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留学や奨学金獲得を目指すなら、まずすべきこと

何かに応募する際の出願書類はさまざまですが、たいてい、共通するものが3つ。ひとつは、出願動機やなぜ自分が選ばれるべきか、という旨を説明したエッセイ。もうひとつは、成績証明書。これまで自分がどれだけの結果を出してきたのか、主観的に述べるだけでなく客観的に裏付けする書類です。そして最後に、教員やアドバイザーからの推薦状。こちらも、本人の弁だけでなく、実際ほかの学生も見ている人からはどういう評価なのかがわかります。今回強調したいのは、最後の推薦状。なぜなら、これは自分のがんばりでどうこうできるものではなく、先生や上司やアドバイザーといった第三者に書いてもらわなければならないものだからです。

言うまでもなく、自分のことを推薦してもらう文書を書いてくれるようお願いするのに、締め切りの一週間前に「週末までにお願いします!」なんて頼むのは言語同断です。断られるか、下手すると「この学生は推薦しません」なんて言う推薦状を提出されてしまうかもしれません(まれですが、こういう「推薦しない」推薦状は存在します…)。なので、このプログラムに応募しよう、留学しよう、と考え始めたら、まず募集要項をよく読んで、推薦状が必要かどうか、どんな人からの推薦状が何通必要なのか確認します。そして、応募締め切り日もチェック。その時点で、まだ出願準備が進んでいなくても、推薦状を頼みたい相手にコンタクトをとり、出願の意向を説明、締め切り日を明記したうえで推薦状を書いてもらえるかどうかお伺いを立てます。ポイントは、「お願いする」のではなく、「お願いできそうかたずねる」ことです。英語だったら Could you please write me a recommendation letter?ではなく、I'm thinking of applying for XXX and I'd need 2 reference letters by [date]. I was wondering if you have time to write a letter for me.などとしましょう。結びのフレーズもThank youの後にfor your considerationとかつけると、承諾をあてにしているわけではないという感じが出ます。

推薦者との関係にもよりますが、最低でも締め切り2~3週間前にはコンタクトをとります。普通、推薦者たちは平日の通常の仕事に上乗せする形で推薦状を書いてくれるわけなので、週末にしか時間がとれないこともあるかもしれません。そうすると、2週間半前にたのんだとしても、週末は2回。そしてその貴重な週末にはすでに予定がはいっているかもしれない。特に相手が忙しい時期だったり、推薦状シーズンですでにほかの学生にも複数推薦状をたのまれていたりすると、書いてあげたくても現実的に無理、ということも。留学や院への進学、奨学金など前もって申し込み予定がわかっているのであれば、何か月も前に推薦状をお願いしたい旨さらっと触れておくのがいいです。向こうもその時イエスと言っていれば、たとえ後からほかの学生に頼まれても優先してくれるはず。

ちなみに、出願書類の”reference”は推薦者の連絡先だけでいい場合もあれば、実際の手紙が必要な場合もどちらもあります。しかし、競争率の高いプログラムだったりすると手紙が必要な場合がほとんど。もちろん、こちらの方が推薦人の負担は大きいので、時間に余裕をもってお伺いを立てる必要があります。一部、例外があるとすれば、推薦してくれる先生とかなり長い付き合いがあったり(大学院の指導教官で同じラボでずっと研究しているとか)、以前に推薦状を書いてもらったことがある場合など。そうすると、相手は書くことに困らなかったり、以前書いた推薦状に少し手を入れるだけで済んだりすることが多いので、頼む障壁は低くなります。しかし、初めて推薦状を書いてもらう相手で、その先生のクラスはとっていたものの、あまり深い関わりはなかった、などの場合は注意が必要です。そもそも、その先生に書いてもらうのが最適なのか、よく考えてからコンタクトしましょう。


最近、留学プログラムに応募したかったけれど、必要書類の推薦状が2通用意できないからあきらめた、という学生がいました。1通目は、締め切りまで2週間切っているという状況で依頼。(この先生とはかかわりがあり、推薦状を一度書いてもらっていたので)なんとか出してもらえたものの、2通目を書いてくれる先生がみつからなかったようです。こんなことで、留学という人生を左右するような大きなイベントに参加できなくなってしまうのは本当にもったない。でも、学生のうちはあまりこういうことに気が回らなかったりします(自分もそうでした)。なので、声を大にして言いたい。たいていのアカデミアでの応募案件には推薦状が必要です。お願いできる相手を複数みつけておきましょう。そして早め早めに連絡。かかわりが少なくても、普段から良好な関係を築いておくとさらによいです。

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