「人はなぜ物を欲しがるのか」読書メモ
くつろぎながら生きていきたい。物欲が強い方ではないが、いろいろと欲しいものはある。でもそれを買うと、もっと働かないといけなくなる、くつろげない。そもそも人にある所有欲、物欲はなんなのか、ということで読んでみた本です。思ったよりも読みやすかったです。
人間は社会的な生き物で1人では生きていけません。他人と協力するためにいろいろコミュニケーションなどを取ったり、相手のことを考えたりと、他人と自分を比較するのはもはや遺伝子レベルでのデフォルト設定な気がします。
で、物を持つことで自分はこういった人間なんだというようなシグナリングを相手に送る。なので、所有欲・物欲が出てくる。そして、資本主義パワー、広告業界、SNSの発達、などによって、物を持った方が幸せだよ?と言われているうちに、もっともっととなってしまう。それが最近で、このままじゃまずいからもっとよく考えよう。そんな本でしょうか。
この辺の本とセット読みするとより腹落ちする気がします。
4年前ぐらいに読んでたので、メモもしています。
つまり、みんながもっと欲しいとなっても地球は限界だよ、このままだとダメだよ、という再確認です。ちなみに日本人の平均は5.0ヘクタールみたいです。世界中の人が平均的な日本人と同じ生活するには地球は2.9個必要みたいです。MOTTAINAIという世界語が生まれた日本も、もう過剰です。
そして、平均的日本人の生活を支えているのは、地球環境からの搾取や、発展途上国からの搾取、もしくは日本国内にいる人たちからの搾取(非正規とか、女性とか)によって成り立っている。という直視したくない現実を改めて見つめないといけないですね。
くつろぎながら生きていきたい。とウダウダ言っている僕も、多くの自然や多数の人からの搾取の元でくつろいでいる、というこの現実を一度受け止めないと、と思います。
なので、所有欲や物欲を減らしていかないとね、でも欲のパワーもすごいよね、という状態なのが僕も含めた多くの人じゃないかと思います。
面白いですね。絶対的な数値などではなく、相対的なものだ、と。これは思い当たりますね。Forbesなどに出てくる資産何千億の人には嫉妬なんかしないけど、東洋経済に出てくる企業の年収ランキングで自分の会社や友達が行っている会社の年収は気になるし、嫉妬もする。そんな感じです。
いかにもブランド名が分かるファッションはちょっと成金っぽい。ブランド物なんか興味ないわ、ハンドメイドよ!というようにするのが最富裕層、というような感じですかね。
食べ物で言うと、高級肉が好きな富裕層に対するカウンターシグナリングで、ヴィーガンであったり、自分で野菜を育てたり、狩猟したり、とか、、、
面白いですねー、レッドスニーカー効果!
権威とかその場の空気とかをガン無視できるぐらい自信があったり、実力があるような人ができる技ですね。実力が伴っていないのにこれをやるとただのイタい人になってしまう。。。
とても良くわかります。
オリンピックなどでライバルがいたからここまで来れた、というような発言を聞くと、良性の羨望の最高系な気がします。
芸能人などの不倫ネタや自粛警察なんかで叩く人たちが悪性の羨望の代表格でしょうか。芸能人の不倫とか本当にどうでも良いのに、その裏側には成功していて妬ましいという感情があるのでしょうか。
面白いですね。自分が何者か自分自身では良くわからないから、持っているものによって自分のことが分かる。。。自己ブランディングみたいなもの。
エコバッグを使い、古着を着て、ユーズドの家具などを持っている人は、自分は地球環境に気遣っている人だ、というブランディングを他者だけではなく、自分に対しても発信している。
高級外車に乗って、ハイブランドのブランド名がドーンの書いてあるTシャツを着ている人などは、成功者であることを撒き散らしたい願望・欲求が強いということなんでしょうね。
成功者とか勝ち組・負け組という言葉をお金の多寡だけで使ったりすると、非常に下品な感じだなーとは思いますが、指標としてわかりやすいんでしょうね。
なんとも人間の弱さを良く言い当てているような言葉ですね。誰しもがある気がします。自分に彼氏彼女がいない時には友達の彼氏彼女ができた話にも素直に喜べない。結婚、出産、出世、なんにでも当てはまりそう。少し死ぬ。
世界から取り残されているような感じですね。正確には世界が取り残すもなにもないので、同世代や近くの友人たち、自分の社会から取り残されているような感じだと思います。
これは本当にそうでしょうね。広告によって、幸せになるためには⚫︎⚫️が必要、と言われ、自己啓発本で、自分次第で幸せになれる!とか言われたり、(=幸せじゃないのは自分のせい)いろいろ振り回されますね。
幸せの定義なんて人それぞれだし、幸せでならなければならない、というような言葉にもちょっと抵抗を感じます。
ほっといてくれ、と。
幸せを目指して生きよう。とか真っ当なようで、自分で考えちゃうと疲れてしまうので、くつろぎながら生きよう。というのが最近です。
自分がくつろげれば、周りの人にもくつろいでもらえるようにしたいし(周りがイライラしていると自分がくつろげない)、最終的には地球にもくつろいでもらえるようになるといいなー、とか。
所有というのも人間の欲望に深く関わってきますし、それをマーケティング業界や資本主義パワーが強化して勧めてくるので、それに負けずに所有欲をコントロールしよう!そんな当たり前の結論になってしまいました。
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