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【北海道編】旅の記録 5日目

果てなき道の果ては、北の最果ての島。
分厚い雲の下に待つのは、新しい出会い。
その出会いは偶然か、旅人の必然か。

2024年8月 元ニート、これの辞め時がわからなくなった俺

1.いざ、礼文島

2023年6月23日、北海道の旅を始めて5日目。
フェリー以外はずっと車中泊なので、そろそろちゃんとした宿に泊まりたくなる頃でした。

タイトルの通り、この日は日本の最北の離島である「礼文島」へ行ってきます。
礼文島での車中泊も考えたのですが、稚内~礼文島までのフェリーに車を乗せるのが非常に高額。
人だけなら5000円くらいなのに、車込みだと片道2万円くらい。往復4万。無理。ちょっと勘弁してほしい。
そのため、礼文島では宿をとり、礼文島内は原チャリで移動することにしました。
レンタカーという選択肢もあったのですが、いかんせんレンタカー代も高かったので、一番安い移動手段にしました。

そんなわけで、いざ出発です。

92kmを88分で行けって、Google Mapバグったのか?60km/h超えてますけど!?
これが最北へと至る道。
いつも通りのストレートっぷり。
霧に浮かぶ利尻島。
旅程に余裕があったら、ここにも行ってみたかったなぁ。
近づくと山頂に雪が残っているのがわかる。

正確な所要時間はわかりませんが、いい感じの時間にノシャップ岬までたどり着きました。

ここは果ての地ではない模様。
朽ち果てた碇のモニュメントは何なんだろ……
なんかイルカがいた。もしかしたらイルカが見えたりするのかも。イルカかわいい。
北海道の人はコレを「アオカン」って読むらしいね(水曜どうでしょう知識)

フェリー乗り場は左かーなんて簡単に考えていましたが、思わず二度見してしまいました。
だってこれ、ロシア語が併記されてるじゃん!!
最北だの果ての地だの言ってきましたが、ロシア語まで併記されると、本当に最北なんだな、というのを改めて実感しました。

稚内から国際フェリーが出ているらしい。だからロシア語も書いているのか。
ロシア語がまったく読めない。読める気すらしない。

この稚内には、無料駐車場とかいう神システムが存在します。
そこに遠慮なく車を停めて、フェリー乗り場まで歩いていきます。
当然立地はあんまりよくありません。フェリー乗り場まで約1kmほど歩きますが、無料なのはデカい。

10:30のフェリーに乗船予定です。
礼文島の港は香深港といいます。
マジか!?
知らなかった。てっきり札幌あたりかと思ってた。
確か札幌らへんに、白い恋人パークとかあったよね。あそこがふるさとじゃないのか。
滅多に缶コーヒーを飲まないけど、「~北の大地とともに~」って書いてるラベル、ちょっといいな。
俺も「~○○~」←これ、積極的に使って行こう。
どうやらこんな感じのフェリーらしい。
小樽まで運んでくれたフェリーとは、さすがに比ぶべくもないか。
2等客先のチケットの買い方わかんなくて、無駄に1等客室。
一番安いのと比較すると、確か1500円くらい高かったような。
これが実際に乗る船、サイプリヤ宗谷。
なんか君、写真と違くない?
こんな感じが礼文島らしい。
最北限の島、楽しみだ。
これが1等和室。
まぁ、2時間程度の船旅だし、こんなものと言えばこんなものか。
出航!!いざ最北限へ!!

2.最北の離島「礼文島」

サクサク降りちゃったから、フェリーターミナルの外観写真しかないや。

乗船時間約2時間の船旅を終え、最北の離島である礼文島へ上陸しました。
ここが最北かー、などと感傷に浸っている時間はありません。
なぜなら、予約していたレンタルバイク店は17時閉店
そして礼文島についたのは12時25分
バイクに乗っていられる時間は5時間もないんですよ。

そのため、急ぎ足で原チャリをレンタル。
書類をチャチャッと記入し、この日の相棒とご対面です。

HONDAのTACT。
昔に自分が乗っていた原チャリと似たような色をしていたので、妙な親近感があった。

ヘルメットもレンタルし、最高速度30km/hの旅が今!始まります!!

