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田舎のぼっちにリア麻デビューは難しい

あなたはいつ、どのようにリアル麻雀デビューしましたか?

※写真はイメージです。

友達に連れられて雀荘でセットをした方や、家で友達と手積み麻雀をした方など、「周りにリアル麻雀経験がある友達」がいた方はとても幸運だと思います。

ここでは「生活圏内にノーレートフリーの雀荘がない関西のド田舎に住む、麻雀をする友達が周りに一人もいない人間」がリアル麻雀デビューに至った経緯と、その際に感じた不安やハードルの高さなどをまとめていきます。

「普段ネット麻雀はやっているけど、リアル麻雀は怖くてできない…。
そんな気持ちを抱えてる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

これは一生で一度しか味わえない「リアル麻雀を始めたての頃の初々しい気持ち」を忘れないためと、今後も麻雀活動を続けていくにあたっていつか何かのヒントにするために書く備忘録であり、関係各所に不満や文句を言っているわけではないのであらかじめご了承ください。


1.リアル麻雀をしたいと思った理由

理由はいたってシンプルで、「麻雀プロに会えるイベントのほとんどは麻雀を打つイベント」だからです。

例えば歌手ならライブ、俳優なら舞台といった、いわゆる「推しの現場」に行って直接応援したい、というのが、麻雀プロ界隈にハマりだした当初に抱いていた気持ちでした。

しかし、調べれば調べるほど、麻雀プロにとっての「現場」のほとんどは雀荘でのイベントです。たま~にBARのゲストやお渡し会などがあるものの、圧★倒★的に雀荘のイベントです。麻雀プロなんだから当たり前ですね。

Mリーグを筆頭に競技麻雀の魅力が広く知られてきた今、急増した「見る雀」にとって「雀荘のイベントしか機会がない」というのは由々しき事態です。だってリアル麻雀を打てるようにならないと参加できないですから。

じゃあ「リアル麻雀デビュー」って、具体的になにをしたらいいのでしょうか?
わたしはまずここで大きな壁にぶち当たりました。


2.リアル麻雀デビューが難しい理由

今時どこの雀荘も初心者向けのイベントとかやってるじゃん」って思いますよね?

違うんです。それ以前に「雀荘に関する知識がまったくない」んです。

初心者向けイベントのお知らせってだいたいTwitterで告知されますよね。でも雀荘に関する知識がなさすぎてそもそも店舗のアカウントをフォローしていないから、本当に情報が無いんです。

わたしはどうしても参加したいオフ会(2023年4月開催)の予定ができたため、「リアル麻雀やったことないけどなんとかなれーっ!」の気持ちで同年3月頭に応募した後、雀荘に関しての情報収集を爆速で始めました。

イベントまでの1か月でなんとかリアル麻雀のやり方を叩き込むしかない
がんばれ自分!という気持ちでとにかく必死でした。

余談ですが、麻雀関連のイベントって全体的に告知遅くありませんか?
1か月切ってから告知されることが多く、遠征必須な田舎住みにはいささか厳しいものがあります。何か理由があるのかな?


3.SNSを使わなければ情報は集まらない

とりあえず「関西 雀荘 初心者向け」でGoogle検索をかけてみましたが、イマイチはっきり情報が出てきませんでした。
(※この時点でのわたしはノーレートの店とそうではないの店があるということすらわかっていません)

各雀荘の個別HPはあるところと無いところがあるし、あってもハッキリ情報が書かれていないことが多い…。

こりゃもうTwitterで情報を集めるのが手っ取り早いかな…ということで、作りたての麻雀用アカウントで麻雀をやってそうな人を手当たり次第にフォローし、疑問を投げかけて情報収集をしていきました。

め、め、めちゃくちゃありがてぇ情報~~~!

この情報がなければ、わたしは訳もわからずGoogle検索で一番最初に出てきたノーレートではない店舗に突撃していたと思います。

わたしがSNSに慣れていたからよかったものの、SNSを使いこなせない人にとっては事前の情報収集にかなり手こずりそうだなと思いました。


4.いざ、雀荘デビュー!

