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レース模様の図書室、再訪

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霧とリボン企画展《レース模様の図書室、再訪》|2021.4.22〜30|少女たちは或る日、レース舞う図書室への扉をふたたび開ける——オンライン・ギャラリー「MAUVE CABIN… もっと読む
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レース模様の図書室、再訪|須川まきこ|レース模様の図書室へ再び

TextKIRI to RIBBON  この日のために、とっておきのレースのドレスを選びました。レースのおしゃれを日夜追求している少女たちと待ち合わせをしているからです。  1年ぶりに再会する二人は変わらず元気かしら? いまはどんなことに夢中なのかしら? 一緒に行ったコンサート、とっても楽しかったなぁ——お喋りしたいことがどんどん押し寄せてきます。  フローラルの甘さの中に、苦みと重さのある香りが過ぎりました。懐かしい香水の香りの先に、二人がいました。 * * *

レース模様の図書室、再訪|フランスガム《2》|存在と不在のバッグ

TextKIRI to RIBBON  菫色の図書室には、昼から夜へと向かうはざまの時間帯にだけ現れる秘密の扉がいくつかあります。  そのひとつは「もしかしたら存在していたかもしれない世界」、少女たちが「ノスタルジー国」と呼ぶ不思議な国への扉——  妖精エートルにいざなわれて、扉の向こう側へ。菫色の図書室をしばし離れて、旅をしてみましょう。 * * *  少女たちの今回の旅の目的は、憧れの先輩たちが愛用している「存在と不在のバッグ」という不思議な名前のバッグを入手