ブランド(?)品

アイスクリームを食べていると、「北海道産生クリーム使用」と有った。北海道の生クリームだから何が美味しいんだろうか。私は貧相な舌なので、恐らく業務用生クリームと、一流生クリームの格付けチェックは運に任せるしかなくなるだろう。

同じようによく分からないブランドと言えば、ベルギーのチョコである。当たり前だがベルギーでカカオが取れる訳ではないので、カカオは輸入するだろうが、ベルギーで加工さえしてしまえばベルギー産と言える(国民生活センターによると、「原産国とは、景品表示法に基づく「商品の原産国に関する不当な表示」によると「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」と規定されています。」と有る)から、ベルギーの工場で粉砕しペースト状にしてしまえば、ベルギーチョコだろう、とシニカルにお菓子コーナーを通るのだ。

ブランドの焼き印にかすった物を、さも高級であるように見せかけて売るのは、商業的に大きな利益を出す方法であるのは理解している一方、程度の差はあれ騙しているのだから浅ましく見える。特に、さもリッチな筆記体に収まっていたり、金色の恰好をした黄色に包まれている文字を見ると、むしろ安っぽさが其のモヤの中に影を見せるのだ。

本当に丹精込めてお菓子を作っている方々は尊敬する。形態は何であれ一つの事を追い求めて、其れを生業として拘りの細かいお客の高級な需要に応える逸品を作ることの価値は言わずもがな。其処には適正な価格設定があって然るべきだ。

然しそのブランドを半分盗用しているような売り方をされている安価な商品は、媚だけを売って昇進していった上司のようなもので、丁寧に運搬陳列されていたとしても、さもしく見える。

只、美味しい材料をなるだけ安く安くと歩き回って下さる方やどんな材料でも美味しく美味しくと頭を回す方が居ることも一方で忘れたくない。だがどんな商品でも、売り方一つで斯うも変わってしまうのだ。口上は自分の背丈に合わせねばならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?