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自作すごろくの紹介(ブラッドボーン)

 小学生の頃から自作すごろくで納得のいく出来の物を作ることが夢だったのですが、先日ついにその夢を叶えることが出来たので、その成果であるすごろく作品をここに紹介します。

☆本作の概要
……本作、「自作すごろくブラッドボーン」は、PS4向けアクションRPGソフト「Bloodborne」を元ネタとした二次創作の意を含むすごろくです。Bloodborneはホラー色強めなアクションゲーム作品のため、本すごろくでは物騒なワードが飛び交う中で各ステージのボスを倒して行き、ラスボスである「悪夢の主、ミコラーシュ」を撃破することを目的としています。もちろん、最初にミコラーシュを撃破した人がそのゲームの1位です。
 すごろくは全6ステージを巡ることを想定しているので、これから各ステージを順に紹介していきます。
 また、今後出てくる各画像はすべて頻繁に見返すことが想定されるので、保存しておくことをおすすめします。
(すごろくは全てコピー用紙に手書きの上、筆者の引く線は何を書くにしてもとにかく汚いので、そのつもりでご覧ください)

・ヤーナム市街

第1ステージ、ヤーナム市街

 ……物語は、あなたが革新的な医療を求めて遠く離れた地「ヤーナム」を訪れるところから始まります。ヤーナムには「血」を用いた特殊な医療が確立されているようですが、同時にこの街には、夜な夜なおそろしい獣へと姿を変え人を襲う脅威……いわゆる「人狼」と呼ばれる存在が潜んでいるようです。
 どんなに良い医療の恩恵を受けられたのだとしても、人狼に食い殺されてしまったのではたまりません。……ということで、あなたは人狼に有効とされる「水銀の銃弾」を手に、現地で行われている「獣狩りの夜」に協力することにしました。
 おっと、しかしこの街にはどうやらあなたと同じ境遇で、同じことを考えている人たちが他にもいるようです。どうせなら狩りで彼らに負けたくはないですよね? さぁ、街に潜んだ獣を急いで狩り尽くして、いち早く街の平和と名声を手にしましょう。
 ……というのが、このすごろくにおける大体の物語の背景です。元ネタのゲームを知らない人にもなんとなくのノリは伝わったかと思います。
 ではフレーバー的な話はこのあたりでひとまず切り上げるとして、さっそく基本ルールを紹介していきましょう。

基本ルールその1
基本ルールその2
用語等の補足

 ……はい、まぁ何が何やら分からないと思うのでざっくりまとめると、
「普通に6面サイコロを振ってすごろくをやろう。ボス戦とか武器とかあるよ。あと人と同じマスに止まるとちょっと先に進めるよ。輸血液と水銀弾は2マス進む&3マス進むの言い換えだからぜひ覚えてね」
 という感じです。聞きなれない要素については追々解説していくので、そのためにも一度話をヤーナム市街(すごろく)に戻しましょう。
 見ての通り、右下にある「始」がスタート地点です。ここから左に向かってどんどん進んでいくわけですが、各所に何やらいろいろ書き込んでありますよね。それらはマス効果と呼ばれる物で、いわゆる「○○マス進む」とか「一回休み」とかそういう物です。
 で、ヤーナム市街のマス効果一覧がこちら。

ヤーナム市街、イベント一覧

 はい、ここに書いてあることが全てです。内容の意図を説明すると多少長くなってしまうのですが、正直言って「このメモを参考に、各々の解釈で自由に遊んでもらってOK」だと筆者は考えています。
 が、その中でもゲームバランスを保つために遵守して欲しいことが二点あります。一つは、例えば「巨大豚に襲われる」のようなマス効果がある程度ランダムに決まる物について。これはそのマスに止まった際に1d6(6面サイコロ一つのこと)を振ってその都度マス効果を決定します。この処理は今後も頻出する物です。
 次に、「ボス ガスコイン神父」にある「二位以下かつ一発突破の場合、武器を得る」の文言。ここで言う「二位以下」とは、完全なる一位ではない全ての状態を指します。
 基本ルールの方にも書いてありますが、完全なる一位とは「一番早くボス戦を開始した人」のことです。たとえばガスコイン神父戦の場合1d6で5~6の出目を出すまでは先に進めないので、そこで詰まっている間に後続のプレイヤーに追いつかれることが考えられるわけですが、仮に追いつかれて複数人が同じ「ボス戦マス」にいる状態になったとしても、最初にボス戦に入った人が一位、それよりも後から入った人は二位、さらにそれよりも後から入った人は三位……という具合に、同じマスの中でも順位がつけられます。
 つまりガスコイン神父戦では、一番乗り以外でボス戦を初めて、一度もミスることなく5~6を出した人が全員「武器」を得られるということになります。つまり4人プレイの場合、3人には必ず武器ゲットのチャンスがあるということです。
 ……まぁそんな感じで、5~6を出してガスコイン神父を倒した人から順に次のステージ「聖堂街」のスタート地点へ進みます。ついでですから、「武器」についての解説はそこで行いましょう。
(新しいステージの紹介に移るたび、物語の紹介も挟まります)

