発達障害者が比較的生き残りやすい業界について

これまで人間関係やら会社の倒産やらで4社を経験してきた。

その中で自分自身生きやすいと思った企業もあれば本当に辛かった会社もあった。

そこで今回この経験を元にして、自分なりに2つの軸から、発達障害者が向いている企業を分析してみた。

分析軸について

分析軸は大きく2つ。革新的-保守的軸と、体育会系-文化系軸で分析した。

革新的-保守的軸とは、わかりやすく言うと、テクノロジーに敏感であったり、新しいことに対してスピード感を持って取り組むような社風かどうかと言う軸だ。

一方の体育会系-文化系軸とは、上下関係が厳しいか、そうでないかと言う軸だ。

もちろん、分析と言っても定量的にPCAや回帰分析をするわけではなく、僕の主観なのでその点は容赦して欲しい。

また、これまで自分が経験した業界以外の業界も取り上げた。主にその業界で働いている業界の友人から聞いた話なので信頼性はそこまで高くないかもしれないが、参考として読んでいただきたい。

こんな感じになる

あくまで私見になるが、2つの軸で分析するとこのようになる。

もちろん例外はあると思うが共感していただける方は多いのではないだろうか?

スライド1

若者に人気な革新的−体育会系ゾーン

革新的-体育会系ゾーンは一言で言えば「仕事はめっちゃキツイけど、給料はめっちゃいい業界」と言える。就活生人気も高い企業が多い。

具体的には、コンサルティング会社や、リクルートのような人材系、電通のような広告代理店などが挙げられる。

基本的には営業会社と呼ばれる企業が多いが、○○テックと呼ばれるようなサービスを提供している会社もあり、テクノロジーに関しての知見もある。

また、ベンチャー、スタートアップと呼ばれる企業でも営業力特化している会社も多い。(創業者がキーエンスだとか、リクルートだとそう言った社風になる気がする)

親が安心する保守的-体育会系ゾーン

保守的-体育会系ゾーンは、一般的に「企業名を聞けば親が安心するような企業」が多い。(一部例外はあるが)

銀行、証券、保険、インフラなどだ。

このゾーンの企業も営業会社と言われる社風が多く、入社したら基本的にほとんどの社員は現場で営業やら接客やらすることを求められる。

いきなり本社に行けることはほぼない。ちなみにこの記事で書いた会社も、このゾーンに当てはまる。

ITに疎い人間が多く、ブラインドタッチができる=PCスキルがあると言うようないITリテラシーの低い人も多い。

スライド3

ちなみにこのゾーンにASDが入るとどうなるか。結論、メンタルを壊す可能性があるためおすすめしない。

こう言った企業は上下関係が非常に強く、ビジネスマナーや気を利かすなどのASDには困難なことが求められる。

また、このゾーンの企業は得手して営業会社であることが多く、営業適性が基本的にないASDは不幸になる可能性が高い。

ADHD単独なら、逆にフルコミッションの営業などで大きく成果を発揮するケースもあるためなんとも言えないが、基本的にリスクは高いと認識しておこう。

2ちゃんで人気な保守的-文化系ゾーン

このゾーンは言ってしまえば「まったりのんびり働いて年収もそこそこもらえるホワイト企業」が多い。

ちなみに僕は1社目でこのゾーンに属する企業で働いていた。

基本的に、残業は少なく、19時まで勤務していたら激務と言われるような環境だ。ちなみにSIerはこのくくりに入るが微妙だ。NRIなんて木場のビルが不夜城のようになっている、あくまで傾向として聞いていただきたい。

財団法人や業界団体なんかがこのゾーンに多い。退職する人も少ないので新卒入社前提となる。

たまに中途採用がある法人もあるが、そう言った法人は人間関係が非常に悪い可能性があるため気をつけていただきたい。

スライド5

また、ASD単独発症型なら、案外こう言った文化の企業で長く働くことができる。ただしあくまで「長く」働くことができるだけであって、キャリアを積むことはできない。

このゾーンの企業に入ったがいいが、人間関係で詰む、飽きるなどして転職をしてしまうと基本的に二度とこのゾーンには戻れない。

スキルも低いので転職ハードルが比較的低い右上のゾーンに転職し、即死するケースもあるので注意が必要だ。

変わり者が多いイメージの革新的-文化系ゾーン

イメージするなら「大学でちょっと変わっている奴が入社した企業」と言えると思う。

ゲーム関係や、WEB業界など規律は緩いが、革新的なテクノロジーを開発・導入している企業が多いのがこのゾーンだ。

ベンチャーの中でもプロダクト重視の企業がこのゾーンに入るというイメージがある。

働き方も多様で、リモートワークだったり、フリーランスでの契約というのもよくある。

発達障害者はどのゾーンの企業が合うのか

結論から言ってしまうと下図のイメージだ。

スライド2

ADHDの場合革新性があればある程度体育会系の色があったとしても生きていける場合もある。ADHDの飽きっぽさや行動力が帰っていかせることもある。

一方ASDの場合、文化系の文化であれば、多少保守的でも大丈夫だ。パターン化されたルーチンワークが得意という特性があるためだ。

ちなみに併発型(これが最も多いのだけれども)だと、革新的かつ文化系の社風がマッチしていると思う。営業は苦手だけど、アイデアを出すのが得意、あんまり怒鳴られたり社訓を絶叫するような文化は苦手。という人は是非こう言った社風の企業を選んでもらえればと思う。あくまで経験則だけど。

また、柔軟な働き方(リモートワーク、フレックス、時短正社員、副業など)ができるのは圧倒的にこのゾーンの企業である。

発達障害者の方は睡眠障害やパニック障害を二次障害として抱えているケースもあるので、比較的自分に負荷の少ない環境でパフォーマンスを出したいならば、是非、文化系かつ革新的な社風の企業が合っているので目指してみてはいかがだろうか?

実際僕も現在、このゾーンの企業でリモートワーカーとして勤務している。このコロナ禍の中でも業務量は比較的多いものの、人間関係でストレスを感じることはほとんどない。

また、同僚にも発達障害の可能性があるような方もいるため、自分らしく働けるのも良いところかと思う。

注意点

ただ、このゾーンの企業に入るためには一筋縄ではいかないことは覚えておいて欲しい。このゾーンの企業では経歴はあまり問われないこともあるが、スキルに関してはシビアにみられるからだ。

スライド6

「で、結局あなたには何が作れるの?」という目線で質問されるケースが多いだろう。中途ならば「実際に作ったアウトプット見せてよ」という目線になる。

エンジニアなどの専門職としてこのゾーンの企業に入る場合は、自分にはこれが作れますし実際に作りましたというアウトプットが必要だろう。

また、文系職かつ未経験で転職する場合は、普通の転職活動とは異なった少しトリッキーな方法で入社する必要があると思う。詳しくはこの記事を読んで欲しい。

いずれにせよ、自分にとってマッチした業界に行きたいならばある程度の自己啓発や能力開発はマストになると考えて欲しい。

最後に、自分に合った職能という視点も大事だが、発達障害の場合、それ以上に僕は社風や人間関係が大切だと思う。

いわゆる詰める文化なんてものは発達障害の脳の器質上絶対に避けた方が良い。

自分に合った社風の企業に入るには困難さは伴うが、自分が活躍して輝いていくためにも僕自身も頑張っていきたいし、読んでいただいた方も勇気を持って頑張って欲しい。



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