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黒川能、王祇祭、準備の1日

1月半ばになると一気に準備が増えてくる。
いただいた予定表は1月15日頃からびっちりで当屋の大変さはかなりのものがある。
 当屋の親戚としての参加なのでお手伝いする回数が多くないからというのもあるけど、準備の量が会社員している方だと相当無理がある。
昔の農家のスケジュール感なんだろうし、3世代家族にすぐに駆け寄ってくる近い親戚も多いことが前提だろう。

 多くの家は自宅で開催せずに公民館を使うことも増えたりと軽減できる所はやってるが、今回の当屋は神社の禰宜でもあるので、すべて自宅で行うので、集落の人らや親戚もとにかく多く来る。

神棚まわりの注連縄や笹竹の交換
神事で大切な生地を丸める


持ち手に縄を縛る。ただぐるぐる巻いてるだけで無い
酒を入れる樽にも注ぎやすいように紐を束ねるがこれまた難しい

基本的に縄や竹、神具などの多くは毎年交換するので、付け替えするにも結び方を知る人がいないと大変。若い若勢頭がとにかく器用でした。

たくあん、かぶら漬け、甘酢漬け、大根の醤油漬け

 お昼は大勢で塩むすびと漬物だけなのだが、これがまたすべて美味しい。漬物は美味しくてオカワリ。
販売物でないからこそ作れるシンプルかつ昔からの漬物の美味しさ、塩や酢の加減も絶妙で賞味期限優先の味付けではできないのだと思う。
漬物が美味しいと、塩むすびもかなり美味しさが倍増する。

一休みすると、家の中では能舞台の組み立てのお試しで、自分は豆腐焼きする所でひたすらくるみ割り。
コンテナ2つ分位を永遠と炭火で炒り、ひたすら割る。これを後日に女性陣がくるみを殻から取る。これもかなり果てしない。

火で炒るくるみ
炭火ラブ


くるみを炒る香り、炭火の煙のマリアージュがこれまた癒し。我が家は自分が小6くらいまで築200年くらいの茅葺き屋根の家で囲炉裏やストーブで薪を燃やしてたので基本的にこういう香りはノスタルジック。

豆腐を返したりするらしい藁の道具

 注連縄もこういった藁細工もすべて我が家から提供しているものなので、それが使われている事がとにかく誇らしい。
 効率重視でない杭掛け天日干しを続けているからこそこういった所でお役に立てる。農業の大規模化、機械化、効率化ばかりでは、伝統芸能や祭で使う藁が無くなってしまう。しかも藁の丈がある品種コシヒカリであることも大切。

縁起物の花を模したもの

 次週はテレビでも放映されることの多い豆腐焼きに2回ほど参加。
今の時代の働き方にも合いにくくなってるし、人口も若者が減り継承に大きな課題はあるが、こういう祭のある地域の人の繋がりの深さはかなり違うものがある。
 そういうコミュニティを作るのにも役立っている。

 当屋には100年に1度くらいしかなれないので、楽しめる所はたっぷり楽しもうと思う。

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