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「猫に学ぶ」読書メモ

くつろぎながら生きていきたい。そうだ、猫に学ぼう。

ということでちょっと前に読んだ本です。いろいろ学ばせていただきました猫様に。

哲学は人間精神の弱さを証明している。人間は祈るのと同じ理由で哲学する。人間は自分が人生で築いてきた意味が脆弱であることを知っており、それが崩壊するのを恐れながら生きている。死は意味の最終的崩壊だ。

自分の人生の意味とは?生きている意味とは?という誰しも一回は考えたことがあるでしょうが、自分の人生に意味がなかったと思ってしまったら、、、、でもごらん、猫はそんなこと考えてないよ、そういうことでしょうか。

人間の自意識はたえまない不安を生み出し、哲学はそれを解消しようと必死に努めてきたが、その努力は空しかった。

不安とか怯えとかの臆病さは、進化する過程では必要でしたね。怯えずにわーっと勢い良いヤツは大型動物とか蛇とかにやられて生き残れなかった。

でも、現代においてその不安というのは人間の本性ではあるものの、マイナス部分も目立っている感じですね。

猫は自分の本性に従って生きるが、人間はそれを抑圧して生きる。逆説的だが、それが人間の本性である。それは同時に野生が持つ永遠の魅力でもある。

人間は社会的な生き物で、協力しあって今まで生き残ってるから、確かに全て本性さらけだして社会から弾かれたら生きていけないですからね。なので、本性をさらけでしているようなものに憧れる。本性のままに生きている(ように見える)猫。猫のように自由に不安も持たずに(知らんけど)生きていきたい。

私が猫と遊んでいる時、私が猫を相手に暇潰しをしているのか、猫が私を相手に暇つぶしをしているのか、私にはわからない。

これは、遊んでいただいている、ということですかね。

愛猫家は猫の中に自分自身を見出すから猫を愛するのではない。
猫が自分とはあまりに違うから愛するのだ。

名言ですね、憧れですね、猫。

良き人生とは、与えられた本性とともに自力で生きることを意味した。中国のタオ、古代ギリシャのディケー。

もうちょっとさらけ出しながらいきたいですね。

猫の倫理はいわば無私の利己主義である。
自分と自分の愛するもののことしか考えないという点では、猫は利己主義者である。
自分のイメージをもたないため、それを保存・拡大しようとは思わないという点では無私である。

なるほど。自分がどう見られたいか、というのは猫からしたら本当にどうでも良いものなのでしょう、SNSでの承認欲求だらけの我々は学びたいところですね。自分を誇示もしない、人からの見られ方も気にしない。

猫にとっては人間から学ぶものは何一つないが、人間は、人間であることにともなう重荷を軽くするにはどうしたら良いかを、猫から学ぶことができる。

人間から学ぶことは何もない。。。切ない。確かに。餌くれよ。だけ。

捨てられる荷物のひとつは、完璧な人生はありうるという思い込みだ。人間の人生はかならず不完全なものだ、という意味ではない。人生はどのような完璧の観念よりも豊かだ。良き人生とは、これまでに送ったかもしれない、あるいはこれから送るかもしれない人生のことではなく、今すでに手にしている人生のことだ。

いつを生きるの!?今でしょ!的な言葉ですが、猫を見ると確かに今を生きてる感ありますねえ、、、不安はそれが実現してから対応すればよい。

猫がくれる10のヒント
1、人間に対して理性的になれと説教しないこと。
2、時間が足りないと嘆くのは馬鹿げている。
3、苦しみに意味を見出すのはやめよ
4、他人を愛さなくてはならないと感じるよりも無関心でいるほうがいい5、幸福を追求することを忘れれば、幸福が見つかるかもしれない
6、人生は物語ではない
7、闇を恐るな、大事なものの多くは夜に見つかる。
8、眠る喜びのために眠れ
9、幸福にしてあげると言ってくる人には気をつけろ
10、少しでも猫のように生きる術を学べなかったら、残念がらずに気晴らしという人間的な世界に戻れ

なかなか良いヒントが満載です。

人間だけの問題とは死の恐怖であり、その恐怖から逃れるために、人間は宗教を、哲学を生んだ。だがどっちも死の恐怖を拭いされてはいない。死の恐怖から逃れるため、人生を物語にするという対策を考えだした。だが、そのために皮肉にも、幸福な人生は現実ではなく物語の中にのみ存在することになり、人間は生涯それを追い求める結果になった。

考えるな!感じろ!と言われても無理なものは無理で、考えちゃうものですが、幸せとは?とかどう生きるべき?とかいくら考えても満足できる答えが出る人はレアだと思うので、人間のどうしようもない本性部分も受け入れつつ、そういったことがなさそうに見える猫から学ぶことで、少しでもくつろげる人生を過ごしていけると良いですねえ、、、


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