2-1.スコトン岬

まずは最北の離島の最北である、スコトン岬を目指します。
その道中にも例に漏れず、ユニークなものがたくさんありました。
簡単に紹介していきます。

こんな離島にもパチンコ店があるとは……
なお夢はない模様。
突然現れる神社。
空がもっと晴れて青々としてたら、鳥居の赤とのコントラストが素晴らしかったろうな。
こんな感じで、かなり海に面している。漁業の安全を祈る神様かも。
雲に覆われた島。
6月も下旬だというのに、めっちゃ寒い。
6月下旬なのに現在15度ってマジかよ。すげえな北海道(1日振り)。
地味にお腹空いてきた。
最北のキッチンって書いてあるけど、「礼文島の」最北のこと。
宗谷岬のほうがもっと北にあるのでね。
ただし味は最高。めちゃくちゃ美味しかった。
あんまり礼文島を感じない食材だけど、夜に食べるからOKってことにする。
斜面に作られた謎のトンネル。謎昇降設備。
なにこれ?
近づいてみると、津波避難場所まで行くための通路らしい。
海に面している、というか海に囲まれているので、こういう設備は必要になるのか。
でもこんなに立派な避難通路は初めて見たかもしれない。
写真では伝わりにくいけど、左側の山というか丘?素晴らしい景色だった。
どうやったらあの風景を綺麗に写真に収めることができるのか。
スタート地点から約16km、結構進んだ気がするのにたったの16km。
やはり30km/hというのは、体感よりも遅いかもしれない。
なだらかな丘がいっぱいある。
日本じゃないような、少し不思議な光景だった。
俺の知ってるファミマじゃねぇwwwwwwww
九種湖という湖。礼文島の最北の湖というが、そもそもここしかない。
写真が致命的に下手になるレベルで天気悪い。
湖畔にキャンプ場が併設されてた。
いいなー湖畔キャンプ。キャンプしたくなってきた。
おそらく、この先端がスコトン岬。
あとちょっと!頑張れ相棒、頑張れTACT!!
丘に近づくことができたので、謎の1枚。

ここの礼文島の山々、というか丘?には、ほとんど樹木らしい木が生えていませんでした。
あったとしても指折り数えることができる程度。
主に生えているのは写真のように、背の低い草ばかり。

豪雪地帯となると、高く成長する木は育ちにくく、こういった寒さに強そうな草しか生き残らないのだろうか。
なんて、調べたらすぐにでてきそうなことをしばらく考えながら走っていました。

スコトン、てこんな漢字書くのか!てか漢字あったんだ!!
それよりも、看板から草生えてるの草。
出ました、看板!

レンタルバイク店から走ること約25km。
北限の島、礼文島の最北端であるスコトン岬に到着しました!!

ただし天気は悪い。
最北の離島の最北端。
いいね、端っこ。
なんか斜めになったけど、ここが最北限の地らしい。
観光客がいっぱいいたので、お土産屋さんをちょっと見て退散。
ウニの時期だったので、めちゃくちゃウニを推された。

最北限の地とはいえ、天気がいまいちだったのであまり感動を味わうことができませんでした。
晴れていれば、遠くに樺太(サハリン)が見えるようです。
日本の国土にいながら海外の土地を見ることができる絶好の機会だっただけに、ちょっと残念でした。

この天気では樺太を見ることは難しい。
奥側に見える島は、無人島であるトド島とのこと。

ちなみにスコトン岬、外国人観光客でごった返していました。インバウンドですねぇ。

他にも、写真に収めてなかったみたいですが、ここスコトン岬に民泊がありました。
その名も「民泊 スコトン岬」。なんのひねりもなくて好感が持てますよね。

ということで、もうちょっと天気が良ければ綺麗な風景が見えたであろうことを想像しながら、スコトン岬を後にしました。

2-2.島内散策

礼文島は南北29km程度の、小さな島です。
しかし小さいからと言って魅力まで小さくはありません。
少し見どころを調べてきたので、綺麗そうな景色を求めてレッツ南下。

レブンアツモリソウという、礼文島にしかない希少な花。
ただし見ごろは終わっている模様。6月上旬、長くても中旬までしか見れないらしい。泣いた。
見ごろであれば、ここ一面にレブンアツモリソウが咲き狂っていたはず。
見たかったなー。残念。
斜面に設置されている柵は、雪崩防止用の柵。
やっぱ北海道って、想像していたよりも雪国かもしれない。
スカイ岬。名前かっこ良すぎ。
なんか入り江が見えるので、あとで降りてみる。

