残り1ヶ月のこと 〜高校生たち〜
「もうお別れなんてさみしい」
駅のホームで別れを惜しんで泣いている高校生達を見かけて一瞬だけ時が止まった。
その一瞬のこと。
*
午後にかけて降り続いた雨も上がっていたが、依然としてどんよりした時間が流れている。
仕事帰りの電車、いつもより閑散としている気がしていた。
例によって不安な空気が漂い、ほぼ全員がマスクを着けているようだった。
電車に乗り込み隅の席に腰をかけると、一日の仕事が終わった気がして気が抜けていくのが分かる。
いつも通り小説を開き今朝読み進めた所をすぐ