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マカロン煩悩と中村達也

年末、ダロワイヨのマカロンを頂いた。しかも20個以上入った箱入り。
大変に立派な箱を開けると、コロンと可愛いマカロンが色とりどりに輝いている。まるで宝石箱のようなダロワイヨの箱。

ちょっと洋菓子がお好きな方なら、これがどんなに素晴らしい贈り物かお分かり頂けるでしょうか。
カラフルで丸く、小さく、愛おしい菓子。外側はサクッと歯触りが良いのに中は柔らかく、口にした瞬間、美味しい香りが鼻に抜けて幸福を感じさせてくれる。

ダロワイヨと言えば、マカロンの代名詞と呼ばれるほどの歴史ある名店。
ダロワイヨ家と言えば、太陽王・ルイ14世に気に入られ、ヴェルサイユ宮殿で代々食膳係を務めたという歴史ある美食の家。

そんなダロワイヨのマカロンが20個以上。1日1個食べても、3週間はもつ。

あ~、こりゃ良い正月を迎えられそうだわ。なんてのんきに考えていたら、マカロン、はかなく消えた。
どこに?

私の胃に。

年末~お正月にかけて限定配信していた『テレビドラマ版 私立探偵 濱マイク』
音楽とアートがこれでもか!と詰め込まれた贅沢なドラマ。これを見て興奮するうち、あらかた食べてしまった。
だって、30代の中村達也さんがカッコ良すぎるんだもの!脂が乗って、ほんとうに良い男。
この時代の中村達也さんを初めて見た私は大感動!目に力があり、ギラギラした雰囲気をまとわせた達也さん、ほんっとに素敵。
30代の中村達也さんをリアルタイムで見ていた世代の人達がうらやましい。あ~!私も2000年頃に戻りたい。
タイムマシンを私におくれよ、ドラえも~ん!

中村達也の格好良さを言い訳に、つい手が伸びてしまうマカロン。
我が家でのマカロンの人生、正味5日。ダロワイヨのマカロン、美味しい故に短命すぎ。
私、誘惑に負けすぎ。

私は食べ過ぎの星に生まれたのだろうか。

マカロンを5日で20個はさすがに自分でも食べ過ぎだと思う。マカロン過剰摂取。
そして、マカロンをオーバードーズしたツケはすぐにやってきた。


実はこの1年半くらい「ぬるいダイエット」に取り組んでおり、この間に10キロ減量できた。人生で初めて取り組んだぬるいダイエットも地味に効果が出てきたと喜んでいた矢先の、マカロンオーバードーズ。
結果、年末年始の3週間で3キロ増。
体重増加、矢のごとし。

もし私が競走馬だったなら、「馬体重3キロ増は誤差の範囲内ですね。成長分です」などと競馬解説者の井崎脩五郎さんに褒められたかもしれないが、あいにくこちらは人間。
3週間で3キロはさすがに横に成長しすぎである。成長期の子供だってそんなスピードじゃ育たないはず。この速さで増量するのは大型犬の子犬くらいのもんである。
エサをガブガブ食べ、グウグウ昼寝をし、スクスク育つ子犬。
スクスク育つのが犬ならば可愛くもあるが、人間の大人が横にスクスク育つのは可愛げのかけらもない。

正月早々、美味しいものを食べ過ぎた事を反省していたら、なぜか学生の頃の事を思い出してしまった。
授業中、教壇で先生が語る。

「健康な身体と健康な心は密接に結び付いているので、体重の増減は自分自身の内的問題が表面化したもの」

あれは中学か高校の家庭科だったか、はたまた保健体育だったか。

私は自分自身でも認識していない、心満たされない何かを、マカロンの過食で埋めようとしたのだろうか。
それを、マカロンくらいで埋まるものなら安いと思うか、体重増という重荷を負うて生きるのか。
マカロンではなく、妖しく光る30代の中村達也さんの輝きで埋めておけば、こんな煩悩にとらわれることも無かったはずなのに。

立派なお菓子を頂いてはしゃぎ、美味しいからと節度無く口にし、減らした体重があっという間に増えたと嘆く。
私の心は弱いから、すぐ誘惑に負けてしまう。あぁ、なんと煩悩にまみれた生き様よ。

でも、この弱い心で何とか生きていく。

だって、人間だもの (きんたろを


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