司と操の「SKiT！寸劇脚本」シリーズ 004-2

「ちょっと相談があるんだけど。／恋しちゃったんだ編 02」

ツカサ　で、ミサオくん。本日の相談はなんでショカ？
ミサオ　初夏はアーリーサマー。ファーストサマーではありません、ウイカ
　さん。
ツカサ　それは、ご本人も承知の上です。
ミサオ　ファーストサマーさんは、知ってるんですね？
ツカサ　何故か、知ってる～！　というわけで、本日の相談を発表してくだ
　さい。
ミサオ　♪恋しちゃったんだ♪
ツカサ　歌うな！　ややこしくなるから。
ミサオ　失礼しました。
ツカサ　で、誰に？　どんなヤツだ？
ミサオ　ヤツだなんて、やめてください。
ツカサ　スマン。どんなお方様でござるか？
ミサオ　武士じゃないから！
ツカサ　ゴチャゴチャうるせーな！　相談しに来たくせに！
ミサオ　ツカサくん、今日は言葉が乱暴ですね！
ツカサ　ランボーという映画は、面白うござった。
ミサオ　それ、アメリカ映画で、時代劇じゃないけど。
ツカサ　ラストサムライ。
ミサオ　なるほど。で、そろそろよろしいかしら？
ツカサ　だからサ、どこで出逢ったお嬢さまなんだよ？
ミサオ　ボイトレの学校で。
ツカサ　え、そんなのに通ってるの？　本気でアイドルになろうとしてるん
　だな？
ミサオ　まぁな。
ツカサ　グループレッスンの中の一人か？
ミサオ　いや、オレ…いや、ボクは個人レッスンだから。って、なんでそん
　なこと知ってるんだよ？
ツカサ　そういうのって、だいたいそんなカンジだろ？　ていうか、『ボ
　ク』にこだわらなくてもいいんじゃね？
ミサオ　ツッコむところはそこかよ！
ツカサ　そこ、ここ、どこ？　あそこ！
ミサオ　はい、そこまで！　下(シモ)には走らせねーよ！
ツカサ　我が家か！
ミサオ　え、その芸人トリオさんも知ってるのか？
ツカサ　たまたま。
ミサオ　おっと、言わせねーよ！
ツカサ　我が家か！
ミサオ　やっぱり、オレと漫才をしようぜ！
ツカサ　しなない！
ミサオ　『な』が多いよ！　死ねなんて、言ってないし。
ツカサ　ねぇ、しない？　ねぇねぇ、しようよ！
ミサオ　だから言わせね〜よ！　ていうか、今日はなんか、相談に乗る気が
　ないみたいだな。
ツカサ　今日だけじゃないよ。い・つ・も。
ミサオ　まぁ、それは薄々わかってたけどサ。あ、また『サ』って言っちゃ
　った！
ツカサ　大丈夫。もう飽きた。
ミサオ　飽きるの早！
ツカサ　ていうか、なんでオレに相談するんだよ？
ミサオ　友達だから。
ツカサ　おっと。心を射抜かれた！
ミサオ　なんで？　
ツカサ　思ってもみなかったから。
ミサオ　友達じゃないのか、オレたち？
ツカサ　いや、友達だよ。フツーにな。
ミサオ　親友じゃないのか、オレたち？
ツカサ　いやいや、親友だよ。フツーにな。
ミサオ　フツーってなんだよ？
ツカサ　言葉を間違えたかな？
ミサオ　もう一度、チャンスをやる！
ツカサ　友達だよ。当たり前じゃないか！
ミサオ　そうだ、いいぞ！
ツカサ　親友だよ。決まってるじゃないか！
ミサオ　出来るじゃん！　初めからやれよ！
ツカサ　でもキライ！　そういうとこ。
ミサオ　え？
ツカサ　なんか、いつも上から目線なんだよな。
ミサオ　それって、お互い様だよ。オレも、ちょくちょく感じてるし。
ツカサ　オレはそんなこと…して…るかな。
ミサオ　『かな』じゃなくて、してるよ！
ツカサ　それはゴメン！　悪かった！
ミサオ　やけに素直だな。
ツカサ　そこが、オレの美点。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）