写真じゃわかりづらいですが、断崖絶壁の岬なので、柵の近くまで行ったらすぐ海でした。ちょっとビビる。

これだけ天気が悪くても、海が透き通っていることがわかる。
もっと晴れてたらめちゃくちゃ綺麗だったんじゃないか。
降りようと思ったけど立ち入り禁止だった。
これだけ綺麗な場所だし、保存した気持ちもわかる。
礼文町立神崎小学校の跡地。
廃校だけど、かなり綺麗めな廃校だった。
どんだけ廃校好きやねん。
黒霧島の箱www小学校には似つかわしくないwww
草ボーボーで荒れ果てたように見えるけど、人が行き来したかのように踏み固められた場所がある。
謎に車で踏み固められた場所。マジでなんなんだ、この廃校。
イベントスペースとか公民館とか物置とかで使ってるのかな。
運が良ければアザラシが見られるらしい、金田ノ岬。
この日は一匹たりとも顔が見えませんでした。
岬というか、なんというか……
岩が盛り上がっているだけ。岬なのかどうか微妙やんけ!
整備されている廃墟、礼文空港。

Google Mapで見たときは「へー、空港あるんだー、でも距離短いからフェリーでいいよなー」くらいの気持ちでした。動いていると思っていたので。
ところが、運用休止中って書いてあり、どんな状態で保存されているか見たくなるってのが、廃墟好きの人間ですよね。

2003年に定期便の就航が取りやめになり、2009年に供用を休止したようです。
それ以来ずっと休止中とのことなので、2023年時点では14年も無人で休止中の空港です。
どうやら滑走路が短く、ジェット機が離着陸できないらしく、プロペラ機専用空港として運用されていたようです。その使い勝手の悪さも、休止の原因でしょうか。
というか2003年から2009年までは何をしていたんでしょうか……臨時便とかを飛ばしてたのかもしれません。

当たり前のように立ち入り禁止。

内部をなめまわすように見たのですが、荒れている感じもなく、ただの虚しく廃棄された施設、廃墟でした。
この廃墟の後ろに滑走路の廃墟があったのですが、当然そこも立ち入り禁止です。
「滑走路の廃墟を原チャリで爆走してみたwwwwww」とかやってみたい人生でした。さすがに人生終わるにはまだ早いので、自粛します。

霧の隙間から見える利尻富士。なんかラスボス感ある。
金環日食観測した記念碑。
たった1秒の金環日食だったらしい。

金環日食は、地球から見て月と太陽が一直線に並び、月が太陽よりもほんの少しだけ小さくなる時、太陽が月の影に隠れて光の輪状になる現象です。
太陽の一部を隠すのが部分日食、全部隠すのが皆既日食、その中間が金環日食という感じです。
金環日食が見れるような好条件はめちゃくちゃレアですが、部分日食や皆既日食くらいなら比較的良くあります。ざっくり10年に1回くらいですね。
ちなみに次は2030年と予想されています。

そんなことしてたら、スタート地点に戻ってきました。

無事に礼文島、一周しました!!うおおおお!!
と思っていたのに、西側と南側まで行けませんでした。時間的制約です。
ここに戻ってきた時間が16:31。返却は17時まで。
はい。詰みです。
もっとも西や南に何があるというわけでもないのですが、「何もない」を見に行っているので、結構残念でした。

3.一日の終わり

この日は車中泊ではなく、民泊へ泊ります。
せっかく離島に来たのに特産品を食べずに帰ることなんてできようか!いや、できない!(反語)
というわけで久しぶりの布団です。

本日のお宿。
布団で寝れる幸せ!
これは名物「ほっけのちゃんちゃん焼き」です。
こっちはめざし。だっけな。

礼文島の昆布を使った昆布焼酎を飲みながら、島の名物をいただく。完璧なムーブ。
たまたま相席になった方がいたのですが、その方がバイクで日本中を旅しているらしく、僕よりもずっと若いのに旅の経験値はずっと高くて、めっちゃうらやましかったなぁ。
礼文島も愛車でブイブイ言わせながら廻っていたらしいのですが、僕の行けなかった西側、南側にも行っていました。
案の定、何もなかったみたいですが……
全国にライダー用の格安宿泊所とかがあるので、普段はそこで寝泊まりしていて、留萌のみつばちハウスも知っていました。

ここにみつばちハウスのこと書いてます。廃墟だと思ったホテル。

こんな風に旅人と出会えるのも、なんかいいなぁ。
青ヶ島旅でも登山家と知り合ったし、居酒屋で生まれるコミュニケーション、これからも大事にしていこうと固く誓い、布団に潜り込みました。

やっぱコミュニケーションよりもお布団、最高。

だいたいの移動経路。
めっちゃ北側。
ズーム。
礼文島内の行った場所。
一本道を往復するだけで終わったの、ちょっと残念かもしれない。

5日目移動距離:95.5km
レンタル原チャリ走行距離:70.4km
総走行距離:737.6km

車の走行距離だけカウント中。原チャリの走行距離は最後に加算します。


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