。

できるだけ、早くに届けておくれよ!!!

は、はぁ…

あ、あとソレはただの手紙じゃないから!気を付けて運ンどくれよ!!!

桐枝!!……ハハハ何でもないです!お騒がせ致しました。よろしくお願いします。

は、はぁ……慎重にお届けするよう配達員にお伝えしておきます。

本当に頼ンだよ!!!

もう!うるさいよ、桐枝!他のお客さんに迷惑だ!
サァ、行くよ!

わ、わかったヨ……そんな怒ンなよ。

怒ってないから、行こう?

あ、あぁ…






(あ…あの女は…)

(あぁ!間違いねェ!!)

(ふふふ!桐枝全っ然変わってないや!)


で、これからどうするんだい?桐枝?

モチのロン!こことは違う世界、異世界への入り口を探すのサ!!!

な、何か手がかりでもあるのかい?

ナイッ!!!

(ズコーッ!!!)

得意気に言うなー!って桐枝。

あぁ、わかってる……。
アタシ達に何かようかい?


……死に損ないの風呂、腰抜けのスキンケア?

ちょっと!ボクもいるよー!

へ?……アンタはダラシン!?

ハハハ!!桐枝久しぶりだね?でも今のボクはクリンダマイシンリン酸エステルゲル1%「サワイ」って立派な名前になったんだよ!

ハ、ハァ?クリ?なんだって?

だーかーらー!……もう!ダラシンでいいよ!

いや、そんな事よりアンタら3人が何で連ンでいるンだい!?ダラシン!!離れな!!

なんでぇ?風呂さんもスキンケアさんもイイヤツだよ?ボクら仲良しだもんねー?

馬鹿!!ソイツら2人はアタシの敵だよ!!

敵?どう言う事?訳わかんないよ。
風呂さん、スキンケアさん、そうなの?

…私から説明しよう…

アンタはスキンケアだったね。アンタの願った通り、読書感想文はアタシが綴ってやったよ。

…ありがとう。心から感謝する…。
実は桐枝、貴女に伝えたい事がある。大人しく聞いてはくれないか?

(風呂、スキンケア、勿論ダラシンからは殺意は感じない…でも、警戒するにこした事はないね…)

あぁ、イイよ。ただこんな街のど真ン中で聞くのはイヤだね。
…宿をとってある。…場所を移そうじゃないかい。

待ってくれ!少し彼女と話をさせてくれ!

ベピオ!?
チョット、何だい!?

いいから来てッ!!

おい、桐枝!?いったい何を考えているんだッ!!!
僕は反対だ!!!それに、よりにもよって密室だなんて、危険過ぎるッ!!!

ベピオ…ココはアタシに任せてくれないかい?
万が一アンタがヤバくなったらアタシが必ず守ってあげるからサ。

ま、まもっ!?……ハァ、そう言う意味じゃない。奴らは一度君の生命を狙おうとしたんだ。特に風呂は生きているときた。あと、あのダラシン…?妙に馴れ馴れしいけど、どういう関係なんだい!?

チョット、いっぺんに喋ンじゃないよ!!
アイツらからは殺意は感じ無かった。でも、アタシも油断するつもりはないよ。それに風呂とスキンケアは読書感想文の元手下だ。面白い話が聞けるかも知れない。アタシ達は今、異世界について何の情報も集めてない。その辺ももしかしたら詳しいかも知れないだろ?

た、確かに…一理ある。で?

で?何サ?

ダラシンについてだよ!

アイツは〜…昔からの馴染み?うん、そう!馴染みのヤツ!!

どれくらい前から?

6年前に初めて皮膚科で出会ったンだ。

ろ、ろくねん……!?

う、うん。初めて処方された塗り薬だったから、よく覚えているよ。

は、初めて……!?あ、あの桐枝。

な、なンだい?って言うか、さっきからアンタ怖いよ……ベピオのそんな顔初めて見た気がするよ。

僕と初めて出会ったのはいつだったか……覚えているかい?

エ、ええと、チョット待って今思い出すから!

思い出さなきゃならないほど僕のこと思い出せない!?

〜ッ!!重いよ!アンタ!女々しい!!!

め、女々しい!?そんな事、製造されてから初めて言われたよッ!!

そりゃそうだろうネ!!アタシも塗り薬に女々しいなんて生まれて初めて言ったし、この先一生言わないだろうネ!!!

えっ、それってまるで…(プ、プロポーズみたいだ)

まるで、なンだい!?やろうってのかい!?

いや、やらない!やらない!大丈夫!僕が悪かった!うん!へへっ…

今度は笑ってら…アンタ、何考えてるンだい?今度、一度診てもらった方がいいンじゃないかい?

へ?みる?何を?それより、困らせて…さっき僕の事怖いって言ってたけど、嫌いになった?

……そう、いきなり優しくしてくるのも怖いねェ

えぇ!?じゃ、じゃあ、どうしたら怖くない?僕はこう言う時、どうしたらいいのかわからないよ…。

いつも通りのアンタでいて欲しいな!うん!

そ、そうか!いつも通りの僕…いつも通り?僕っていつもどんな感じだったっけ?…あれ?

あ〜らら、ソレは一生考える事になるからよしな。
あと、寝る前には絶対に考えちゃいけないよ!

え、あぁ…うん。そうする!さて!そろそろ
アイツらのところに戻ろうか、桐枝?

アンタが取り乱すからだろ…



あー、戻って来たー!遅ーい!

