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無題

彼女の文章はきらめきと絶望。諦めと覚悟。無数に存在するパラレルワールド。あの時声を掛けなかった事、後悔している事。聞こえなかったふりをした誰かの大切な気持ち。はしゃいで見せた笑顔の中に眠らせた、相手を心配する気持ち。
私の文章はどこへもいかない。インターネットの海はどこにでも繋がるけど、多分火星には届かない。銀河系の外を出ない。青い惑星の中でずっと眠る。
石板に日記を書いたことがあるか?私はない。心に針で傷をつけると良い文章が生まれる。あの人の本棚にあった本、あの子が嫌いな本、昔図書室で読んだ本。セーラー服で自転車に乗り、雪道で滑って寝転んだ。そのまま横たわっていたら通報されて、学校でめちゃくちゃ怒られた。
私の文章はどこにもいけない。「あなたの顔のパーツは全て丸で出来ているね」と言われた。じゃあ多分、Photoshopでも描けるね、描いてくれますか?私のことを。賢い箱で二次元に落としたら、誰かと一緒に私はどこかへいけますか?

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