ホワイト出身30才がスタートアップに転職して1年経ったら

結論:なんだかんだ成長する。

この記事は自分の転職してから、スキル面でどれくらい向上したかを振り返る記事だ。

ホワイト企業に勤めていると基本的にビジネススキルは身につきづらい。

若いうちなら軌道修正はしやすいが、アラサーになると転職してもポンコツ扱いなのではないか。

そんな不安を持っている方もいるであろう。ましてやスタートアップというホワイトとは真逆な環境に転職するというのは狂気の沙汰のように聞こえる人もいるかと思う。

しかし、生物界には、人間が絶対に住めない環境に住む生物がいるのと同様に、スタートアップの方が肌にあっているという人間も一定数いるであろう。

もし、ホワイト企業に勤めていても、人間関係や仕事面で物足りなさや苦痛を感じている人は案外スタートアップの方が水があっている可能性mあるのだ。

そこで、今回は自分の経験として、29才までホワイト大手でぬくぬくと生きていた自分がスタートアップに転職したらどのようになったか書いていく。

良い面①仕事が楽しい

まず、仕事が面白い。

企業の風土にもよるが、スタートアップとは基本的に「なんか世の中の仕組みがムカつくから自分たちのプロダクトで変えてやろうぜ!」みたいなマインドを持っている会社が多い。

世の中の理不尽を変えて人に幸せをもたらす、自分たちが幸せになる。という志向性を持っている人にとってはモヤモヤや葛藤なく働けるだろう。

(そうでないスタートアップも実はある。そういうところは残念ながらただの営業会社かもしれない。見分ける術は経営者の経歴と面接での雰囲気なんだがその辺は有料記事で書くかも。)

良い面②働き方が自由

自由ということには二つ意味があって、働き方の自由と、キャリア選択の自由がある。ということだ。

まず前者だが、弊社の場合、フルリモート、フレックス、短時間正社員OKなど働き方の多様性は秀でている。

フルリモートにして、家賃がやすい地方で働けば年収が下がっても可処分所得の面ではお釣りが出ることもある。

次に後者についてだが、スタートアップでは文字通り手を挙げた人に仕事が回ってくる。

仮に営業で入社しても、「プログラミングを学んで自分でプロダクトを作りたい!」と手をあげればいくらでも仕事は降ってくる。もちろんプログラミングを学んで使い物になるレベルに達していることが前提だが。

自分もスタートアップに入社してからなぜかこれまで経験したことがなかった、人事制度企画やプロジェクトマネジメントなんかにも携わらせてもらっている。

良い面③能力が身に付く

間違いなく能力は身に付く。ここでは自分のスキル面と人格面での変化について書くので参考にして欲しい。

まず、スキル面だがこんなスキルが身についた。

①ビジネススキル
論理的思考力やプレゼン能力は圧倒的に身についた。100人の前で8時間ぶっ通しで講師をしても全く緊張せず流暢に喋れる+BIG4のコンサルファーム出身者と議論しても普通についていける程度の能力
②PCスキル
ピボットテーブル しか扱えなかったけど気付いたらVBAや統計解析、PythonやGASを使った業務自動化やスクレイピングまでできるようになった。
③プロジェクト管理能力
何も定まっていない中から業務フローやルールを決めて運用し、問題が発生すれば適宜PDCAを回して改善していくということをチームで行えるようになった。

次に人格面だがこんな成長があった。

①やり切り力
絶対にやると決めた業務はやり切れるようになった。どんなに無茶振りであっても徹夜してでもなんとか期待値を上回るぜ!というマインドセットが身についた。なんせ全くやったことないのに「今月中にゼロの状態からSalesforce導入してねー」なんて言われるのだから。やり切れば確実に地力は身に付く。
②人に対しての優しさ
ぶっちゃけ大手はメンバーに無関心でも会社は潰れない。しかしスタートアップは同僚と徹底的に向き合わないといけない時がある。その中で相手を責めていてはいけない。どんなひねくれた相手であっても「なぜ彼はそのような考えを持つに至ったのか。発達障害グレーゾーンなのか、それとも自己肯定感が低いのか、そしてなぜ自己肯定感が低いのか、そんな彼に自分ができることは何か」というレベルまで愛を持って見ることが必要だ。
③動じないメンタル
スタートアップは基本的にトラブルしかない。体制が整っていないのだから仕方がない。基本的にルーティンは存在せず、何かしらの問題や課題を抱えている。そのトラブルに対して、野球の絶対的守護神のように「ノーアウト満塁のピンチを俺が抑えてやるぜ!」という気持ちで挑むマインドセットが身についた。

