見出し画像

親に片付けの能力がないと、子供も片付けができなくなる?

片付けの能力は、いつ頃どのような過程を経て身に付くのか、という事を最近よく考えます。

基本的に、幼少期に片付けができるかどうかは、親の躾で決まるのではないかと思います。

小学校高学年、中学生くらいになると自分で片付けの方法を模索し、習得することもあるかもしれません。
しかし、幼少期の習慣を自分で変えるのはなかなか難しいですし、家庭で親から受ける影響は大きいと感じます。

親が片付けできない場合、子供は放っておいても片付けができるようになるのか。
今回は、自分の体験を元に考えたいと思います。

私の家族は皆、片付けができない

両親、祖父母、そして私と弟の兄弟は片付けができません(私は最近ようやくできるようになりました)。
片付けができない、とはどのような状況かというと次の通りです。

・とにかく物を捨てられない。いつか使うから、と何でも取っておきたがる。
・整理整頓できない。どこに何が、どのくらいあるのか把握していない。同じ物を何度も購入する。
・置き場が決まっていない物がたくさんあり、物があちこち移動する。そして置き場がわからなくなり、物を探す時間が増える。
・使っていない物が大量にある。存在を忘れている物も多い。そして、おそらく死ぬまで使うことがない。

書きながら実家の様子を思い出すと、どっと疲れが出ます。
とにかく実家は物で溢れています。
以前書いたように、コンテナ倉庫を借りていたくらいです。

また、父の実家も散らかっています。
父方の祖母が健在なのですが、物を捨てられないタイプで、大量の物が保管されています。

祖母に話を聞くと、戦時中の物がない時代を経験したから、物が捨てられないと言います。

本当に物を大事にしているのならそれで問題ないのですが、物を手入れして長く使おうという意識がなく、ちょっと使ってはすぐ新しい物を買う、というサイクルを繰り返しています。
結果、大量の食器、大量の調理道具、大量の洋服と着物が溢れています。

それを見て育ったからか、父親も全く同じ行動をとっています。

母はあまり物を買う方ではありませんが、やはり物を捨てられません。
いつか使うかもと言って、とにかく何でも取っています。

私と弟もそれを見て育ったせいか、同じように物をなかなか捨てられません。

学生時代の私

私は小学生から大学生まで、とにかく片付けができませんでした。
いつも部屋が散らかっている状態で、一念発起して片付けても、すぐにまた散らかる、というのを繰り返していました。

今ならわかるのですが、単純に物が多過ぎて管理できていなかったのです。
完全にキャパオーバーでした。

鞄の中も整理できておらず、ランドセルや学校の鞄の底に、ぐしゃぐしゃになったプリントが固まっていました。

ロッカーがぐちゃぐちゃ、机の横に物をいっぱいかけている、学校に一人はそんなタイプの人がいますよね、まさに私がそれでした。

あと、筆箱の中には無駄に筆記具を詰め込んでいました。ほとんど使わないのに。

片付けの躾

親からは、しょっちゅう片付けなさいと言われていました。
しかし、今思い返すと片付けができる状況ではなかったと感じます。

そもそも両親もそれほど片付けができず、リビングが散らかっていましたし、具体的な片付け方法も教わった覚えがありません。
人のせいにするのは良くないですが、これでは片付けの仕方が身に付くとは思えません。

当時の私の片付けと言えば、机の上に出ている物を引き出しに詰め込む。
床に散らばっている物を押し入れに詰め込む。とにかく物が見えないようにできれば、片付けができている、と思っていました。

小学生から中学生までの部屋

部屋は弟と共同でした。
6畳の部屋に、二段ベッド、二人分の机、大量の絵本や本が入った本棚、テレビを置いた大きなスチールラック、箪笥が置かれていました。

所狭し、という表現がありますが、実際にかなり狭かったです。
また、子供部屋に押入れがあったのですが、そこにはシーズン外の家電やインテリア、使っていないおもちゃなどが押し込まれていました。

物が多過ぎる、と今ならわかります。
しかし、当時はこんなものだと思っていました。親が準備してくれた環境を疑いもしなかったし、小学生まではその部屋で十分楽しんでいました。
中学生になってからは自分一人の部屋が欲しくて仕方ありませんでしたが。

今の私だったら、まず押入れを整理して、押入れの中に本を入れます。
もちろん、読んでない絵本は処分します。

大きなスチールラックも処分して、小さなテレビ台に変えます。
箪笥も処分して、押入れに衣類ケースを設置して、ケースに入るだけの服を厳選します。
これだけでかなり圧迫感が減り、もう少し部屋が広々使えたと思います。

高校生から大学生までの部屋

私が高校に進学した時期に引っ越しをし、初めて自分の部屋が与えられました。
部屋の広さは5.5畳でした。
とても嬉しかったのを覚えています。

当時の部屋の構成は、ベッド、机、箪笥、3段ボックスだったと思います。
家具が多いですね。
初めはパッと見た感じ、片付けられていると思っていました。
しかし、この頃既に私は物を簡単に捨てられなくなっていました。

小学生時代のおもちゃ、教科書やノート、学校で作った制作物のほとんどを残していました。
当然、部屋に収まらないので、空いているスペースというスペースに押し込んでいました。

さらに、読書が趣味だったので、どんどん本や漫画が増えていき、収拾がつかなくなっていきました。
せっかくもらえた自分の部屋なのに、すっきり片付けられない。
なぜか落ち着かない、むしろイライラする、自分の部屋にそんな印象を抱きながら日々を過ごしていました。