第2ステージ、聖堂街
聖堂街、イベント一覧

 あなたは街で獣狩りをするうちに、ヤーナム市に革新的な血の医療を広めた団体として「医療教会」という物があることを知ります。ところで、街でボス級の獣と化していたガスコインという名の男も人間として暮らしている時は神父をしていました。神父と……それに教会……なんだか嫌な予感がしますね? あなたはさっそく医療教会の本拠地、聖堂街へ向かってみることにしました。
 すると案の定、教区長であるエミーリアの正体もおそろしい獣であることが判明しました。道中よく分からない力が働いている場所があったり、人攫いがいたりしますが、それはそうと早くエミーリアを倒しましょう!
 ……というのが聖堂街の背景ストーリーです。人攫いのマスに最初に止まってしまった人はヤハグルと呼ばれる隔離エリアでの遠回りを余儀なくされますが、その際に「トニトルス」という武器を得ます。盛り上がってきましたね。ちなみにトニトルスは雷を纏う鈍器ですが、脆いのですぐに壊れてしまいます。
 さて、このあたりでまずは武器の一覧を紹介しておきましょう。記憶力のいい人は「武器を得る場合、何を得るかはダイスロールで決める」という旨の文言を覚えているかもしれません。それを踏まえて次の一覧をご照覧あれ。

武器一覧その1
武器一覧その2
武器一覧その3

 スクショの仕様の関係で何やら意味不明な未知の品々も紛れ込んでいますが、重要なのは「汎用武器」と呼ばれる6種類の武器についてです。
 武器を得る場合、基本的にはこの6種類の中からランダムにどれかを獲得します。それぞれの武器の効果は書いてある通りですが、重要なのは、ちらっと基本ルールでも触れられていた通り「武器は基本的にボス戦でしか使用できない」という点です。道中のマス効果でダイスロールする際や、ボス撃破後の武器獲得時のダイスロールに対して武器の効果を使用することはできません。また、一度のダイスロールにつき使用できる武器は一つだけです。好きな物をその都度自由に一つ選んで使うことが出来ますが、二刀流云々は不可能ということですね。
 ちなみにトニトルスのように「〜回使える」と書いてある物は、規定回数を使用したあとに手元から失われます。一方でパイルハンマーのように「各戦闘〜回使える」と書いてある物は手元から失われることはありません。
 さて、ではこのあたりで、武器を使うとゲーム的にはどのような処理をすることになるのか?について、エミーリア戦でトニトルスを使用する場合を例に具体的なところを解説していきましょう。
 エミーリアの突破条件は「3以上を出した後、2以上を出すこと」です。言い換えれば1~2以外を出したあとに1以外を出せばいいわけですが、万が一2回目のダイスロールで1を出して失敗した場合は、次回以降の手番(ターン)では再び1~2以外を要求される1回目のダイスロールからやり直すことになります。
 一方で、トニトルスの効果は「出目を見たあとで+1する」です。察しのいい人は気づいているかもしれませんが、武器にはこのように大まかに「出目を見る前に使用するかどうかを決める物」と「出目を見てから使用するかどうかを決める物」の2種類が存在します。当然、後者の方がより便利です。
 まずは1~2を避けなければならないエミーリア戦において、トニトルスは2の出目に対して使用することでそれを3にして役立てることが出来ます。逆にそれ以外の出目が出た時には使用しないことで、三回という使用制限を節約することができます。
 ここで重要になるのが、基本ルールに書いてあった「武器の使用はダイスロール一度につき一回まで」という点。つまりエミーリア戦で1を出した際、そこにトニトルスを二回使用して3にするだとかそういう芸当は不可能になっています。
 一方で、1回目のダイスロールで2が出たためトニトルスを使用、2回目のダイスロールで今度は1が出たためトニトルスを再び使用……ということなら可能です。すると要するに、トニトルスを持っている者にとってのエミーリア戦とは「最初に1さえ出さなければ絶対に突破できる戦い」であるわけです。
 ちなみに汎用武器の3番である「獣狩りの斧」はその効果の都合上エミーリア戦ではまったく役に立ちません。獣狩りって書いてあるのに獣であるエミーリアを狩るための役に立たないとはいったいどういうことやねんって感じですが、ぶっちゃけゲームバランスの都合です。ご理解ください。
 ……さて、武器についての仕様もなんとなくは飲み込めてきたでしょうか? それでは今度はアイテムの概念を理解することも兼ねて、次のステージ「禁域の森」の紹介に移りましょう。

