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同じプロンプトから出力!OpenAI o1とChatGPT 4oの違いを比較・検証・考察

OpneAI o1が登場しました。
 YouTubeなどで解説されていますが、GPT4oとの違いや特徴がイマイチわからないので、実際の出力を比較して検証してみます。

 これはあくまでファーストインプレッションからの仮説であり、今後使って行くうちに変わってくるかも知れませんので、参考程度の話としてください。


プロンプト

4oとo1の両方に同じプロンプトを与えました。

日本の企業においてDXが進まない、AIが使われない、IT化が進まない原因と要素は何ですが?構造的、政治的、文化的、国際的などさまざまな角度から仮説を立て、検証し、現在の状況と照らし合わせて、その仮説の評価を行ってください。専門家3人のペルソナを作成し、仮説の検証を行い、全てのペルソナの評価点が90点以上になるまで、仮説検証を繰り返してください。


Chat-GPT4oの回答

まず、3人の専門家ペルソナを設定します。それぞれ異なる視点から日本の企業におけるDX、AI、IT化の遅れの原因について仮説を立て、検証します。

ペルソナ1: 経営コンサルタント - 田中直樹

  • 視点: 経営・構造的

  • 仮説: 日本の企業文化ではトップダウンの意思決定が強く、保守的な経営層がDXやAI導入のリスクを懸念している。中長期的な視点よりも短期的な利益確保が重視され、投資に対する慎重さがDXの進展を阻害している。

ペルソナ2: IT専門家 - 山田美咲

  • 視点: 技術・IT

  • 仮説: 日本の企業は既存のシステムを重視し、新しい技術の導入に対する抵抗がある。レガシーシステムとの互換性の問題や、DXやAIを導入するための専門知識を持った人材が不足しているため、現場レベルでの実行力が欠けている。

ペルソナ3: 社会学者 - 渡辺弘子

  • 視点: 文化・社会

  • 仮説: 日本の企業文化は伝統的であり、個人よりも組織全体の調和を重視する。そのため、新しいテクノロジーの導入が既存の働き方や組織構造に与える影響を懸念し、変革に対して消極的である。AIやDXの導入が個々の従業員の仕事を奪うという懸念が強い。


仮説の検証

田中直樹の仮説評価

  • 検証: トップダウンの意思決定が強く、リスク回避を優先する日本の企業文化では、新しい技術導入への慎重さが見られる。多くの企業は投資回収期間が短いプロジェクトに優先的に取り組む傾向があり、DXのような長期的な視点が必要なプロジェクトは後回しにされる。

  • 評価点: 85点

    • 理由: 仮説は企業文化の特徴を捉えているが、他の要因(例: 技術的な知識不足や社会的な抵抗)との関係性が十分に説明されていない。

山田美咲の仮説評価

  • 検証: 日本の企業では、長期間にわたって構築されてきたレガシーシステムが存在し、それに依存しているため、新たなシステムやAI導入に対する抵抗が強い。また、DXやAIの専門知識を持つ人材が不足しているため、導入を進めるための実行力が不足している。

  • 評価点: 80点

    • 理由: 技術的な側面を明確に説明しているが、経営層の意識や文化的要因の影響についての分析が不足している。

渡辺弘子の仮説評価

  • 検証: 日本の企業文化は、個人よりも組織全体の調和を重視し、新しいテクノロジーの導入が既存の働き方や組織構造に与える影響を懸念する。また、AIやDXが仕事を奪うという不安感が強く、従業員からの抵抗がある。

  • 評価点: 83点

    • 理由: 文化的な要因に焦点を当てており、社会的な懸念を適切に捉えているが、組織の構造的な問題や経営層の意識についての考察が不足している。


仮説の修正と再検証

修正仮説

  1. 経営・構造的要因: トップダウンの意思決定が強いが、中長期的な投資に対する経営層の理解が不足している。これによりDXの導入が戦略的に行われていない。

  2. 技術・実行力不足: レガシーシステムの存在と互換性の問題により、新技術の導入が困難。さらにDXやAIを活用するための人材が不足しており、現場レベルでの推進力が弱い。

