見出し画像

2018年2月6日の台湾地震。自分の寄付がその後どうなったか把握してますか?

 台湾地震は発災直後には大きく取り上げられたものの、翌月には東日本大震災から7年目、翌々月には熊本地震から2年目という記念日があり、すでに忘れさらているのではないかと危惧されます。
 タイトルの通り、「寄付して応援しました、はい終わり」ではなく、それによってどうなったのか、きちんと追ってほしいなと思うのです。寄付を課題に対する「手切れ金」ではなく、コミットするための「参加料」として捉えてほしいというのがファンドレイザーとしての思いです。
 という訳で、2ヶ月以上が経ち、ちょうど様々な面で節目を迎えていましたので、私が発災直後に寄付先として紹介したピースウィンズジャパン(A-PADとの合同支援チーム)とYahoo!募金ユナイテッドアースのその後を調べてみましたのでご報告です。

・PWJ✖️A-PAD合同支援レスキューチームは2月10日に撤収し、翌11日帰国

 迅速に出動し、活動し速やかに撤収。自分たちのやるべきタスクが明確だからこそのスピード感でしょうね。緊急支援、しかもレスキューなので、勝負はいわゆる72時間、そこに全精力を傾けた短期決戦という訳です。
詳細は以下、PWJのHPよりご確認ください。
【台湾地震 レスキュー活動の終了と今後について】
 http://peace-winds.org/news/pwj/12351

 さて、活動を支える資金集めはどうだったのかを見てみると、JAPAN GIVINGを通じたA-PADへの支援は14人から72,800円(平均5,200円)
CAMPFIREを通じたPWJへの支援は2,105人から9,502,333円(平均4,514円)
という結果でした。なんとなく5,000くらいが相場な感じがしますね。

 両者を比較分析するほどの情報がないので、コメントするのは難しいんですが、CAMPFIRE×PWJはガッチリ組んで両者が広報することによる相乗効果があったんだろうなぁという気がします。

・Yahoo!募金は1億4700万を台北駐日経済文化代表処へ

 まず、前回紹介した際には募金の活用先が決まっていませんでしたが、2月23日に以下の追記がされていました。

寄付金の使いみち
みなさまからのご寄付は台北駐日経済文化代表処を通じて、被災地や被災者のために活用させていただきます。(2018/2/23追記)

 その上で、募金の受付期間は2月28日までとされ、162,776人の支援者から合計で147,023,803円を集め、おそらくそれにYahoo!JAPANのマッチング上限500万を上乗せした額が台北駐日経済文化代表処に送られたものと思われます。
 

 今週月曜4月16日に台北駐日経済文化代表処が寄付の受付を終了し、感謝のコメントを掲載しています。それほど長くないので全文を転載したいと思います。

駐日代表処:台湾の花蓮地震被害に対する日本からのご支援に感謝
 今年2月6日23時50分(日本時間:2月7日午前0時50分)に台湾の東部、花蓮で発生した震災に際し、安倍晋三首相をはじめ日本政府関係者ならびに各界の皆様から温かい励ましや義援金が次々と寄せられ、日本政府から派遣された専門家チームも高性能の人命探査装置を持参し、現地で行方不明者の捜索にご協力いただきました。
 この度の日本各界からの励ましやご支援は、被災者のみならず、台湾の人々にとり大きな励みとなり、台日間の友情を深く実感するものとなりました。我が国の蔡英文総統も政府と国民を代表し、書簡で衷心より感謝の意を表しています。
 震災から2カ月余りが過ぎ、被災地は復興に向けた取り組みが進んでいる状況となりましたので、当駐日代表処も本日(4月16日)を以て、日本の皆様からの義援金のお預かりを終了させていただきます。
 これまでに当駐日代表処に寄せられた義援金総額は2億1,982万7,854円でした。皆様の心温まるご支援と友情に改めて深く感謝申し上げます。
【台北駐日経済文化代表処 2018年4月16日】

 台湾からは東日本大震災に際し、非常に厚い支援をいただいており、まさに困った時はお互い様を地でいく関係ができている感がありますね。
 それにしても台北駐日経済文化代表処に届いた支援の半分以上がYahoo!経由、ってことになりますね。すごいっすね。

・昨日まで寄付受付!ユナイテッドアース

 ユナイテッドアースはYahoo!募金を中心として支援資金の調達を続けていて、昨日4月20日まで募集した結果として9,642人から2,509,295円が集まったと書かれていますが、この数字はYahoo!募金の数字(11,757人、2,873,776円)より低いので情報の更新に時間がかかっているものと思われます。

 あまり情報が更新されていなくて詳細はわかりませんが、以下の4月19日のFacebookページでの発信が最新情報になると思います。

【台湾東部地震支援に関するご協力】
この度は台湾東部地震への支援に多くの皆様からご寄付が寄せられました。心より深く御礼を申し上げます。
https://donate.united-earth.jp/donate_projects/taiwan-toubu/
 ユナイテッド・アースでは、現地の生の情報を集めた上で、どの機関や団体に寄付させていただくのがよいか調査と協議を重ねたうえで支援先を決定しています。
 現在、被害が大きかった「花蓮市」を中心に複数団体への支援を協議しており、今回は皆様よりさらなる支援先情報を広く募集することとなりました!
 例えば、、、
・花蓮市で活動している団体や個人を知っている
・花蓮市の病院や学校などの施設に縁がある
・台湾で活動している日本の方を知っている
・日本で台湾支援をしている団体を知っている
 などなど
 皆様の中でネットワークがある方がおられましたら、ぜひ事務局までご連絡いただければ幸いです。
 *連絡先*
NPO法人ユナイテッド・アース事務局
info@united-earth.jp
 ぜひ一人でも多くの方のご協力をお願いいたします!

 どうやらこれから本格的に支援内容等を固めていかれるようですので、いわゆる発災直後の緊急支援というよりは少し落ち着いたフェーズにおける復旧支援の要素が強くなりそうですね。団体として以下の方針があるようです。

ユナイテッド・アースでは国内外にいる3万人以上の仲間より現地の生の情報を集めた上で、どの機関や団体に寄付させていただくのがよいか、調査と協議を重ねたうえで支援先を決定しています。
ユナイテッド・アース募金サイトより

 即出動してやるべき支援を行ってサッと撤収する団体もあれば、じっくり資金調達をしながら情報収集や仲間内でのコンセンサスを形成して支援を行う団体もあり、それらの団体を支える多様な寄付サイトがあるんですよね。それにしてもYahoo!募金の集金力には驚かされます。

 最後は私見ですが緊急支援団体はいざという時に備えて人と資金にある程度のストックが必要です。そのため、緊急時の指定寄付だけでは支援の質、団体の運営は維持するのは困難です。できれば発災時の支援をきっかけとして、信頼できる団体を見つけられた際にはマンスリーサポーターなど、平時から団体を支えるということも検討してもらえるとありがたいかなと思います。

もしサポートいただけたらファンドレイザーとしてのスキルアップに活用させていただきます。