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だいぶ前に読んだ本


新世界 柳広司
歴史上の人物の事蹟とミステリの組み合わせに特徴を持つシリーズ

第二次大戦が終わった夜、原爆が生まれた砂漠の町で一人の男が殺され、混沌は始まった。狂気、野望、嫉妬、憐憫…天才物理学者たちが集う神の座は欲望にまみれた狂者の遊技場だったのか。そしてヒロシマ、ナガサキと二つの都市を消滅させた男・オッペンハイマーが残した謎の遺稿の中で、世界はねじれて悲鳴を上げる。
科学の進歩は人類に幸福をもたらすのか ?
原爆のような兵器を産み出す科学者は神に等しい存在なのか ?
目的のためには手段を選ばないと言うマキアヴェッリ的思索は常に肯定されるのか ?
個人の感情の上位に位置するかのような国家の利益とは何なのか ?
原爆や戦争を振り返るきっかけなるし、原爆開発者たちの苦悩や歪みが良く描かれている。
人間が手にしてはいけないもの、使ってはならない技術、「あれは結局、間違いだった」という犯人の悲痛な叫び。
読後感は重いが、読んでおくべき。

やっぱり本が好き


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