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汗っかきな君が好き


こんにちは。かんです。


今日は真夏みたいに暑い。。暑すぎる。。「5月ってこんなに暑かったっけぇ、先が思いやられるぅ、エアコン代怖いなぁ」とボヤいて「なんか去年も同じこと言ってたな」と思い出しました。


毎年7月8月9月は電気代が1万越えしてしまうので今年こそ気をつけようと気合が入ります。彼にも、「トイレ出たらちゃんと電気消してね」って伝えとかなきゃな。私もすぐ忘れちゃうから、ここにメモさせてもらいます。


さて、本題です。
夏は「電気代」「日焼け」「酒の飲み過ぎ」など、怖いことが沢山あるのであんまり好きではないのですが、中でも私が恐怖を感じていたのが


「止められない滝汗」です。


汗をかくことは基本的に「良いこと」だと分かっているのですが、私の「滝汗」というのはちょっと別次元。。本当に厄介で。。


夏のお祭りとかBBQとかフェスとかで、「あつーい」と言って手でパタパタあおいで、汗ばんでる女の子(可愛い、色っぽい、最強)いるじゃないですか。その横で、シャワー入った?もしくは雨に打たれた?と言うレベルで汗をかいて、真顔で佇んでいるのが、滝汗スイッチON後の私です。


もう脇汗とか前髪とか全然気にしないよね、だって頭から水被ってるんだから。髪から汗滴り落ちてるんだから。


念の為お伝えしておくと、体調が悪くなるとかは一切ないのです。「甲状腺の病気か?」「更年期か?」と心配になり病院で検査したこともあったけど、異常なく、ただただ汗の量が尋常じゃないだけなんです。(熱中症とか脱水とかもなったことない)


そういう体質なもので、汗には人一倍敏感で。夏祭りとかもう10年くらい行ってないし、フェスとか人生で1回も行ったことないし、ひんやりグッズには誰よりも精通しているし、メーカーも推奨していないひんやりグッズの裏技を編み出し実践、日傘はUVカット力より熱の遮断力を重視したりして、なんとか滝汗スイッチがONになるのを回避する日々を過ごしていました。


ちなみに、滝汗スイッチは一度入ってしまうと自分ではコントロールができず、落ち着くまで「汗を出しっぱなしの状態」になります。ドリンクバーでサイダーが飲みたかったのに間違って烏龍茶のボタン押しちゃった場合、一杯分出切るまで止まらないじゃないですか。あの感じです。(自分で調整できるところもあるのかな?)


だから必然的に、夏は汗拭きシートや冷えピタ、冷却スプレー、時には保冷剤など、ありとあらゆる優秀な武器(ひんやりグッズ)を隠し持ち、「このラインを越えたらスイッチが入ってしまう…!」という極限の緊張感の中、デートしたり外食したり仕事したりしなきゃいけないんですよね。


一緒にいる人が家族とか気心知れた人なら全然問題ないのですが、一番頭を悩ませたのが「いい感じっぽい男の人」からデート誘われた時。


今となっては笑い話なのですが、当時は本当に汗っかきが恥ずかしくて。デートのときは相手に気付かれないように滝汗スイッチのバロメーターを下げなきゃいけないから、終始上の空で会話に集中できないなんてことも多かったんです。


うっかり汗をかいてしまっても大抵の人は笑って流してくれるのですが、やっぱビッショビショになるの恥ずかしいんですよね。サラッサラな状態の相手に「大丈夫?」とか聞かれると、泣きたくなるし。そんな調子だったので、20代の夏とかは恋愛暗黒期でした。


さて、前置きが長くなりましたが。
今日は今お付き合いしている彼の話がメインなのです。


今の彼と初めてデートしたのは、去年の7月。梅雨が長引いていて、ジメ〜ッと湿度が高く暑い日でした。


もちろん少しでも気温が下がる夜を選んで、汗対策もバッチリして、初日は事なきを得ました。相手がどうこうよりも「私、汗かかずに過ごせた☆(達成感)」となっちゃってたので相当重症です。なんのためのデートなのか。


そして2回目のデートも夜ごはんだけだったので問題なく。


しかし、3回目で大問題に直面しました。
その日はランチを食べて美術館へ行く予定だったのですが、まさかの梅雨あけ猛暑日。駅から美術館までは徒歩5分くらい?あぁ。。やばい。。どんなにフル装備しても、スイッチが入ってしまうかも知れない。。どうしよう。


ちなみにその時点ではまだ付き合ってません。お互い「良い感じ〜」って状態で、このままいけば付き合うんだろうなぁという雰囲気。つまり、このまま良い印象を与え続けたい!という気持ちがMAXなので、間違っても汗なんかかいてる場合ではないのです。


なのに猛暑日て。。しかも湿度も高い猛暑日。。絶好の滝汗日和。。
でも5分ならいけるか?耐えられるか?装備は何が必要だ?


