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司と操の「SKiT!寸劇脚本」シリーズ 001-1

「ちょっと相談があるんだけど。/アイドルになりたい編 01」

【登場人物】
・司(ツカサ)
・操(ミサオ)

【人物設定】
・男2人、女2人、男と女、いずれでも可。
・ここでは、男2人。
・年齢未設定。演者に合わせる。

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     暗転。

     板付き:上手にツカサ、下手にミサオ、椅子に座っている。

ミサオ (声)ちょっと相談があるんだけど。

     照明イン。

ツカサ ああ、なに?

ミサオ えっと。

ツカサ ああ。

ミサオ う~んと。

ツカサ なに?

ミサオ あのさ。

ツカサ そんなに勇気がいる相談なのか?

ミサオ オレ、アイドルになりたいんだ。

ツカサ どうぞ。

ミサオ いや、冗談じゃなくてさ。

ツカサ だから、どうぞ。

ミサオ いやいや、本気なんだって。

ツカサ お前、いくつだよ?

ミサオ アイドルには年齢制限があるのか? 三十過ぎ、いや、四十代、五
 十代のアイドルだっているじゃないか!

ツカサ そりゃあそうだけど、それは十代のころからやってる人たちだろ?

ミサオ まぁなぁ。

ツカサ あれ、納得しちゃうのかよ?

ミサオ いや、単なる相槌。

ツカサ え、そう? 結構な納得顔だったけどなぁ。

ミサオ 一理あるなって顔だよ。

ツカサ まぁいいや。それで?

ミサオ 何が?

ツカサ アイドルになりたいとしか聞いてないんだけど。無理だけど。

ミサオ あ、今、言っちゃったね。

ツカサ え、何て?

ミサオ 無理って。

ツカサ え、言ってないよ。

ミサオ 言ったよ! 無理だけどって。

ツカサ ウソ…知らないうちに心の声が漏れちゃったのかな。

   ミサオ、ガックリと落ち込む。

ツカサ いや、まだ、詳しい話を聞いてないからさ。ちょっと漏れちゃった
 のは謝るから、話しを聞かせてよ。

ミサオ ホントに聞く気があるのかよ?

ツカサ あるある!

ミサオ (首を傾げながら)まぁいいや。だから…

ツカサ ちょっと待て。今のだからは、どこに接続するんだ?

ミサオ そんなのどうでもいいだろ!

ツカサ 細かいことが気になるのが僕の悪いクセ。

ミサオ 杉下の右京さんね。はいはい。話、続けていいか?

ツカサ もちろん、どうぞ。

ミサオ だから…あっ!

ツカサ 気にならない、気にならない。続けて。

ミサオ そこで…すると…しかし…でも…ところが…

ツカサ 接続詞はいらないだろ! 本題をスッと話せ!

ミサオ (息を大きく吸い込み、一気に)地下アイドルから始めようかなと思
 って。


                             (つづく)


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