第3ステージ、禁域の森
禁域の森、イベント一覧

 医療教会でエミーリアを倒したあなたは、なんかこの医療教会とかいう団体やばくね? と根本的なところに疑念を抱き始めました。それにそもそもよく考えてみれば、どうしてこのヤーナムの街にだけ獣……人狼は存在するのでしょうか? この街にしかない医療、この街にしかいない獣…………なんだかきな臭いですね?
 そんなわけで医療教会について色々と調べていたあなたは、かつて医療教会の発足前に存在していた「ビルゲンワース」という学び舎の名を耳にします。どうもそのビルゲンワースの学生が血の医療を発明したことが医療教会の始まりだったようです。獣狩りの夜の根にある真相を知るために、あなたは今や深い森の奥で廃墟となっているらしいビルゲンワースの学舎へと向かいます。
 ……が、禁域の森と呼ばれるその森の中が、なんか思ったより大変なことになっている! カオス状態の森の中で、真実を追い求めるあなたの大自然(?)との戦いが今幕を開けます。
 ……というのが禁域の森の背景ストーリー。すごろくゲーム的には、この森の中では「ヨセフカの輸血液」「カレル文字」「三本目のへその緒」などのアイテムが登場します。
 それぞれのアイテムの効果は、今までもチラっとは見えていましたが、まとめると大体このような物です。

・ヨセフカの輸血液
……移動前に使用。次の出目を6にする
・カレル文字
……「悪夢」での移動を常に+1する
・三本目のへその緒
……ランダムな相手と場所を入れ替える。ゲーム中一つしか入手できず、ボスを飛び越えることもできない