結論、無茶苦茶成長する。

正直、この1年だけで成長速度で言えばホワイトの頃の3倍は成長しているだろう。

悪い面①待遇は下がる

一方、スタートアップは基本的に待遇は悪い。

住宅手当なんて稀で、交通費すら月15,000円が上限というケチな会社もあるだろう。

年収も大手の時の2/3くらいまで減ることは覚悟しておいた方がいい。

ただ、先に挙げたリモートで地方に住むというワザを使えばその辺はどうとでもなる。(ただ、経営者がマイクロマネジメント傾向にある場合このワザは使えない)

悪い面②業務時間は増える

ホワイトにいた人は基本的に激務を覚悟すべきだ。

僕の場合残業時間が25倍になった(そもそもホワイトのときの残業が2~3時間なんだけど)

ただ、業務内容はクリエイティブで頭を使うものなので、時間が過ぎるのも早く感じることはメリットだったりする。

悪い面③変わった人が多い(気がする)

基本的にスタートアップで幅を聞かせているのは

①バリバリ稼いでのし上がってやるぜ属スーパー営業マン科
(例:リク○ート、野村○券、キーエ○ス出身)
②プロダクトを作れれば幸せ属なんでもできるエンジニア科
(例:メガベンチャー、大手SIer)
③ヘッドハンティングされちゃったよ属CXOになりたい元外資系orコンサル科
(例:アクセン○ュア、デロ○ト、P&○、マッキン○ー)
④その他諸々

に分かれている気がする。(あくまで個人的主観バリバリだが)

ADHDの人は①に近く、ASDは②寄りの人が多い気がする
③はADHD、ASDもいるが定型の人の方が多いイメージ。(あくまで自分のイメージだけど)

(ちなみに①と④が多い会社は営業会社の可能性が強いからASDは要注意だ!)

要は何が言いたいかというと基本的に癖が強い人しかいない。

僕も含めて「あー、この人優秀だけど、大手では確実に悶え死ぬんだろうな(優しい目)」と感じる人が多い。

また人数が少ないため、人間関係も密になりやすい。

基本的にコミュ障な発達障害者は合わなければきついだろう。

ただし合うと天国になる。

なんとも言えない面①大手には戻れなくなる

これは別に「ベンチャーにいくと大手の中途採用面接に受からない」というわけではない。

そんなもんはスキルと実績があればどうとでもなる。

現に同僚でも
外資コンサル→スタートアップ→日系大手製薬
メーカー事務系→スタートアップ→メガベンチャー

というキャリアパスで大手に復帰した人もいる。

ただ、復帰した人の話を聞くと「収入面など、家族のことを考えて転職したが仕事つまんない。友人が起業するっていうから手伝いたい」なんて話も聞いたりする。

つまり何が言いたいかというと

「一度スタートアップでフリーダムな働き方をすると、お堅い大手の仕事は働き方面でも仕事面でも合わなくなる可能性がある」ということだ。

これをデメリットと受け取るか、メリットと受け取るかはその人の判断に任せる。

結論:あくまで受け取り方次第だが、大手合わない人はスタートアップにきてもいいと思う

幸せの定義は人それぞれ。

ただ、大手に居て「なんだかつまらない」「職場のおじさんたちと毎日飲み会して社内接待するの疲れた」「世の中に不満がある」なんて考えている人や。

いい大学出て大手に就職したはいいものの、発達障害っぽくて鬱になっている人はスタートアップに転職するというのも選択肢かと思う。

ただ、スタートアップならなんでもいい。というわけではない。

事実僕はスタートアップを2社(起業前も含めると3社)経験しているが合う合わないはかなり激しい。

その辺の考察についてはまた今度書こうと思うが、基本的には経営者と腹を割って話せるところがいいと思う。

ただ、総論として

「大手合わない人は一定数いるからそんな時はスタートアップで働いてみるのも手だよ!」

と言っておく。

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