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『検屍官』シリーズで再読したのは『真犯人』

パトリシア・コーンウェルの『検屍官』シリーズは。30年続いています。
昨年の12月には5年ぶりに新刊が刊行されました。世界累計1億冊を突破したという超ベストセラーの25作目は『禍根』というタイトルです。

シリーズ第1作から魅了され、その世界に震撼しながら貪るように読んでいました。この作家の情景描写がとても好きです。

冒頭がとても好きな作品の一つが、シリーズ4冊目『真犯人』です。
死刑囚ロニー・ジョー・ワデルの瞑想から始まります。

ひんやりとした空気がこちらにも伝わってきます。この物語に出てくる犯人は、シリーズ6冊目『私刑  FROM POTTER’S FIELD』にも登場します。
こちらの冒頭も大好きです。
物語は二ューヨーク、セントラルパークから始まります。凍てつく夜の闇のなかに、ある人物がいる。

以前、『書くことについて』(スティーブン・キング著)を読んだときに、お勧め本とそうでない本について書かれていました。パトリシア・コーンウェルの『検屍官』については、お勧めしないほうに挙げていました。

トム・クランシーの著作はお薦めのほうに入っていたと思います。物語の展開では、確かに『ジャック・ライアン』は非の打ち所がない。ターニングポイントはあるべきところに配置され、主人公は危機に晒され見事に乗り越える。

『真犯人』の犯人の行く末は、『私刑』まで読まないとわかりません。その構成は、映画化には向かないでしょう。

でも、私は『真犯人』が好きです。

今日、この冒頭を読み返し、これはクリスマスが間近に迫る頃の話だったのかと驚きました。意識の底に、この物語が刻まれているような気がします。


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『聖なる夜に花は揺蕩う』「全10話」

  【あらすじ】

 12月10日(金)、週刊誌『FINDER(ファインダー)』の事件記者・桐生、北村とカメラマンの岡島は秩父湖に来ていた。彼らは切断された遺体を発見する。

 きっかけは、今朝『FINDER』編集部に送られてきた手紙だった。いままでに5人殺害し、そのうちの1人を湖に沈めたという内容で、詳細な地図と免許証も同封されていた。

 手紙には、犯人の署名として円と十字の印が記されていた。円と十字の印を手掛かりに、桐生たちは残る4件の事件へと導かれていく。

『聖なる夜に花は揺蕩う』第1話「湖の底」は
https://editor.note.com/notes/nfb87f8e113f5/edit/  から

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