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インバウンド回復?

10月11日から入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の入国も解禁されました。

するといきなりガイド依頼が入ってくるようになり、10月だけで10回の仕事をしました。この間私用で週末を含めた3日間東京に行っていたりしたので、そこもガイド可能だったらもっとガイドできていたんじゃないでしょうか。

今回のnoteでは、国境が開いた(ゲストの人たちは皆そういう表現をしていましたね)以降のガイドについて書いてみたいと思います。

僕は京都でいくつかのツアーを担当しています。旅行者からダイレクトにガイド依頼が入りますが、依頼が多かったのは錦市場フードテイスティングツアーと自転車ツアーでした。錦市場ツアーは約2時間、自転車ツアーは約2時間半のコースです。お客さんはアメリカ人が一番多かったですが、ノルウェーやスロベニアからのお客さんもいました。コロナ前の経験ではオーストラリアやニュージーランドからの旅行も多かったですが、この10月は僕のお客さんにはいらっしゃいませんでしたね。コロナ前はちょうどラグビーのW杯があったので、それでオーストラリアやニュージーランドからたくさんいらっしゃっていたのかもしれません。オーストラリアではインフルエンザが流行していたと聞いてますので、そういった影響もあったのかもしれません。

お客さんのほとんどは、この2年以上日本に旅行ができなかったので、個人旅行解禁の情報をいち早く入手して旅行計画を立てたという人でした。情報収集力がある人で、旅行に飢えていたという人がいち早く来日している印象です。また、すぐに休みを取ることができる人から来日している印象もありました。自分たちもそうですが、行きたい国の入国が可能になったからといってすぐに休みを取って旅行計画を立てるというのは、かなり自由がある人たちだけができることでしょう。

10月14日にガイドをしたアメリカからのお客さんは、10月10日に来日されたそうで、つまり制限解除される前日の入国だったので、ワクチン接種や検査などの書類をたくさん準備する必要があったとのこと。制限解除されるということが発表される前に、大変な手続きをしてまでも日本に旅行したいということだったそうです。ありがたいですね。こういう人たちに観光業界は支えられているのだと感じます。


さて、入国されたゲストの人たちに共通しているのは、基本的にマナーがいいということです。

例えば、大リーグ中継などを見ていても、スタンドでマスクをしている人はほぼいません。アメリカではもはや国内でマスクをする人はいない状態なのです。そのことはアメリカからのゲストに聞いても全員そうおっしゃってました。しかし、日本ではマスクをすることは当たり前だと思っていらっしゃるようです。こちらから言わなくても最初からマスクをして集合場所にいらっしゃいます。聞かれた場合は、「現在日本政府によると、屋外で十分に距離を取れて、会話が少ないような状況ではマスクは不要ということになっています。屋内では基本的にマスク着用です」と答えます。バイクツアーで屋外を自転車で走っている時にはマスクを外している方も多いですが、錦市場やその他の観光地で人が多い場合にはほとんどの方がマスクをしています。ひとつには郷に入っては郷に従う的な動きなのではないでしょうか。また、自宅でコロナにかかるのと、海外旅行をしている途中にコロナにかかるのとでは大変さも段違いですし、ある種の自衛的な行動なのかもしれないと個人的には感じています。

僕自身はガイド中は屋外でも必ずマスクを着用しています。それは、こちらの自衛的な意味合いもありますし、同時にゲストにうつしてはいけないという責任的な意味合いもあります。マスクの感染防止効果については様々な人が様々なことを言っているので、どれが正解なのかはもはや分からない部分もあるのですが、しないよりはした方がいいかなあと、まあその程度の気持ちです。お客さまと自撮りで一緒に写真撮影をすることが多い(1ツアーで2〜3回ほど)のですが、その際には一瞬だけマスクを外すことがあります。

僕のゲストというだけではなく、観光地での肌感覚として、10月11日以降は明らかに人が多かったです。これはほぼ同時期に国内旅行の「全国旅行支援」が始まったのもあるでしょう。清水寺の参道二年坂産寧坂や、錦市場での人混みは圧倒的に増えていました。10月29日の土曜日にも錦市場ツアーをしましたが、いくつかのお店の方ともお話をして、かなり戻ってきたという答えが返ってきたのが印象的でした。

コロナ禍の錦市場では、当たり前ですが日本人しかいなかったのですが、その時に聞いた印象的な話は、「日本人はついで買いをほとんどしなくなっている。旅行の目的にだけにはお金を使うけれど、それ以外の偶然に見つけたお土産物を買ったりしないので、外国人観光客が戻ってくるのが待ち遠しい」というものでした。その一点で日本人旅行者を云々言うのは違うと思うし、全体的に日本人の特に若者層には使えるお金が回っていないという事実があるわけで、人としてケチとかではなくて、そういう経済状況になっているということに問題があるのだろうと思います。ですが現実としてそういう状況があるのであれば、観光業の人たちが外国人旅行者頼みになっていくのも仕方ないことかなあという気がします。実際急激な円安と、アメリカなどでの急激な国内物価の上昇などから、彼らにとって日本を旅行して買い物をするというのはかなり安い状況でしょう。日本人がなかなかお金を使えないという現状では、外国人旅行客に期待するというのは当たり前のことになってしまっているのかもしれません。

現時点ではまだ中国からの旅行者が日本に来られない状況ですので、インバウンド全体としての回復はまだまだこれからなのでしょう。個人的には自分が英語での通訳ガイドですので、中国からの中国語メインの観光客が来ても仕事に直接的なプラスということにはなりません。中国からの観光客が来るようになれば観光地の混み具合も増すので、そういった視点からは今の方が欧米の観光客にとっては旅行しやすいともいえるでしょう。しかしながら、観光地全体が潤うことで観光業は盛り上がっていくはずですし、何よりも世界全体でパンデミックが終息することが最優先ですので、中国人観光客が日本を旅行できるようになればいいなあと心から思います。

さて、11月のガイド依頼ですが、11月1日の時点ですでに10件の依頼が入っています。ありがたいことですね。ガイドの依頼は前日に入ったり、場合によっては当日入ったりすることもあるので、11月に20件くらいやることになったとしても不思議はないように感じています。まだ取らぬ狸の皮算用でしかないですけれど。これまでかなりヒマな日常を過ごしていました(英語の勉強など自己研鑽は欠かしませんでしたけれど)ので、急に忙しくなることで体力面でのダウンとかをしないようにしなければなあと思っています。

それではまた12月に、11月のガイド業総括noteを書ければと思います。

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