ダラシン、近いっての!

チィッ!!!

え、桐枝?どうしたの?僕何かした?

ハァ…ええっと、遅くなって悪かったね。
宿に行こうか、ついてきなヨ…

…あぁ、感謝する…。
風呂よ、行くぞ…。

オゥよ!

さってと…先ずは何から話したモンかねェ…?

オイ!桐枝!

風呂…そういや、アンタは何で生きて来れたンだい?アタシは本気で戦ったンだ。

オレァ、確かに弱ェけどよ、体力は充分あるンだ。
まぁ、本来は癒すのがオレの力だからよ!

へ?そうなのかい!?でも、殺意は確かにあったよ!どういう訳だい?

その笑わないで欲しいンだけどよ、湯気でお前が年寄りに見えたンだ…。ほんと悪りぃ!!

ハァ?何で年寄りだと殺意が湧くンだい?って言うか、アタシのどこが年寄りだってェ!?

だ、だからよ!間違えた事は謝る!悪かった!

……で、アンタは年寄り相手だったら誰彼見境なく殺しちまうのかい?

それも、誤解なンだ!オレァ昔っから無意識に殺しちまうンだ。特に冬場なンかよ、年寄りは冬の寒さと風呂の熱で温度調節が出来なくなって…

そうか!ヒートショックだね?

ベピオって言ったか、そうだよ!ソレだ!
オレはほんとはみんなに気持ち良くなって欲しいってのによ、時々そのヒートショックで人を死なしちまうンだ…。

なるほどねェ…アンタも苦労して来たンだね。
で、下流の村に流れ着いた、と。

そうだ。オレはその村に流されて修理してもらったンだ。その村には風呂が無くってよ、みんな喜んでオレを歓迎してくれた。で、スキンケアもその村にやって来たンだ。

…あぁ、風呂のあんな楽しそうな顔、初めて見た…

よせやい!照れンだろ!

それで風呂とスキンケアは合流と言う訳かい…。
読書感想文の手下になったのはどうしてだい?

オレはヒートショックで人を死なしちまった時に読書感想文に拾われた。
城の風呂が故障したって言ってたっけな?
で、桐枝という女が読書感想文を殺しに来るって話を噂で聞いちまってよ!
オレはあん時、読書感想文に拾ってくれた恩もあったし、読書感想文を殺しに来るって奴が気になっちまって、お前を見に行っちまったンだ。

運悪くヒートショックが発動しちまったって訳か、アタシを年寄りと見間違えて。

うう…悪りぃ。

スキンケア、君の事も聞かせてくれないか?

…私の本当の名はメラノCCという。化粧水、フェイスマスク、乳液全てが揃ってスキンケアと呼ぶ…

これまた面倒臭いねェ。

桐枝、こんな事を言ったら驚くかも知れないけれど、僕もスキンケアの一部に当てはまるんだ。
ダラシン、君もそうだろう?

すやすや…むぅ

ダラシン!

ひゃあ!…ごめーん、話が長過ぎて寝てたー!
で、終わった?

まだだよ、ダラシン?君もスキンケアの一部なんだよね?

そうだよ!桐枝の肌守ってたよ!

……桐枝、こう言う訳なんだ。びっくりした?

要するに私の顔を守ってくれるヤツらを全部ひっくるめてスキンケアって言うンだろう?びっくりどころか、ベピオと同じって聞いたらメラノCC、アンタいいヤツじゃないか!

………

ど、どした?

ガハハハ!!スキンケアのヤツ照れてンだよ!

…別に照れてなどおらぬ。風呂よ、適当な事を言わないでくれ…

そういや、メラノ。アンタの化粧水、フェイスマスク、乳液はみんな面倒臭い攻撃だったけど、妙な感じになった。そしてアンタからは殺意を感じなかった。ソレは何でなンだい?

…私も本来は肌を癒す、いや潤いを与えるのが力だ。特に冬は乾燥する事から私も本気で戦ったが、私には読書感想文様の本心が肌を通して伝わって来たのだ。その時だった、貴女が読書感想文様を殺めようと城へ向かっていると聞き阻止するよう御命令されたのだ…

なるほどねェ…だったら最初から読書感想文を倒して欲しいなんて言わないで、解放してくれって言えば良かったじゃないか!!

…それは…すまない、本当は読書感想文様も貴女と戦いたいと願っておられたのだ。あの方の肌に触れるといつも貴女の事でいっぱいだった。でも孤独だった。そんなかなしいあの方を見るのが毎日辛かった…だから貴女に倒して欲しいと願ったのだ…でも、綴ってくれるとは思ってもいなかったから……

ほっとしたってヤツかい?

…あぁ、桐枝。改めて礼を言う。あの方を救ってくれて、ありがとう…

オレからも言わせてもらうぜ!読書感想文のことは、何も知らなかったけどよ、今の話聞いたら良かったとおもうぜ!

いンや、アタシもいい想い出になったよ。
アイツの事は絶対に忘れないからサ。

…それで、桐枝。読書感想文様を綴った文章は今何処に?…

ソレならさっき郵便局に出して来たよ!へへ!

…桐枝、冗談にしては笑えない。救ってくれたことに関しては感謝しているが、どういう訳か説明してもらおうか…

ガハハハ!!
桐枝!コイツ、今相当キレてると思うぜ!!
言っちまえよ!オレは怒らねーからよ!


長くなり過ぎたので続くッ!!!

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