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桐田啓
2020年11月16日 22:35
下に横断歩道が通っているのに、歩道橋に登りたくなって。橋は、揺れていた。下を時速70キロで車が通り過ぎていく。ここから落ちてしまえばどんなに楽であろうと思った。もし死ねずとも現在は変容するはずだ。思っただけだ。別に苦しいわけではないのだ。夜風が体温を冷やしていく。身体が底から冷え、徐々に思考も冴えていく。来る日も来る日も金を払っている。生活のために。知らないやつに、金を払っている。ここでは絶えず金