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県民共済は本当にお得なのか?落とし穴は?

■県民共済に入るのは情弱

「民間保険を解約して県民共済にすることで保険料が節約できる。資産形成に役立つ」と言っているインフルエンサーが増えてきた。


自分は民間保険も県民共済も肩入れするつもりはない。

銀行、証券、保険の業界に接している経験を活かしてあまり意識されていない点を中心に列挙してみる。


■県民共済の内容と業界イメージ


※画像は埼玉県民共済 HPから引用


上記が一般的な共済のイメージとなる。

医療保障もある程度ついていて、死亡保障もある。

それでいて掛け金も安く、返戻金などもあってお得だ。

これで保険料を節約して、残りは貯金や投資に回すことで資産形成ができる。

こんなイメージを持たれることが多い。

マネー関連のインフルエンサーやFPなどの評価も高く、推奨している人が多いように思う。

FPの場合は民間保険を販売して手数料を稼ぐスタイルのケースもあるため必ずしもそうではない。保険代理店や銀行などを含めて保険を販売するビジネススタイルの側は推奨しない。

逆に信頼を得て、アフィリエイトや自分自身のマネタイズを行いたい者は安くてわかりやすい県民共済を推奨して、保険業界の販売者側を叩く。

共通して言えることはどちらの側も顧客のためになっているとは限らないということだ。もちろん全否定するわけではなく親身になってくれるアドバイザーはいると思うが・・。

■保障内容ごとの県民共済の評価

現状のデータはもちろん今後の未来予測を踏まえて県民共済を私なりに評価したいと思う。

(1)入院

一番手厚く見えるが、実はもらえない

平均入院日数は右肩下がり、長期入院は精神疾患か脳疾患がほとんどとなっている。なんとガンでも平均入院日数は20日でしかない。

過半数以上の入院は10日未満である。

病気が増えてくる70歳以降ではなんと入院は3000円しかもらえない。

80歳以降は保障は消える。

(2)手術

これも実はもらえない。

入院日数が減っていることもあるが、入院手術は30%台、外来手術が非常に多くなっており7割、8割が見えてきた。

つまりほとんど1.5万しかもらえない。

この1.5万は50歳までである。

病気が増えてくる70歳以降ではなんと外来手術は3000円しかもらえない。

80歳以降は保障は消える。

(入院と同じだ)

そもそも手術をするかもわからないし、手術しても実際にはそれ以上かかる。たった1.5万のために毎月2500円払う?

70歳以降なら毎月外来手術をしてやっと掛け金の2500円が取り返せる。

そもそも手術の実施件数自体は減ってきている。

入院手術が激減し、外来手術の割合が非常に高いがこの手術の実施件数自体も減ってきている。

つまりほぼもらえない。

今すぐ入院中手術をするくらいの勢いの人には逆にお勧めだ(笑)

※余談だが県民共済の手術はすべての手術でもらえるわけではなく、県民共済側で予め設定されている手術に限られる。

民間も同様だが民間より範囲が狭い。

(3)重度障害

かなりのレアケースだ。

おまけのようなイメージになってしまう。

(4)死亡

入院手術については年を取っていったらもらえない。若いうちにもレアケースで、もし該当してももらえる金額が非常に少ないことが分かった。

最後の頼みの綱は死亡保障だが・・。

交通事故死は宝くじのような確率なので無視しよう。

実質病気での死亡がメインとなるが、そもそも500万スタートで75歳以上は60万しかもらえない。80歳以降はもちろん保障がなくなる。

■医療の将来予想

入院日数も短期化しており、手術の実施件数も減少している。

平均寿命も延びており人はなかなか死ななくなってきた。

コロナワクチンのような形でがんワクチンのような各種疾病のワクチンなどの予防医学、遺伝子検査の技術などが発展してくるような未来も想像できる。

つまり現状の医療保険には限界がありそうなことがわかる。

県民共済も同様である。

■まとめ

保険は目先数年ではなく、10年、20年先などある程度の期間を想定して加入するのが一般的だが、県民共済については若い人で今すぐ病気になる人向けでありそうだ。

年齢が高くなると保障がしょぼくなる。

また現在の医療の現状を想像するだけであまり給付金がもらえなさそうであることもわかる。本当に一部の人だけがもらえて、大多数の人にとっては入らなければよかったということは保険に共通して言えることだが県民共済は将来の保障がなくなっていく点において中途半端な印象を受ける。

■県民共済の使い方

基本的に加入しない方が大部分の人にとっては有利になりそうだが、強いて言えば60歳まで保障を持っておき、60歳以降は解約するイメージで使うのはありかもしれない。

それまでに資産形成をしておくイメージだ。

逆に60歳以降の場合は金額が小さすぎて、県民共済に入っていたから生活が助かったというケースは少なくなると思う。

ちなみに毎月2500円を利回り8%で20年間運用した場合は、約144万ほどになる。県民共済の保障内容を見て、144万を受け取るイメージをしてみてほしい。早期に死亡するか、なかなか周囲で聞かないレベルで入院や手術を繰り返すしかない。

それでもあなたは県民共済に入りたいという場合は県民共済が必要な人なのだと思う。


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