 ここで言う「移動」とは要するに普通にすごろくを進むことを指します。ヨセフカの輸血液は言わば桃鉄でいうところの6出るカードです。
 カレル文字については一見意味不明ですが、これは今後「悪夢」と名のつくステージが登場するため、今のうちに持っておくとそこでの移動が常に+1されて有利だよ、という物になっています。
 三本目のへその緒は、この手のすごろくを盛り上げる必殺兵器です。要するに同じステージ内にいるランダムな相手と場所を入れ替えるという、ゲーム中一人一つまでしか使えない強力なアイテムになっています。「ランダム」のやり方はサイコロで適当に均等になるようにやってください。
 さて、これらアイテムについて注意すべき点があるとすれば、現状、手番を消費するアイテムは存在しないということくらいでしょうか。ヨセフカの輸血液は当たり前ですが、三本目のへその緒なんかも使用後に普通にサイコロを振って進んだりボスに挑んだりすることが出来ます。また当たり前ですが、使用するタイプのアイテムは使用すれば手元から失われます。逆に持っているだけで効果のあるアイテムはずっと手元に残ります。……総じてこれといって難しい処理はないと言えるでしょう。
 ところで、そんなアイテムの登場のどさくさに紛れて、この禁域の森ではもう一つ新しい要素が登場しています。それは「ダイス勝負」です。
 ダイス勝負とは要するに「大小二つのサイコロを振り、大の出目が小より大きければ「勝ち」とする。あいこの場合は振り直す」を意味するキーワードです。ここで言う大サイコロとはあなたの振るサイコロ、小サイコロとはそれに対応して振られる判定用のサイコロのことを指します。このダイス勝負の概念は今後も頻出します。
 禁域の森の中に登場するダイス勝負は3種類、「大砲」と「迷子」と「ボス ヤーナムの影」ですが、この前者二つと後者一つでは少し処理が違います。というのも、後者はボス戦であることにより武器の概念が絡んでくるからです。
 大砲の話は説明するまでもないので割愛します。迷子は「ダイス勝負をして負けたら、その時の自分の出目に対応して分岐まで戻る」という効果ですが、ここで言う「対応」とは要するに「1.3.5で負けたらAルートに分岐することを決定した分岐マスへ、2.4が出たらBルートに分岐することを決定した分岐マスへ戻る」ということを意味しています。6が負けることはないので6の対応はありません。
 一方、ヤーナムの影戦は武器を使用することができます。「あいこ以上が確定する6」の他に、「勝ちが確定する7以上」の出目が絡んでくるわけです。ヤーナムの影とは最大で3連戦しますが、これもエミーリアの時と同じくそれぞれのダイスロールに一つだけ武器効果を適用することができます。
 また、ヤーナムの影戦のみ「二位以下かつ一発突破」ではなく「二位以下かつ三連勝で突破」が武器獲得の条件になっています。これはつまり「初回挑戦で0勝。二回目の挑戦で3連勝」などの「一発突破ではないが、三連戦をした場合」にも武器がもらえるということです。……ということは、あなたが一番乗りでボス戦マスに入ったとしても、それ以降に入った人が先にボスを突破した後にあなたが三連勝した場合は、その時点でのあなたはすでに二位以下であるため武器が得られるということです。ややこしい話ですが、この禁域の森では全員に武器獲得のチャンスがあるという嬉しい話でもあるわけです。
 さぁそういうわけで、アイテムとダイス勝負の概念にまつわる解説も済んだところで、次のステージの紹介に移りましょう。

第4ステージ、ビルゲンワース
ビルゲンワース、イベント一覧

 なんとか禁域の森を抜けたあなたは、ついに目当てのビルゲンワースに到着しました。道中、宇宙人のような物を見たり、ヤーナムの影という謎の存在と戦ったりしましたが、あれはなんだったのでしょう……?
 と思っていた矢先、あなたはこのビルゲンワースで、人狼どころの騒ぎではない数々のグロテスクな怪物たちの姿を目の当たりにします。思っていたより遥かにとんでもない場所になっていたビルゲンワース……そこに眠る秘密とはいったい……?
 ……というのがここまでの背景ストーリー。そんなビルゲンワースではこれまでほどには新たな要素は登場しませんが、ボス戦だけは少し特殊になっています。しかしまぁそれも順を追って解説して行きましょう。
 まず重要なのが「脳喰らい」の存在。こいつのいるマスに止まると1~3で武器を入手順(つまり古い順)に失ってしまいますが、ここで重要なのは「武器」と「アイテム」は違うということです。脳喰らいが食べてしまうのは武器だけです。
 このあたりの処理によって、明らかに挙動がアイテムである松明が武器扱いになっていることにも意味が出てくるわけですね。……ちなみに脳喰らいとは原作において、人の頭に触手を突き刺して脳みそをちゅーちゅー吸ってくるやばめの怪物です。もう全然獣狩りどころの話じゃなくなってきましたね。
 蛍花は1~3がネガティブな効果、6がポジティブな効果になっていますが、じゃあ4~5が出たらどうなるの? というと、当然といえば当然ですが何も起こりません。ちなみにこの蛍花は、原作では言葉で言い表せないほどにグロテスクな生物として存在感を放ちまくっているので、興味がある人は「蛍花 ブラッドボーン」でググってみてください。
 ユリエから得られる「彼方への呼びかけ」とは武器のことです。効果は武器一覧に載っていますが、一言で言うなら、要するにそれは使い切りの必殺技です。
 さぁ、そんなこんなでたどり着くボス、白痴の蜘蛛ロマ。ここで初めてこのすごろくに「絶対に一発では突破できないボス」が現れます。
 これまでのボスでは突破に失敗した出目は虚空へと消えていましたが、ロマ戦は違います。数ターンかけて出目を蓄積して行き、それが15以上に達したところでようやく突破できるのです。……ということは、今までよりもさらに「出目の大きさ」が重要になってくるということ。武器を見る目も変わってきます。
 また、実はロマはこのすごろく初の「出目その物を参照する」というルール上の処理を持ったボスになっています。これはどういうことかというと、このすごろくには「サイコロの出目」と「それに武器の補正をかけた最終的な数値」があり、ロマは前者を参照する性質を持っているということです。この概念は今後も何度か現れます。
 出目その物を参照する性質とは、ロマで言えば「直前のプレイヤーが出した物と同じ出目は諸々の計算後0になる」の部分を指します。これは、たとえば直前のプレイヤーが6の出目を出したあと、トニトルスを使ってそれを7にしていたとしても、ロマがあなたに対して無効化してくる出目は6になるということです。また「諸々の計算後0になる」とは、どんな種類の武器をどのように使っても必ず0として扱うことを意味しています。たとえばトニトルスで0を1にすることは出来ないということです。
 さて、いよいよこのすごろくに関する特殊なルールの話も大半を説明し終えてきました。ここからはいよいよ終盤戦です。次のステージの紹介に移りましょう。

