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ビストロバンビ 2-3 〈コンクリートジャングルでみつけた華との出会い〉

東京で生まれ育った氏家圭吾は、都会の空気や無関心について常に疑問を感じていた。下町育ちの為、言葉は荒いけれど近所に荒川もあり、公園や大きな橋の下で野球をしたりと、それがあたかも当たり前の環境の中で、異国の情報を父、氏家 仁は骨董店という職種の為アラブの高級絨毯からイギリスの銀食器。イタリアのベネチアングラスのセットなどの目利きの仕方を、子供ながらに聞かされたものだった。

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