4月4日は国際地雷の日

 今日はなかなか知名度の低い記念日かと思いますが、正式名称は地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー(International Day for Mine Awareness and Assistance in Mine Action)です。

 日本にいるとどうしても馴染みの薄い問題ですが、国内の組織としてはJMAS(日本地雷処理を支援する会)(⇦いつも極力リンクを貼ってるんですがなぜかHPアクセスできませんでした。地雷の日だからアクセスが殺到してるのか?)やAAR Japan難民を助ける会が世界の地雷問題に取り組んでいます。

 地雷は誰が被害に遭うかわからないという無差別性や、紛争の終結後も残り続ける半永久性、殺傷よりも重傷を負わせることを狙う残虐性などから、非人道的な悪魔の兵器と呼ばれ、国際的に1997年に対人地雷禁止条約が成立しています。そもそも人道的な兵器なんて存在しないと思いますが、犠牲者の78%が民間人である事(Landmine Monitor2017)や、平和になったあとも残り続け、その国や地域が復興するための大きな足かせになっている点などは他の兵器には見られない負の特殊性があることは確かです。実際、昨年末に発表された地雷除去実績の表(Landmine Monitor2017)の上位にクロアチアやカンボジアといった今や紛争が過去のものというイメージの国が並んでいることは、この問題がいかに長期にわたってその国を苦しめるのかを表していると思います。

 1997年に禁止条約ができてから、LandmineMonitorの調査による地雷の被害者数は1999年の9,928人から2013年には半分以下の3,450人にまで減少していましたが、シリア内戦など各地の紛争の激化の影響で2014年以降急激に増加に転じ、2017年には以前の水準に近い8,605人にまで増えてしまいました。こうしたトレンドについては昨年の4月4日にAARのHPに掲載された記事に詳しいです(現在もほぼ同じような状況と思われます)。
2025年、地雷のない世界を目指して~4月4日は「国際地雷デー」~
http://www.aarjapan.gr.jp/activity/report/2017/0404_2280.html

詳しいデータは何度か引用させてもらいましたLandmineMonitor2017に掲載されていますので、1次資料として参照されると良いかと思います(英語です)。ただし、数値を見る際に、あくまで調査でわかっている範囲である、という点にはくれぐれも注意してください。地雷埋設を認めていない国や、調査に協力的ではない国もあり、そういう国ほど実態としては深刻な場合もありますので。逆に、統計が取れるような国(被害者がちゃんとした医療機関などに搬送されるような)で被害が拡大しているという見方もできるかもしれません。

 今日はちょっと耳慣れない話だったかと思いますが、次の注目は明後日、4/6は開発と平和のためのスポーツの国際デーです。スポーツの話題ですが、開発と平和のため、ピンと来るようなこないような話。の予定。

もしサポートいただけたらファンドレイザーとしてのスキルアップに活用させていただきます。