第5ステージ、隠し街ヤハグル
隠し街ヤハグル、イベント一覧

 ビルゲンワースで明らかになった真実、それはかつての学徒が地下墓地から宇宙人の遺体を持ち帰り、そこから採取した血液を用いた研究を始めたことが全てのきっかけになった……という斜め上の内容でした。医療も人狼もその宇宙的な研究の副産物であり、今も当時の研究や思想を引き継いだ学者たちがどこかで暗躍しているのだとか……。
 ……と、そこまで知り得て、地球上のものとは思えない力を操る巨大な蜘蛛ロマを倒したあなたは、その直後に気を失い、目が覚めると知らない街に来ていました。いつの間にか空は見たことのない赤黒い色に染まっており、何やらただ事ではない雰囲気です……。こんな奇妙なことは、それこそ宇宙的な力によって引き起こされているに違いありません。ということは、その力を用いている黒幕もいるはずです。
 さぁ、真実を知った者の務めとして、暗躍を続ける学者を倒しに行きましょう。そいつはこの街の最奥にいるはずです……!
 ……というのがここまでの背景ストーリー。いよいよすごろくでは表現しきれないところまで話が広がってきましたが、そんな中たどり着いた街の名前には、誘拐被害に遭った経験のある狩人さんなら身に覚えがあるかもしれません。今思えばあの人攫いも裏で真相に繋がっていたんですね。
 さて、そんな隠し街ヤハグルには独特なシステムがいくつか登場しますが、難しいことはありません。鐘女は要するに後続に対するお邪魔キャラであり、一番乗りに止まればノーリスクで罠を設置できますし、その罠に引っかかってしまった側も今度は自分が鐘女の主になることで、自身への二度目以降の被害を防ぎながら後続を邪魔することができます。
 アメンレーザーとは、アメンドーズという巨大な宇宙人が発射してくる光線のことです。見ての通り縦6マスが射程圏内となっており、その範囲に誰かが止まるたびにレーザーが発射され、着弾地点にいた人が被害を受けます。ぜひ他プレイヤーと団子状態でたどり着いてほしい場所ですね。
 一方、もっとポジティブなイベントもあります。三人衆はここでしか得られない武器をくれるいい人たちです。以前に紹介した武器一覧には載りきっていなかったので、ここで彼らからもらえる武器の効果を紹介しておきましょう。

三人衆の武器

 特筆すべきは「獣の爪」ですね。「戦闘時」の文言がなく「すべての出目」とある通り、これは戦闘時だけでなく移動時の出目にも全て+1します。自分が1位の時は使えませんが、破格の性能と言えるでしょう。
 さぁそんな武器を拾ったり拾わなかったりしながら突入するボス再誕者戦。ここでのルールなどはロマで語った通りなので特に改めて解説することはありません。お互い時々邪魔し合いながら20達成を目指そうという話です。
 ちなみに、三本目のへその緒に記載されていた「途中で降ろされたボス戦の記録は継続する」とは、ロマや再誕者のようなボスを想定した文言です。場所入れ替えでボス戦マスの外に出されてもそれまで積み重ねたボス戦に対する出目はリセットされないということで、これはヤーナムの影に対する勝利数についても同じことが言えます。
 ……さて、ところで覚えているでしょうか? 最初に言った通り、このすごろくは全6ステージを巡る物です。つまり次がいよいよ最終ステージになります。そうと分かれば、最後の最後までちょっとだけ独自の要素が登場する次のステージの紹介にさっそく移りましょう。