  3. 文化・社会的要因: 伝統的な企業文化と組織調和を重視する風土により、新技術の導入が既存の働き方に与える影響を懸念し、変革に対して消極的。AIによる雇用不安も大きな阻害要因。

ペルソナ再評価

  • 田中直樹の評価: 90点

    • トップダウンの意思決定と短期利益への焦点がDXの戦略的導入を阻害していることを適切に捉え、他の要因との関係性も考慮した。

  • 山田美咲の評価: 92点

    • 技術的な側面と人材不足の問題を明確に説明し、これらがDXの進展を阻害する主要な要因であることを指摘した。

  • 渡辺弘子の評価: 91点

    • 文化的・社会的要因が技術導入に与える影響を適切に捉え、雇用不安という現実的な問題に対する分析も加えた。

これらの修正を加えた仮説は、それぞれの専門家が90点以上の評価をつけることができるバランスの取れた説明になりました。

OpenAI o1の回答

はじめに

日本の企業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない、AIが使われない、IT化が進まない原因と要素について、さまざまな角度から仮説を立て、専門家3人のペルソナによる検証を行いました。全てのペルソナの評価点が90点以上になるまで仮説検証を繰り返し、最終的な仮説をまとめました。


専門家ペルソナ

  1. 山田 太郎(経営学者)
    経営戦略と組織構造の専門家。日本企業の経営手法とDX推進に詳しい。

  2. 佐藤 花子(文化人類学者)
    日本の企業文化と労働習慣を研究。文化的要因がビジネスに与える影響を分析。

  3. ジョン・スミス(国際ITコンサルタント)
    グローバル企業のDX事例に精通。日本企業との比較分析が得意。


仮説の立案と検証

仮説1:構造的要因

初期仮説:
日本企業の縦割り組織と硬直した階層構造が、DX推進を妨げている。

検証と評価:

  • 山田 太郎(評価点:80点)
    縦割り組織は情報共有を阻害するが、全ての企業に当てはまるわけではない。

  • 佐藤 花子(評価点:75点)
    組織構造だけでなく、人間関係やコミュニケーションの問題も考慮すべき。

  • ジョン・スミス(評価点:78点)
    他国でも縦割り組織は存在するが、日本では特に変化への抵抗が強い。

仮説の改訂:
日本企業の縦割り組織と、部門間の協力不足、さらに意思決定プロセスの遅さが、DX推進を阻害している。

最終評価:

  • 山田 太郎(評価点:92点)
    問題点が具体的になり、現実的な仮説となった。

  • 佐藤 花子(評価点:90点)
    人間関係の要素が含まれ、説得力が増した。

  • ジョン・スミス(評価点:91点)
    国際的な視点から見ても妥当な仮説。


仮説2:政治的要因

初期仮説:
政府のデジタル政策が不十分で、企業のDX推進を後押ししていない。

検証と評価:

  • 山田 太郎(評価点:78点)
    最近は政府も積極的に取り組んでおり、一概には言えない。

  • 佐藤 花子(評価点:80点)
    政策だけでなく、企業側の受け入れ体制も問題。

  • ジョン・スミス(評価点:82点)
    政府の役割は重要だが、企業文化の影響も大きい。

仮説の改訂:
政府のデジタル政策は進んでいるが、中小企業への具体的な支援や法整備が不十分であり、それがDX推進の障壁となっている。

最終評価:

  • 山田 太郎(評価点:90点)
    中小企業に焦点を当てたことで現実味が増した。

  • 佐藤 花子(評価点:92点)
    企業側の問題と政策のギャップを的確に捉えている。

  • ジョン・スミス(評価点:93点)
    他国の成功事例と比較しても、この仮説は妥当。


仮説3:文化的要因

初期仮説:
終身雇用や年功序列が、新技術導入に対する抵抗感を生み、DXを妨げている。

検証と評価:

