司と操の「SKiT！寸劇脚本」シリーズ 001-2

「ちょっと相談があるんだけど。／アイドルになりたい編 02」

ツカサ　お～、言えたじゃないか。ていうか、それってヤバいやつじゃない
　のか？

ミサオ　なんで？

ツカサ　ちょっと前にニュースになってただろ？　女の子をダマしてエッチ
　なことしちゃったとかなんとか。

ミサオ　それは、ほんの一部だろ？　オレはそんなことしないよ！

ツカサ　だってミサオ、女の子が好きだろ？

ミサオ　まぁ普通にな。

ツカサ　いや、大好きだろ？　女の子にモテたくてアイドルになりたいんだ
　ろ？

ミサオ　そんな…ハッキリ言うなよ。

ツカサ　まぁ、男なら当然だよ。

ミサオ　ツカサだってモテたいだろ？

ツカサ　もちろん！　でも、オレはアイドルなんかになりたくないけどな。

ミサオ　アイドルなんかって言っちゃったね！

ツカサ　ヤバい！　また心の声が漏れちゃったか…。

ミサオ　ダダ漏れだよ。

ツカサ　だって、アイドルなんて…

ミサオ　今度はなんてって言っちゃった！

ツカサ　あ～、だから…

ミサオ　そのだからはどこに…

ツカサ　それはいいから。

ミサオ　あ、っそ。

ツカサ　え～と、だから、アイドルになると色々な制約があってメンドくさ
　いだろ？

ミサオ　そうなのか？

ツカサ　そうだよ。それこそ、恋愛だって勝手には出来ないぜ！

ミサオ　そうなのか？

ツカサ　そうだよ。だから…あ、もうこの接続詞には突っ込むなよ。

ミサオ　ああ。

ツカサ　だから、あんなニュースになるようなことが起こるんだよ。

ミサオ　そうなのか。

ツカサ　な、だからアイドルなんかになろうとするな！

ミサオ　え、反対なのか？　止めるのかよ？

ツカサ　そんなこと言ったか？

ミサオ　ジャスト今、ハッキリ言っただろ！

ツカサ　また心の声が漏れちゃったのかぁ。

ミサオ　だから、ダダ漏れだって。

ツカサ　いや、夢を持つことはいいことだよ。

ミサオ　あのさ、心と裏腹のことを言ってるよね、さっきから

ツカサ　オレは平凡でいい、平凡が一番だと思ってるけど、ミサオの夢は応
　援するよ。

ミサオ　薄いなぁ。心に響かないなぁ…。

ツカサ　では、ここで質問です。

ミサオ　また唐突ですね。なんですか？

ツカサ　地下アイドルには、どうしたらなれるんですか？

ミサオ　おっと、ふりだしに戻っちゃったね！　まさにそれを相談したかっ
　たんだけどね。

ツカサ　え、そうなんだ？　そんなのわかるわけないじゃん。

ミサオ　あらら！？　チックショー！　こうなったら、絶対にアイドルにな
　ってやる！

ツカサ　いいぞ、その意気だ！　ガンバレ！　フレーフレーミサオ！

ミサオ　スポーツ観戦ですか？

ツカサ　お、いいね！　ミサオをアイドルにする『チームツカサ＆ミサ
　オ』。

ミサオ　『チームミサオ＆ツカサ』だろ！　オレをアイドルにするチームな
　んだから。

ツカサ　そうだ、その通り！　それで行こう！

ミサオ　どこへ行くんだよ？

ツカサ　そうじゃねーよ！

ミサオ　わかってるよ！

ツカサ　フ～ゥ。

ミサオ　なぁ、オレとの会話がメンドくさいのか？

ツカサ　そんなことないよ！　初めての、しかも難問の相談を、どう回避し
　ようかと…。

ミサオ　やっぱりイヤがってるじゃないか！

ツカサ　そんなことないって！

ミサオ　回避って言っちゃったけど。

ツカサ　誰が？

ミサオ　ツカサが。

ツカサ　ウソォ～。

ミサオ　ホント。またダダ漏れ。

ツカサ　ヤバいなぁ。いいか、ミサオ。

ミサオ　ああ。

ツカサ　オレはミサオを絶対にアイドルにしてやるよ！

ミサオ　ホントか？　で、どうやって？

ツカサ　知らん！　わからん！

ミサオ　おい！

ツカサ　なんだ？

ミサオ　知らん、わからんって…。

ツカサ　言ったのか？　オレが？

ミサオ　ツカサ、大丈夫か？

ツカサ　全然。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）