大学生の時には壁一面の本棚に憧れ、自分で製作しました。
横約60センチ、高さ約200センチの本棚を3つ作り、壁に設置しました。
めちゃくちゃ満足しました。
本は全て収まりましたし、好きな漫画のフィギュアなども飾っていました。
収納が増えたので、いくらかすっきりしましたが、それでも物が多いので、圧迫感がありました。
まだまだ無駄な物を多く所有していた時期です。

片付けとはスキルである

長年片付けができなかった私は、片付けができる人は生まれ持った才能がある、もしくはとても綺麗好きなんだろう、と思っていました。
自分には一生できそうにない、と落ち込んでいました。
しかしある時、片付けはスキルなんだ、と気付かされました。
23〜24歳頃のことです。

この頃3冊の本を読んだのですが、これが気付きのきっかけとなりました。
読んだのは、やましたひでこさんの「断捨離」、こんまりさんの「片付けの魔法」、佐藤可士和さんの「佐藤可士和の超整理術」です。
目から鱗が落ちる思いで本を読みました。

考えてみれば当たり前のことですが、部屋をすっきりさせるには、物を減らす必要があります。3冊の本は、共通してこのことを説明していたと思います。

当時の私は、壊れて使えなくなるなど、物としての用途を果たせなくなった時のみ、処分するという考えでした。
全く使っていないけど、まだ使える物は取っておく、捨てるなんてもったいないと思っていました。
それでいて、すっきり片付いた部屋に住みたいと思っていたので、完全に矛盾してますよね。

もっと広い部屋に住めれば、もっと収納があれば、解決すると考えていましたが、その考えが間違いだったと本を読んで気付きました。

長い道のりでしたが、部屋にある物を一つ一つ、必要か不要か判断して捨てていきました。
初めて不要な物をゴミ袋に入れた時、とても辛かったのを覚えています。

片付けを学ぶ場は少ない

家で教えてもらわなければ、片付けについて学ぶ場は少ないと感じます。
学校でも片付けについて、体系立てて習うことはないと思います。
どうしても片付けたい、という強い意思があって初めて、本やネットで情報を探す、という行動を起こすのではないでしょうか。

個人的に、片付けの能力は生きる上でとても大切だと感じます。
片付けを学ぶ場がもっと増えればいいな、と思います。

片付け能力は遺伝する?

もちろん遺伝はしませんが、生活習慣病と同じく、環境的要因はあると思います。
片付けが苦手な親を見て育つと、子供も苦手になりがちではないか、と思います。

私は親が片付けできないことを少し恨んだこともありましたが、考えてみると祖父母も片付けができないことに気付きました。
おそらく両親も片付けについて教わっていないので、方法がわからないのだと思います。

片付けブロックの存在

実家にいる時、物を捨てようとすると、「それ捨てるなら頂戴」「もったいないから、取っておいて」など処分するのを親にブロックされていました。
これは本当に良くないことだと私は思います。

せっかく片付けようと頑張っているのに、そう言われると一気に捨てづらくなります。
それどころか、物を捨てることに対する罪悪感が生じます。

特に学生で実家暮らしをしている場合、身の回りにある物はほとんどが親に買ってもらった物なので、なおさら心苦しくなります。

各人の物は、各人に管理を任せてほしいです。
子供のうちに要不要の判断ができないと、大人になっても片付けができない人間になってしまいます。

片付けとは、取捨選択するということ

要不要を判断することは、必要な物を自分で決めていくことと同義です。
この作業を通して、自分の生き方やライフスタイルを掴み取っていくと言っても過言ではありません。

以前の私は、子供の頃のおもちゃが捨てられませんでした。
それがとてもお気に入りで、持っているだけで幸せになれる物であれば、捨てなくても構いません。
しかし、思い出があるから処分できない、捨てると思い出を踏みにじってしまうのではないか、そんな気持ちでなんとなく所有していただけでした。

手放した今ならわかりますが、物を捨てても、思い出は消えません。
むしろ過去への執着があると、モヤモヤした感情を持ったまま生きていくことになると思います。
物にも消費期限があります。

子供の頃におもちゃで全力で遊んだのであれば、それで十分役割は果たしたと考えられます。
自分にとって理想の部屋、理想の暮らしの中に、幼少期のおもちゃが不必要ならば、感謝の気持ちを込めて手放すのが一番です。

最後に

親が片付けできなくても、その子供は幼少期から片付けができた、という話も聞くことがあるので、家庭によるかもしれません。

私の場合、100%親の責任とはもちろん言えませんが、両親から受けた影響はかなり大きいと個人的に感じています。

物心ついた時から散らかった環境にいると、それが当たり前に感じてしまいます。

しかし、今はネットや本でいくらでも片付けについて学ぶことができます。
物が多いと大変ですが、一つ一つ片付けていけば必ず部屋は片付きます。

小学生時代の私に片付け方を教えてあげたい、そんなことをつい思ってしまいます。

今は時間を見つけては実家の片付けに勤しんでいますが、両親が元気なうちに終わらせることを目標としています。

片付けができるかどうかは、親の影響をかなり受けるが、親が片付けできなくても独自に能力を身に付けることは可能、というのが私の持論です。

今片付けができなくて悩んでいる方がいましたら、まず身の周りの物を一つ処分する所から初めてみてはいかがでしょうか。
本を読んで自分のロールモデルを見つけるのもおすすめです。

最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
長文乱文失礼いたしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?