そんな不安な気持ちで迎えた当日。行きの5分の間に滝汗バロメーターはグングン上昇し、あぁ。。滝汗スイッチが入りそう。。ダメかも知れない。。と言うギリギリのラインを保ったまま、なんとか無事に美術館に到着。「きっと館内はガンガンに冷房が効いているはずだ。助かった。。早く中に。。」とすがる思いで入り口に行くと、


「すみません、只今入場制限をしているため、あと30分ほどお待ちください」


え…この炎天下の中…????????


彼「しょうがないから駅の方戻ってカフェで時間潰そうか?」
私「うん…(白目)」


結論から言うと、駅方面に引き返した1分後くらいに滝汗バロメーターが振り切れ、スイッチは完全にON。その瞬間にブワーッと汗が出てきて、「あ〜終わった〜」と。


可愛く巻いてきた髪も、メイクも、日焼け止めも、全部終わった〜。悲しみのあまり口数が少なくなる私。だってどう考えたって、最悪の展開すぎる。。


でも一向に、滝汗を指摘される気配がないな?まだ私の滝汗に気付いていないのか?恐る恐る隣をチラ見してみると、


え、私よりビッショビショの人おる!!


ピチッとセットした髪は乱れ、首筋には大量の汗、白Tからも汗が透けて見えるくらいビッショビショの彼が、隣にはいました。


もしかして、ここ直径1メートルだけ雨降った?


その後無事にカフェに辿り着き、なんとか一命を取り留めた我々。冷房がガンガンに効いた店内で、キンキンに冷えたアイスコーヒーを飲みながら、彼がニコニコしながら、こう言いました。


「ここ3年くらい毎日ジム行ってたらめっちゃ代謝良くなって、汗っかきになったんだよね〜(誇らしげ)😌」


「汗をかく」ということに対して私はこんなにコンプレックスを感じているのに、なんと誇らしげなんだろう。。そしてとても嬉しそう。。その後、「暑かったから」と追加でアイスまで買ってきてくれた。汗びっしょりでテンション下がりまくっている私に対しても、


「代謝が良くていっぱい汗かくから肌が綺麗なのかな〜」
「汗で髪濡れてる感じも、元気な子供みたいで可愛い!笑」


と畳み掛けるようなポジティブ攻撃。
攻撃を受けた私は一瞬感情が迷子になりオロオロとしてしまいましたが、5秒後には「もう絶対この人と付き合いたい」と決意したのでありました。


だって、何年も何年もコンプレックスに思っていたこの体質が、彼のたった一言で「長所」になってしまった。心配ばかりして、不安でどん底だった気持ちが、一気に安心感に変わった。


これまで私の滝汗を見てきた人たちも、多分彼と同じで全然気にしてなかったんだと思うんです。私の自意識過剰な部分もあったと思う。でも「それが良い!」って口に出して言ってもらえたことで、こんなにも気持ちが楽になるんだなぁと。多分、「それでいい」じゃなくて「それがいい」と言う文脈で伝えてくれたのも、大きかったな。言葉の力の偉大さを改めて実感した出来事でした。


そんな彼と付き合い始め、今は一緒に住んでいます。
彼は相変わらず仕事終わりに毎日ジムに通い、サウナに入り、汗を沢山かいて、スッキリした表情で帰ってきて、ビールを飲んで「クゥ〜ッ」としています。

そんなポジティブ全開の彼はとても素晴らしいと思うのですが、直して欲しいところがひとつだけ。



汗をたっぷりかいた後のトレーニングウェアは、水ですすぐだけじゃなくて、ちゃんと洗剤で洗ってくれ。マジで汗臭い。(撥水効果がなくなることを気にして洗剤を使いたがらない)


汗っかきな彼を好きになったおかげで、汗っかきな自分のことも好きになれたと言うお話でした。

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