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『この世でいちばん大事な「カネ」の話』読書メモ

たまたま見た雑誌で紹介されてて、ほほう、と思って図書館で借りて読んでみました。エッセイですね。

不遇な環境で生まれ育った著者が、お金に振り回されながら、成長しながらお金を稼ぎ、お金とはなんだ?と考えながら、自身のお金論などを話していくような本です。

本人の実話ので、お金に対するキレイゴトとか、そういったものもなく、生きる上でどうしても切り離しにくいお金についての体当たりエッセイという感じです。

日本にも多くの貧困層がいるというのは良く言われていることですが、そういった人が自分のすぐ身近にいるのか、という中で著者は幼少時代を貧困?状態で過ごしており、日本の貧困層のルポみたいな部分もあります。

お金や投資について学ぶというよりも、著者のお金についてのエッセイなので、共感する部分と共感しない部分はあると思いますが、苦労もしながら生きてきた部分も感じ、力強い言葉を感じます。

これを読むと、巷で多く言われている自己責任論、についても疑問を感じます。例えばホームレスになってしまった人は自己責任だ、生活保護も自己責任、などと言われますが、同じ日本においても生まれ育つ環境も違っていれば、受ける教育環境も違うので、そういったことを考慮せずに自己責任だ、というのはやはり乱暴だなと。

元イギリス首相の鉄の女のサッチャーは自分がかなり庶民の出身で超絶努力して首相になったそうですが、その人でも庶民側に寄り添えずに、新自由主義を進めて格差を広げました。

これは、努力すれば道は拓ける、といった人で、とても強い人だったのでしょう、だから、頑張ればできるのに頑張らない人に厳しくなった、と。

気持ちはわかるけど、頑張れない人というのも多くいるのだろうなとも思うし、これだけ経済成長して豊かになったのだから、頑張らなくとも最低限引け目も感じずに生きていける世の中にはならないだろうか。。

さっと読んだのと、ノウハウ本ではなくエッセイなので、いくつか気になった点を書いていきます。

・お金が無いという状況は本当に大変で、心もギスギスしてくる。

・ギャンブルなどで稼ぐあぶく銭と手に汗をかいて稼いだお金は別

・結婚して専業主婦、みたいに稼ぎを全部相手に託すのは怖い

・世界放浪とアルバイトは必修科目

などですかね。

文体も読みやすいので、中学生とか高校生ぐらいで読むといろいろ考えさせられるのではないかと思いました。自分の体験を話しているので、文章の力強さがいいです。

お金がない、気持ちにも余裕がなくなる、些細なことでケンカしてしまう、家庭環境も悪化する、教育もできない、子供もグレる、、という負のループで貧困は連鎖する、という言葉のリアルさを感じます。

なんとか、ここから抜け出さないといけないというのは本当だと思います、ある程度のお金があると全然安心感も違ってくるし、気持ちに余裕が出ると仕事なども良くなってくる、という正のループにもなれますし。

ただ、ひたすら頑張って働く!を良いこととしてしまうと、昨今の資本主義社会では、やりがい搾取などに合ってしまいそうだな、とも感じました。

愚直に頑張る重要性は感じる一方で、資本主義をうまく使ってお金を増やしていくようなある種の器用さも持っていた方が良いと感じます。

お金の方程式は、収入ー費用+(資産×利回り)が全てなので、愚直に頑張る部分でまず収入を増やす努力をして、同時にコストを下げる努力もする。

携帯代も格安多いですし、旅行なども最近のサブスクプランのキャンペーンなどをうまく使えば本当に格安でいけます。初月無料を使いこなすなどの費用削減も今時はいろいろできます。

あとは、資産を増やす入り口はやはりiDeCoとNISAから。

そういったことをやりながら自分の気持ちにゆとりができるお金を目指していき、その先には仕事とやりがい、生きがい、といったものが出てくるような感じがします。

少なくともお金は綺麗なものでも汚いものでもないですが(使う人次第)、資本主義のルールなどをうまく使いこなさないと、ナチュラルに搾取されやすい構図や、一発逆転という名目で詐欺られるような罠がいっぱいあるので、そこをどううまく避けながら増やしていくのかは考えないといけないですね。

あとは図書館という無料でこれだけの本を貸してくれる素晴らしいサービスがあるので使わない手はないですね。本から学べることはいくらでもあるし、それがタダというのは本当にすごいです。

引き続き、お金関係、投資関係、幸福とは、生きるとは、仕事とは、資本主義、といった自分の興味あるジャンルを読んでいきます。

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