女性として、女として、

今の会社に入社してから、今月でちょうど丸一年が経ちました。

振り返ってみればあっという間で、体感半年くらいの勢いを持って過ごしてしまった一年間でした。

最初の頃は、慣れない事務仕事に四苦八苦したり、工業系の業種故の、昔ながらのぶっきらぼうで少し言葉の汚い取引先のお客さんに怯えたり、つらいなーしんどいなーと思うことの方が多かった。

一年も経てば、多少強い言い方されても突っぱねて跳ね返せるし、あんなに苦手だった電話もためらいなくとるしかけるし、すっとぼけた営業のおじさんの無茶振りに振り回されることにも慣れて、なんとかやりすごせるようになってきたかな、とは思う。

それでも、ずっとなんだか息苦しいのはどうしてなんだろう、と思っていたのでした。

女の仕事

営業事務としての採用。

入社してすぐに本社で行われた二泊三日の新人研修。

営業部長の武勇伝や大きい受注が決まったエピソードはすごく面白くて楽しかったけど、1つだけ、なんだかなぁ、な発言があった

「男が外で足で駆けずり回って稼いでる。女性はしっかり社内を守る。この関係があるからこそ、男は外で金を作れる。」

あーー....?

うんうんにこにこ頷きながら聞いてたけど、日本の昭和家庭かよ、という気持ちになった。もう令和だよ。

入社してすぐのそのひっかかりは、やっぱり社内全体、もはや業界全体にはびこっている雰囲気だったな、と、今ははっきりと思う。

男性主体の業界で、女の人はあくまで補佐で、アシスタント。

会社でお茶をいれるのは私。

電話を取るのも、私。

社長が言った、「女の子が電話取った方が、お客様も嬉しいだろうからねぇ」

職場でする雑用や庶務が、「新人」の仕事として私に降ってくるならなんとも思わないけど、全部「女」の仕事としてのしかかってくるのは、とても辛かった。

女の子は出世できないし給料も上がらないってはっきり言われたこともある。

社内での新人教育も、営業事務としての姿、はもちろんだけど、女の子としての気遣いや振る舞い、も常に上に乗っかってくる。

そういう会社はきっと未だに多い

女性向け、と銘打たれた求人に応募して面接に行った時。

きっと女の人が長く働けるような制度や福利厚生が備わっているはず!と意気込んで挑んだら、「あなたが女性としてこの会社や仕事に貢献できることはなんだと思いますか?」と聞かれた。

一瞬戸惑って、考えて、まともなことは何も答えられなかった。

この時代にこんな化石みたいな会社があるなんて始めは信じられなかったけど、未だにこういう会社は沢山あるんだろうなと思う。

知り合いの会社では、朝の女性のお茶出しを廃止しようという動きがあった時、「でもやっぱりお茶は入れてほしいなぁ」という専務の一声でお茶出しは継続されることになったらしい。

そういう会社や社会で、女としての振る舞いや仕事を求められるのは、だいぶ苦しい。他の人はわからないけど、私はすごく苦しい。

じわじわ時間をかけて、削られていく感覚が、今もずっと続いている。

女。女かぁ...。

化石みたいな会社で、化石みたいになっちゃうのかなぁ、なんて思って、夜は切なくなったりも、する。

そして、こんな会社にいつまでもいちゃいけないな、と、強く思い直す。

そして毎朝、私は上司にお茶を淹れるのだ。


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