最終ステージ、メンシスの悪夢
メンシスの悪夢、イベント一覧

 ヤハグルの最奥にいた学者は、すでに死んでいました。しかし、それならなぜ異変は続いているのか? 再誕者は誰が誕生させたのか? どうにか全てを解決して平和を取り戻す方法はないのか……?
 悩むうちに、あなたは学者の遺体が特徴的な装飾品を身につけていることに気づきました。ビルゲンワースで読んだ資料によると、それはメンシス学派と呼ばれる者たち特有の装飾品だったはず。そしてメンシス学派とは宇宙的な力を使うことで、意識だけの世界……「夢の世界」を生み出す方法を研究している人たちだったはずです。
 一か八か、あなたは学者の遺体に……その頭部に触れてみました。その頭の中に、夢の世界が広がっていることを信じて……。
 ……というのが背景ストーリーであり、そして見ての通りたどり着きました、「メンシスの悪夢」です。すごろく的にはカレル文字の出番です。
 道中にルール解説上の特筆すべき要素はありませんが、ボスのミコラーシュ戦だけは別です。すごろくも最終地点にまで来たここで初めて、「ダイス勝負の勝利点」という概念が現れます。
 ダイス勝負の勝利点とは、要するにダイス勝負で勝った際の「出目の差」です。自分が4、敵が2なら、ダイス勝負の勝利点は2となります。そしてこの勝利点を積み重ねて10にすることで、全ての元凶であるミコラーシュを撃破することができるのです。
 ちなみにですが、このすごろくを遊ぶ際は「誰が1位になるか」と同時に「誰がビリになるか」も競うことをおすすめします。というのも基本ルールにある通り、このすごろくはビリ以外のプレイヤーが全員ゴールして初めて試合終了となるからです。なぜそんな仕様にしているのかといえば、ボス戦で詰まることが当たり前の本作において、「追いつく・追いつかれる」のデッドヒートはボス戦に挑む者たちがいる限り続いた方が良いに決まっているからです。ビリに罰ゲームを用意したりすると最後まで緊張感があって楽しいですよ。
 ……さぁそういうわけで、これにて全ての主な概要を解説し終えましたが、実はまだ語り残していることがあります。それはテストプレイを繰り返した際に筆者が思った「こういう時はどういう処理をするの?」という疑問とその答え……いわゆる裁定に関するリストです。最後にそれを載せておきます。

裁定リストその1
裁定リストその2

 もしかすると今後のプレイによって新たにルール上の疑問が生まれたりすることがあるかもしれません。その際は、筆者は回答を出しはしますが、いちいちどこかに追記したりはしないでおこうと思います(めんどくさいので)。最初に言った通り、このすごろくのルールは各々が好きなように解釈して、各々が最も面白いと感じる解釈で遊べばいいのです。
 また、不幸なことに、筆者にはデジタルでゲームを作ったり、綺麗に整った見栄えの作品を作ることができません。手元にある用紙をいい感じに画像データ化することもできません。……しかしその一方で幸いなことに、雑な手書きクオリティだからこそ、人力による複製は簡単です。しかもルールは本記事の画像を全て保存しておけばいつでも参照できます。やる気があれば、誰でもこのすごろくで遊べるはずなんです。
 ……あ、ちなみにぼくは一人で駒を4つ動かしながらテストプレイをして遊んでます。これがそのログです。

1円がミコラーシュの勝利点4の時点でゲームセットになった図

 ほら、こうして小銭を駒にすることだってできる。サイコロはアプリがいくらでもあるし、無いのは一緒にすごろくで遊んでくれる友達くらいのものです。
 ……あれ? ところで話は変わるけど、武器一覧にスクショの都合でちらっと見切れていた「銃槍」や「エーブリエタースの先触れ」は、結局どこにも登場してなくないですか? あれはいったいなんだったんでしょう……?

 というわけで次回、「自作すごろくの紹介(ブラッドボーン) 追加ステージ編」に続きます。まずはコピー用紙にすごろくを手書きするところからスタートです。友達を作るところからではありません。

↓追加ステージ編、公開しました↓


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