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日記:桜とねじねじ散歩道
満開の桜が咲いている。
自分が大切にしていることを人に話したら、遠回しに「それどうなの?」と否定された。
その時は笑って受け流したが、一人になった途端ふつふつと腹が立ってきてどうしようもない悲しみに襲われた。
悔しくてお腹が空いたので、半泣きで喫茶店のナポリタンを食べた。
さっき言われた言葉たちを踏みつけるように知らない街をひたすら歩いた。
心よ、鎮まれ・・・と歩いても歩いても、思考がぐちゃぐちゃになっていく。
みて、これ私の宝物なの。
ふーんかわいいね。私は好きだけど、でも他の人が見たら錆びてて汚いって思うんじゃない?
そんな感じ。
何を思うかは人それぞれに決まっているし私もそれを承知しているので、「そうですか。あなたはそう思ったのですね。」で済ませばいい。
もしかしたら、私も誰かにそんな言葉をかけてしまったことがあるかもしれない。
私がしてしまった愛想笑いが「大人の対応」ってやつなんだとしたら、
自分の気持ちに嘘をつかないことと、どっちが大切なんだろう。
(わからなくなったから、この日記を書いている)
私は何より、自分と同じように相手も喜んでくれるだろうと思っていた軽薄さ、否定された後に話を合わせて受け流してしまった弱さに落ち込んでいた。
自分の気持ちを、一瞬でも「なかったもの」にしてしまった。
歩く歩く歩く。
心が動いた全てを写真に撮った。
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気がつくとかなりスマホの電池を消耗していた。
もっと歩いていたかったけど、仕方なく帰ることにする。
が、急に不安になった。家に着くまで、スマホの電池が持つだろうか・・・。
私は普段アプリを使って電車に乗っているので、磁気定期なども持ち合わせていない。
家に到着するまで電池をなるべく節約するため、切符を買ってみた。
こんなに小さかったっけ。かなり久しぶりに買ったので、使い方を全然思い出せず乗り換えの時にあたふたしてしまった。
かなり遠くまで来ていたので、電車に乗っているあいだ手持ち無沙汰だ。
こういう時は読書に限るのだが、今日に限ってできるだけ荷物を減らそうと準備していたので一冊も持っていなかった。いつもパンパンな鞄なのにね・・・。
流れていく景色をぼーっと見つめた。
ビル、看板、マンション、アパート、電線、水色の空と窓、桜。
ふと思い立ってさっき買ったビーズを取り出した。
袋に詰め込まれたビーズたちが、車窓から入り込む西日をきらきら反射する。
最寄り駅に着くまで、くるくると色を変える光を飽きることなく見つめた。
電車を降りると、近所の桜も満開になっていることに気がついた。
ここで咲いている桜が最近みた中でいちばんやさしい桜だと思った。
そっとスマホのカメラを起動したら、シャッターを押す前に電源が切れた。
誰かの嬉しいは私の悲しいだし、
私の嬉しいは誰かの悲しいなんだろう。
だけど他人にどう思われるかを気にして自分の気持ちを形にできないことの方が、よっぽど怖いし嫌だ。
誰かと比べることなく、私は私の大切を「特別」にしたい。
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家のそばにつくしを見つけて嬉しかった。
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