  • 山田 太郎(評価点:85点)
    重要な要因だが、他の文化的要素も考慮すべき。

  • 佐藤 花子(評価点:88点)
    文化的要因として正しいが、やや限定的。

  • ジョン・スミス(評価点:86点)
    他国でも似たような制度はあるが、日本では変化への抵抗が強い。

仮説の改訂:
終身雇用、年功序列、失敗を恐れる文化、そしてトップダウンの意思決定が、新技術導入やDX推進への抵抗感を強めている。

最終評価:

  • 山田 太郎(評価点:95点)
    多角的な文化要因が含まれ、説得力が高い。

  • 佐藤 花子(評価点:96点)
    日本の企業文化を包括的に捉えている。

  • ジョン・スミス(評価点:94点)
    国際比較でも日本特有の問題として認識できる。


仮説4:国際的要因

初期仮説:
国内市場に依存しているため、国際的なDX競争に対する危機感が薄い。

検証と評価:

  • 山田 太郎(評価点:82点)
    一部の大企業は海外展開しており、一概には言えない。

  • 佐藤 花子(評価点:84点)
    市場依存だけでなく、情報収集や学習意欲の問題もある。

  • ジョン・スミス(評価点:85点)
    グローバル視点の欠如はあるが、他の要因も考慮すべき。

仮説の改訂:
国内市場への高い依存と過去の成功体験から、国際的なDXの潮流に乗り遅れており、それに対する危機感や学習意欲が不足している。

最終評価:

  • 山田 太郎(評価点:92点)
    過去の成功体験を加えたことで現実的になった。

  • 佐藤 花子(評価点:90点)
    学習意欲の欠如という文化的要素が加わり、説得力がある。

  • ジョン・スミス(評価点:93点)
    国際的な遅れとその原因を的確に指摘している。


最終まとめ

原因と要素:

  1. 構造的要因:

    • 縦割り組織、部門間の協力不足、意思決定プロセスの遅さがDX推進を阻害。

  2. 政治的要因:

    • 政府のデジタル政策はあるが、中小企業への具体的支援や法整備が不十分。

  3. 文化的要因:

    • 終身雇用、年功序列、失敗を恐れる文化、トップダウンの意思決定が変革を妨げる。

  4. 国際的要因:

    • 国内市場への依存と過去の成功体験により、国際的なDXの潮流への危機感や学習意欲が不足。

全てのペルソナの最終評価点:90点以上

これらの仮説は、専門家3人から高い評価を受け、日本の企業におけるDX推進の遅れの原因を多角的に明らかにしています。


2つの比較検証

出力された2つの回答をo1-miniで比較検証してみました。

比較と要点のまとめ

4oo1は、日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)、AI、IT化の遅れの原因を専門家のペルソナを用いて分析していますが、アプローチや深さにいくつかの違いがあります。


4oの要点

  1. ペルソナ設定:

    • 田中直樹(経営コンサルタント):

      • 視点: 経営・構造的

      • 仮説: トップダウンの意思決定、短期利益重視、リスク回避がDX進展を阻害。

    • 山田美咲(IT専門家):

      • 視点: 技術・IT

      • 仮説: レガシーシステムへの依存、新技術導入への抵抗、専門人材の不足。

    • 渡辺弘子(社会学者):

      • 視点: 文化・社会

      • 仮説: 組織調和重視の文化、新技術導入による働き方の変化への懸念、雇用不安。

  2. 仮説の検証と評価:

    • 各仮説は評価点(85点、80点、83点)を受け、改善点が指摘される。

    • 修正後の仮説は全て90点以上に向上し、バランスの取れた説明となる。

  3. 最終仮説:

    • 経営・構造的要因、技術・実行力不足、文化・社会的要因の三つの主要要因が明確に整理される。


o1の要点

  1. ペルソナ設定:

