まずは買う手を止める
僕がミニマルな生活をしていると言うと、「自分も物が多すぎてだめだ、ミニマリストになりたい」と言う人が多くいる。もうこれはお決まりのことなんだが、僕の友人は物があればあるだけいいんだと言っていた。逆の人もやっぱりいるもんなんだな。
で、最近また僕は荷物を少なくしなくてはいけないという試練に直面しているわけなんだが、ミニマルな生活をしていたって価値のあるものはなかなか手放しにくいものである。それにしっかりとしたもの、だと特にそれは強く感じることがある。
例えばカバンだったりすると、まだまだ使えそうだなと思うと、取っておきたいと感じるが、ペラペラのガサガサな紙袋だったりすると簡単に捨てられるというような事が起こる。
それはデザインとかブランドの名前とか文字にもあって、たとえば好き
なバンドの名前が入っていたり、好きなブランドのロゴが入っていたりするといきなり捨てにくくなってしまうものである。これはすごく不思議だ。
だって、いうなれば、単なる見た目の話であるし、単なる文字の配列の話なのである。そもそも文字が読めなければそんなことは思わないわけだし、持っているとかっこ悪いなと感じるものだったら簡単に捨てることができるのだ。
つまりこの特性をを利用したらいつまで経ってもボロボロのスウェットを着たり、すり減って汚れた靴をいつまでも履いているなんてこともないわけだ。
衣服で考えるとなかなか難しいかもしれないが、何かリサイクルして作ったような袋だったり、そのへんにありふれているものでなおかつ常に持っているとあんまりカッコよくないものをこっそり使うのはどうだろうか?
そして、「ちゃんと捨てる」という癖を付けるのである。
溜め込む癖があるのであれば捨ててしまう癖だってあるはずである。
季節的でないもので使わないものはちゃんと捨ててしまうという習慣を身につける必要があるし、そもそも持っているものをちゃんと使うという癖も付ける必要がある。
ミニマリストは捨てるだけでなくそもそも買わないということも含めて考える必要があるのだ。
断捨離の考え方がそうで、断捨離はものを捨てるという前に、そもそも買おうとしない気持を持つことが大事なのである。買っては捨てるの繰り返しだったら今までと何ら変わりはないのであって、あんまり意味はない。
使わないものをどんどん捨てるのはそれでもいいが、所有したい、新しいものが欲しいという気持ちもちょっとずつ捨ててしまう必要があるのである。
まずは、ひとつ。
ほしいと思っているものを前にして、諦めるということと、家のもので賄えるものを探してみるという癖をつける。
そして、買う時に必ず捨てるときのことを考えてみよう。
テレビ、洗濯機、椅子、ソファー、絨毯、テーブル、コート、ブーツ
ちょっとでかくてゴツゴツしたものは、必ず捨てる時に困ってしまうと思うと、めんどくさくなってくる。
自分が購入して生かすこともするなら、殺すのも自分なのである。
少し残酷な考え方だが、ペットが欲しいという人がいる。
世話が大変だとか、自分がいないと可愛そうな思いをさせてしまうとか、いろんな不自由な思いをさせてしまい、可愛そうな事を考えたりして買うことを諦める人もいるし、その先に死を見つめて最後に泣くのは自分なんだと思い諦める人ももちろんいる。
ものを買うということはそういうことなのである。
ものも、中には命だったものがある。
毛皮のコートとか、革のバッグや靴、香水やワセリンなどの油だってそうである。何も世話しないで、もしくは使うことなくカビだらけにしてしまって、汚くして捨ててしまうのは至極残酷なことかと思えないだろうか?
香水や薬品などの消耗品であっても、最後まで使わないで途中で捨ててしまうこともあるだろう。
最後がそんなでいいのだろうか?
最後を考えられなくても、ちょっと思うだけで、買う手が止まればそれでいいのだ。
いや、もちろんだが、寒そうにしているのにシャツ1枚しかもっていないのも良くない。必要があれば買えば良い。それだけのことなのである。
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