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「Beauty Blossom煌めきの塾」ブログより 花屋敷物語 第2部:変化と現代

花屋敷というところは、お屋敷がある地域であったため、お店やスーパーもありません。
かつて屋敷には、何人もの使用人がいました。
買い物は全て御用聞き(お店側が家に来て、注文を伺う)と出前、配達でした。
夜にすき焼きと電話をすれば、一式が配達されました。

周囲にはお店も人々が集まる場所もないため、豪邸にはビリヤード室や茶室、ダンス会場、パーティールーム、また、テニスコート、ボートを浮かべて遊べる池がありました。

パーティーなどが開かれる時は、御用聞きは大忙しです。
マダムに人気があったのは、お菓子の御用聞きです。
風呂敷を広げると漆器で作られた細かく仕切られた重ね箱にお菓子の見本が入っていました。
お菓子はご用命の後、必要な時に配達されました。
現在のUber-Eatsですね。

マダムは家の使用人たちや御用聞きの人たちに日常においてや様々な行事に合わせて指示を出したり、マネジメントをしたり、採用をしたりしていました。
夫は会社の経営、妻は家の経営ということですね。

現在、家政婦になる人も運転手もお店側も人手不足です。
ヘルパーなどに依頼しても時間制です。
豪邸では住み込みでないと家が大き過ぎて回りません。
朝、起きて、何十枚という雨戸を開けるなどがあります。
だから、使用人がいないと豪邸に住むことはできません。

花屋敷の住民には自家用車があるため、バスもタクシーもありません。
しかし、現在では、住民も高齢化したため車にも乗れず、運転手も人手不足で採用ができません。
日常の買い物は隣の市まで行かないといけません。

また、創業者の家族も企業を継ぐ者が少なくなり、多くがサラリーマンとして生計を立てています。
このような背景から富裕層の象徴であった豪邸も、維持が困難になりつつあります。

花屋敷の豪邸も時代の変遷と共にその価値を変えています。
多くの豪邸は売却され、新しいマンションへと再開発されています。
富裕層の生活スタイルが都心部の高層マンションへと移り変わっています。高級住宅地の概念も都心から郊外、そして再び都心へと移動しています。

豪邸に富裕層が住むということは、そこで働く人たちを必要とします。
昔は会社以外でも働く場所が豪邸にもあったということです。
それはどの国であっても同じです。
王族や貴族たちの屋敷には多くの働き手が必要でした。

色々なものが紐づいて、社会や地域、人々の暮らしが変わっていきます。
暮らしが変われば個人の生き方も変わっていきます。
時代を越えてまた戻ることもあります。
富裕層エリアが都心部から郊外、また郊外から都心部へと戻るように。

富裕層マダムの立ち位置も役割も変わったように、女性たちの立ち位置や役割も変わっていくかもしれないですね。

参考文献
宝塚雲雀丘・花屋敷物語
編集・発行 宝塚雲雀丘・花屋敷物語編集委員会 2000年


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