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#10 『利他主義』社会へシフトする時…

今、世界の新型コロナウイルスによる感染者数は260万人、死者数は18万人を超えるという…。(2020年4月23日現在)

パンデミック、都市のロックダウン、そして、この日本でも全国で緊急事態宣言…。まるでパニック映画でも見ているかのような現実が、今や世界中を席巻している。

感染拡大を恐れ、入国規制など、各国はこぞって他国を排斥し、互いを遠ざけ合い、ちょっとした鎖国状態に…。

これは何も国家間に限ったことではない。
感染経路も分からず、無症状の感染者もいる…と言われる得体の知れない新型ウイルスに、移動どころか人に会う事すら自粛が求められ、人々はお互い疑心暗鬼に陥り、新型コロナウイルス感染による風評被害や差別といった状況も実際に出ているという…。(ーー;)

国も、人も、皆が感染拡大防止の名目で隣人を敵視し、自己中心的に、利己的になっている。

しかし、世界中の国々や人々が、これだけ他国や他人を排斥しながら感染防止に動いても、感染拡大の勢いはとどまるところを知らないようだ…。

経済活動も停滞し、株価は暴落、原油価格はマイナスだとか…。

国家も経済も、コロナショックで大打撃を受けた。
人々は我が身を守るためにどんどん利己的になり、暗鬱とした閉塞感が世界中に蔓延している…。

それでも、まだ先は見えない…。

しかし、その一方で、人の移動も減り、経済活動も自粛されることで、大気汚染が緩和され、人気がなくなった都市部には野性動物たちが闊歩しだしたという話も…。(゜_゜;)

そうなると、この地球の自然環境を破壊してまで続けなければならなかった経済活動って、一体、何だったのか…?

果たしてそれは、必要不可欠な、過不足のないものだったのか…?

ー答えは"NO"である。


世界中の富の8割以上を、たった1%の人が独占している世界に我々は住んでいる。

日本では年間、約2500万トン以上の食品廃棄物が出され、このうち、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」は610万トンを超える。

飢餓で苦しむ人々に向けた世界の食料援助量が年間、約390万トンで、日本の食品ロスは、この1.6倍に相当するという…。(ーー;)

一方では飢餓で食べるものさえなく、死んでいく人たちがいて、一方では、まだ食べられる食料を持て余して捨てている…。

人の飽くなき利己的な欲求が、こうした偏った世界をつくりあげてしまったワケである。

ーしかし、そんなことは、つい最近、急に言われはじめた事でもなくて、何十年も前から言われ続けている事である。(ひょっとすると、もっと前からなのかも知れないが…。(ーー;))

その間、貧困や紛争や差別や格差をなくす為に、あらゆる分野で多くの人たちが努力しているにも関わらず…である。

政治も、経済も、この地球という星のシステムは、根本的に狂っている…。(ーー)

ーそして、みんな、その事に気付いている。

それでも、不条理なこの世界に依って立つ以外に、我々には生きていく術がない…。

そして、いつの間にか、不条理な世界に慣らされ、それを「仕方がない」と受け入れて来ていた…。

ーしかし、もう、"待ったなし"の時ではないだろうか…?

政治も、経済も、仕事も、教育も、医療も、国家という枠組みさえも…。

『利己主義』的なシステムは、もう限界を迎えている。

この度のコロナショックは、その分水嶺を象徴する、この狂った世界の転換の時を示す出来事ではないだろうか…?

フランスの経済学者、ジャック・アタリは次のように述べている。

『利他主義』の社会…。

これは今までの社会とは真逆の社会である。

利己的な経済活動や、利己的な社会システム…それが我々が生きてきた世界である。

元来、利己的で、自己中心的な我々人類が『利他的』に生きる事は容易ではないだろう。

しかし、ジャック・アタリは、利他主義は"合理的利己主義"に他ならない…とも述べている。

利他的に生きる事は、ひいては、自分自身にとって利益になることなのである。

地球環境を破壊し、汚染し続ける利己的な経済活動は、結果として自分自身の首を絞めることになるように…。

ー今こそ、『利他主義』の社会へシフトする時ではないだろうか…?

この度の危機にどう向きあっていくのか…?

今までのように利己的に振る舞うのか?

それとも、『利他主義』にシフトしていくのか…?

我々1人1人に、コロナショックは問いかけている…。

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