DX

小学校から紙ノートを使っていた。其の惰性で、ずっと紙ユーザーであったが、ものぐさな私は其れを棚に戻すのが面倒になった。そもそも紙に文字を書くのは、キーボードより時間もかかるし、理数系であっても、余白がなくなれば途中式は次のページに行かないといけないから、あわてんぼうの寺井さんは何をしてたかを忘れるし、然しスペース節約の為に計算過程を端折っても混乱する。

何某の旧帝国大に不合格したのを根に持っているので、せめて頭がいい人の真似だけでもしようとタブレットPCを購入した。チープな中華系windowsだが、ノートブック代わりだから最低限でよろしい。

もう、全く感激した。要点を頭でまとめて、Evernote(ノートアプリだ。とても軽快に動く。)に打ち込む。紙の時に蛍光ペンやボールペンで強調していたことが、些細なことだったように思えて軽やかな気分になる。

計算をするときだって、タッチペンを使えば何のその。わざわざ写真にしてPDFにする手順も踏まなくてよいので、晴れ晴れとした気分だ。

そもそも現在はWordが使われているが、同じようなことはGoogle Documentで出来るらしい(というのをノートアプリ選別の時に知った。)ので、中高等教育のトロさを認識した。「フリー お金を生み出す新戦略」という本もGoogle Documentで書かれているようで、本の原稿さえ書けるのに何故一般じゃないんだろうか。

近年DXだ改革だと張り切っているが、加速の鈍い日本社会の、頑固さん達はその津波を間に合わせでやり過ごすんじゃなかろうか。橋本治さんは、デジタル化は逆行すべきだ、と新潮のエッセイで書いていたが、何故こんなに便利なものを投げ出せというのか意図がわからない。

然し紙に書くことにも其の利点は分る。手を動かすことで体の動かし方が解って、手先が器用になる。又、文字を紙に綺麗に書けるようになると、日常生活は絵画的な美と接点が出来て豊かになる。

然しビジネスなど、実利を求める場に於いては優雅に動いては損をすることを知らなければならない。あくまでも生活の豊かさと、実用性は確りと切り替えられねばならないのだ。


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