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ミナミの商店街の将来を考える

大阪・ミナミの戎橋筋商店街。十日戎参道として、道頓堀・心斎橋にもつながるミナミの繁華街として長く栄えた歴史を持ちます。1日10万人近くが通る、ミナミ、日本有数の商店街です。

戎橋筋商店街ホームページ:https://www.ebisubashi.or.jp/

ここのところはインバウンド(訪日外国人旅行)の影響によって、歩く人の様子もずいぶん様変わり。LCC(格安航空会社)が普及したのも後押しして、中国、韓国のお客さんが急増しました。

この、商店街の10年先はいかにあるべきか。そんな将来ビジョンを考えるお手伝いをしています。

大事にしたいお客様は

ここ最近のインバウンドの台頭によって、商店街の業種構成も変わりました。いわゆるドラッグストアの爆買いが席巻していますが、はたしてそれがどこまで続くのか・・・。来街者や店主へのアンケート調査をみても、たしかに海外の旅行客は増えているものの、日本人のお客様に支えられている店舗が多いのですが、あまりにも増えすぎる外国人のために、日本人が離れている状況も見えてきました。

これから、日本人の数は減少傾向に入ります。海外のお客様を無視することはできませんが、日本人に愛される商店街を基本に、海外の方にも楽しんでいただく姿勢を大切にしていきます。

現在、「体験博」という商店街の商品・サービス、そして店主の思いに触れられるイベントを実施しています。いわゆる「コト消費」ですが、ここでの体験を次の来街につなげる。お客様の声をフィードバックし、店舗の経営にいかす。そのような取り組みの大切さを再確認しました。

体験博ホームページ:https://www.ebisubashi.or.jp/taiken/

さらに快適な商店街に

戎橋筋商店街は、街内環境の整備に力を入れ、安全・快適な商店街づくりをめざしてきました。

路面が美しく保たれるような清掃活動や、警備員の巡回、防犯カメラの設置、それに安全に向けた注意を喚起する街内放送。アーケードやバナーのデザインも洗練され、まちづくり協定、建築協定によってファサードや陳列をルール化。

この上で、さらに快適に歩いて楽しめる商店街のあり方として、どのようなものか。特に今年は猛暑が厳しかったのもあって、気候変動にも対応し、涼しく快適に歩いていただくことも話題に。

単に商売をするだけではなく、心地よい体験・交流を提供する場として、商店街があるということを再確認しています。

家主との連携、次なる担い手

商店街内の店舗の所有形態も様々になっており、昔ながらの店のように、土地・建物を所有の上で店舗を展開するケースもあれば、土地・建物を所有する家主が店子に貸すケースもあり、さらに土地と建物の所有者が別々だったり、さらにサブリースしたり・・・。

また、日々の店舗を経営する人の立場と、不動産を所有する人の立場は異なります。前者は売り上げやお客様との関係ですが、後者はまちの価値、不動産価値といったことが関心事。特に家主の方に長期的な視野を持っていただき、まちに対して投資をしていただくことが大切ですが、こういった複雑な所有形態で、まちの方向などを共有することは容易ではありません。

近年では、ドラッグストアから、より日本の商品やサービスの良さを知っていただく店舗へと転換を図り、海外の旅行客にもたくさん訪れてもらっている例も見られます。家主とコミュニケーションを図り、まちの将来をビジョンとして共有していくことが大切なこととなっています。

さらに、経営者も、次の世代にいかに事業を継承していくのか。そういった人材をどう育んでいくのか。事務局の体制も持続できるようにするためにどうしたら良いのか。次なる担い手の育成が、商店街としてますます大事な取り組みになると思います。


まだ、他にもいろいろと書きたいことはありますが、ビジョンづくりはまだ継続中なので、機会を改めて、続きを書きたいと思います。

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