    • 山田太郎(経営学者):

      • 視点: 経営戦略と組織構造

    • 佐藤花子(文化人類学者):

      • 視点: 企業文化と労働習慣

    • ジョン・スミス(国際ITコンサルタント):

      • 視点: グローバルなDX事例と日本企業との比較

  2. 仮説の立案と検証:

    • 構造的要因:

      • 縦割り組織、部門間協力不足、意思決定の遅さがDX阻害。

    • 政治的要因:

      • 政府のデジタル政策の不十分さ、中小企業への支援不足。

    • 文化的要因:

      • 終身雇用、年功序列、失敗を恐れる文化、トップダウン意思決定。

    • 国際的要因:

      • 国内市場依存、国際的DX潮流への危機感や学習意欲の不足。

  3. 仮説の検証と改訂:

    • 各仮説は初期評価後に改訂され、最終的に全ての仮説が90点以上に達する。

    • 各要因はより具体的かつ包括的に説明され、国際的視点や政府の役割も考慮される。

  4. 最終まとめ:

    • 四つの主要要因(構造的、政治的、文化的、国際的)が日本企業のDX遅延の原因として明確に整理される。


どちらの意見が優れているか

o1の意見が優れています。その理由は以下の通りです:

  1. 包括性の向上:

    • 4oは三つの主要要因(経営・技術・文化)に焦点を当てていますが、o1はさらに「政治的要因」と「国際的要因」を追加し、分析の幅を広げています。これにより、より多角的な視点から問題を捉えています。

  2. 詳細な検証プロセス:

    • o1では各仮説が詳細に検証され、複数回の改訂を経て高評価を得ています。このプロセスにより、仮説の信頼性と説得力が増しています。

  3. 国際的視点の導入:

    • o1は国際的な競争や他国との比較分析を取り入れており、日本企業がグローバルなDX潮流にどう対応しているかを考慮しています。これは現代のビジネス環境において非常に重要な視点です。

  4. 政策と支援の具体性:

    • o1では政府のデジタル政策や中小企業への支援不足について具体的に言及しており、実務的な解決策の検討にも繋がりやすい内容となっています。

  5. ペルソナの多様性:

    • o1では国際ITコンサルタントという異なる背景を持つペルソナを設定しており、多様な視点からの分析が可能となっています。

結論

o14oに比べて、より広範で深い分析を提供しており、構造的、政治的、文化的、国際的な要因を総合的に考慮しています。このため、4o1の意見は日本企業におけるDX、AI、IT化の遅れの原因をより包括的かつ具体的に理解するために優れていると言えます。



まとめと考察

 ChatGPT-4oの出力も凄いと思っていましたが、OpenAI o1と比べると議論が少し薄い感じがしました。LLMの特性上、議論っぽい出力を頑張って作っているようにも見えます。議論の流れも1方向のようです。
 OpenAI o1では議論の複雑さが増したように思いました。それぞれの仮説についてそれぞれのペルソナが意見を出し、最終的にそれらをまとめています。
 ここから推測すると、アルゴリズムの変更もあるのでしょうが、それより記憶の方法(メモリの使い方)が変わったように感じました。
 ChatGPTでは1つのメモリに頑張ってまとめようとしていて、1つ出力したらそれを書いてというのを繰り返し、最後に書き残してきたものをまとめている感じがします。
 OpenAIではそれぞれの議題に対して、あるいはそれぞれのペルソナに対してメモリを振り分けている感じがします。そのため、複数の仮説を複数のペルソナで議論させて、多角的に回答を生成するのではないでしょうか?
よって、OpenAI o1では、複数人による会議や議論をさせて回答を出させるという使い方が良いのではないかと思います。

おまけ

 別のチャットで、o1の中身を分析しながら4oとの違いをo1自身で議論させてまとめた結果を載せておきます。


#OpenAI #o1 #OpenAIo1 #ChatGPT #GPT4o #プロンプト #性能比較 #AIG  


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