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『枯れ葉』

『コンパートメント No.6』以来の、久しぶりのフィンランド映画。アキ・カウリスマキ監督作品は初見。

とにかく、すべてのショットが美しかった。どこを切り取っても、絵画のよう。時にはバロックの宗教画、時にはオランダの集団肖像画、はたまたハマスホイの作品、ポップアートの雰囲気さえまとうシーンもあったような気がする。光の差し込み具合、色彩の使い方が息をのむほど美しかった。

抑制的な演技も私好みなもので、見ていて心地が良かった。抑えられつつも、そこには確かに愛があることが分かる。こういう映画ばかり観ていたい。

静謐ではあるけれど、カラオケ大会でロックンロールが歌われるシーンや、かわいすぎるワンちゃん、チャップリンのシーンなど面白いシーンも多かった。最後の、犬の名前は、と聞かれチャップリンと答えた声の後に鳴き声が聞こえたのはよかったなあ。

ずっと楽しみにしていただけあって、私の中で結構ハードルが上がっていたけれど、それを優に超えてきた。俄然、他のカウリスマキ監督作品も観たくなってきた。

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