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頭をからっぽにして踊る〜郡山市西田町“高柴ひょっとこ踊り”橋本広司さん

4月14日(日)
郡山市西田町の山間にある高柴デコ屋敷へ。

シダレザクラにハナモモ、菜の花…
そこはまさしく“春の里山”

その美しさもさることながら
この里に伝わる「高柴ひょっとこ踊り」の
名手として知られる橋本広司さんのお話がとても興味深かったです。

メモを取っていないので、
間違って捉えている部分があるかもしれませんが
記憶に残っている“ことば”を記録しておきます。


“ひょっとこ”の面をつけて踊ってるうちはダメなんだ

面をつけてなくても踊るんだ
“ありのままの自分”になって踊るんだ

みんな考え過ぎなんだ

頭を空っぽにして踊る
毎日目の前にある仕事を続ける
それだけ

桜は何も考えていない
ただ春になったから咲いてんだ

いろいろ考えて悩むのは人間だけ
自分で悩みをつくってんだよ

俺は昭和20年にこの家に生まれた
5人きょうだいで、他はみんな女だった
俺が継ぐしかないべよ

若い頃はこの仕事が嫌で嫌で、しょうがなかった
毎日しょうがなくやっていた

だけど、長いことやっていると段々気づく
自分の考えを持ってると気づけない
頭を空っぽにすることが大事なんだ

この仕事は俺がはじめたわけじゃねえ
ご先祖さまがはじめて、じいちゃんや父ちゃんが
やってきた仕事を引き継いだだけだ

俺の(張り子の)絵付けは
本家さんみたいにうまくねえ
何も考えずに描いてるだけ
ただ先祖から受け継いだことをやってるだけ

“ひょっとこ踊り”だって、俺がはじめたわけじゃねえ

だけど、「俺に会いたい」と全国から人が来てくれる
張り子を持って行商にいかなくても、みんなが買いに来てくれる
俺の“ひょっとこ踊り”を見に来てくれる

俺があちこち出向かなくても
あっちから会いに来てくれんだよ

こんな幸せなことはないべよ

20歳でひょっとこ踊りをはじめ
ずっと踊り続けてきた
今年で78歳になる

“ひょっとこ踊り”に決まった型はないんだ
自分の好きなように踊ればいいんだよ

踊りじゃなくてもいいんだよ
(私に向けてシャッターを押すポーズで)
それで表現すればいいんだよ


デコ屋敷を訪ねる前、私はほんの少し悩んでいました。
(それこそ「自分で悩みをつくっている」状態です💦)

広司さんがお話をはじめた瞬間
とても不思議な感覚に陥りました。

神様がわたしが求めていた答えを
広司さんを通して伝えてくださったような
そんな感覚でした。

広司さんは、5年前にUPされたこちらのYouTubeでも
同じようなことを語られています。

広司さんは、苦しみの中で見出した……
なんと表現すればいいのか難しいところですが
“気づき” “人生の本質”のようなものを
独特のラインで彩られた張り子や“ひょっとこ踊り”を通して表現し
私たちにそれを伝えてくださっているのかもしれません。

5月26日には、高柴デコ屋敷で「デコ祭り」がおこなわれます。
広司さんも“ひょっとこ”として登場される予定だそうです。

私は歌や楽器の演奏、ダンスなどの身体表現が苦手なのですが
(運動神経的にも、メンタル的にも…💦)
最近ふと、「踊るかもしれないなあ」と感じたことがありました。
(これも不思議な感覚です)

しっかりした型のある踊りは難しいかもしれないけど
決まった型のない“ひょっとこ踊り”なら、心のままに踊れるかも。
“ありのままの自分”で、頭をからっぽにして…。

“ひょっとこ踊り”フルバージョンはコチラ↓


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