フォロワーおすすめの関西の雀荘から、直近の土日で初心者向けのイベントのツイートをしている雀荘を探し、「まーすた京橋店」さんでリアル麻雀デビューすることにしました。

ここからしばらくは体験レポのようなものが続きます。
興味がない方は小見出し「6.初めての麻雀用品購入」まで飛ばしてね。

マンツーマンの講座を開催(※2023年3月当時)されていたので、1秒でも早くリアル麻雀を覚えなければいけないわたしは藁にも縋る思いでDMし、申し込みました。

軽くDMで現状をお伝えし、わたしに合った内容を考えてくださいました。ありがたすぎる。

ということで2023年3月4日、田舎に住むわたしは片道2時間かけて京橋へとリアル麻雀デビューに向かうのでした。

田舎に住んでいると誰かと麻雀打つのも一苦労だなあと思いながら、レッスン開始時刻の1時間以上前に到着してそわそわと雀荘周りをウロウロしていました。

そして時間になり、緊張で痛むおなかをさすりながらエレベーターでまーすた京橋店へ入店…

当日はまーすた京橋店勤務の日本プロ麻雀協会・山本司pにレッスンしていただきました。

初めての雀卓!初めての麻雀牌!

今となっては雀荘にプロが勤務しているのはよくあることだと理解していますが、当時の何も知らないわたしは突然のプロとの対面に心臓が張り裂けそうなくらい緊張していました

それに加え、自動雀卓や麻雀牌に初めて触れたということも相まって、手牌を開ける際に牌をぶちまける第一ツモを忘れるツモる山を間違える、などといった、初心者がやりそうなミスはおおかたコンプリートしました。

5.ドキドキのフリーデビュー

朝の10時半から12時まで、90分間マンツーマンレッスンを受けたあと、山本司pから「このままフリーで打っていかれますか?」と言われ、「ええい!ままよ!」ということでそのままフリーデビューしました。
(※フリー=その場にいる人たちと打つこと)

同卓する方たちには山本pが「本日雀荘デビューされた方なのでやさしくしてあげてください」と伝えてくださり、安心してフリーデビューすることができました。

…が、結論から言うと、初めてのフリー打ちは怖すぎてずっと半泣きで打ってました

当時の心情

まず打牌がみなさん早すぎる。いや、今となっては当たり前の速度なんですが、生まれたての赤ちゃんみたいな当時のわたしには衝撃のスピードで、ポンどころかロンも言えず、内心大大大パニックでした。

ここで初めて、「放送対局ってゆっくり打つようにみなさん意識されてるんだな…」と気づきました。プロってすごいや…。

よくよく考えたらフリーで打ってる様子って映像で見ることはほとんどないんだから、当時のわたしの驚きはもっともだと思います。

初心者にはありがたいマーク

この気づきから、とにかくわたしは「今日一日は、アガることより周りのスピードに付いていくことに集中しよう」と決め、レッスンの時間を併せると8時間ほどまーすた京橋店で打ち続けました。

余談ですが、フリーでの離席時にスタッフの方が代理で打ってくれる「代走」というシステムを理解しておらず、この日はずっとトイレを我慢して打ち続けていました。
麻雀強くなるためには膀胱も強くないとだめなんだなあ・・・」とぼんやり考えていました。そんなわけあるかい。


6.初めての麻雀用品購入

無事雀荘デビューを果たしたわたしでしたが、力不足を痛感し、帰り道はしばらく意気消沈しておりました。

かなり落ち込んでいる様子。

以下、ネット麻雀とリアル麻雀で感じたギャップです。

  • 打牌が早すぎて「ポン」や「ロン」の発声が間に合わない。

  • 待ちがわからなくなる。知らずのうちにフリテンになってそうで「ロン」と言うのが怖い。

  • 何を切るかちょっと悩むと他の3人に迷惑かけてる気がしてすごく焦る。

  • 点棒のやり取りが難しい。

  • 嶺上牌を下ろしたり、ドラ表示牌をめくったりする細かい作業がある。(※雀卓の仕様による)

ネット麻雀歴はそこそこあったので雀卓の使い方やリアル麻雀特有のルールなどを覚えればだいたいは打てるようにはなると思っていた自分の甘さを反省しました。

リアル麻雀、マルチタスクすぎるよ…。


ということで気を取り直し、自宅でも練習できるよう麻雀牌とマットを買うことにしました。
フリーでたくさん打つのが上達の近道だとはわかっていましたが、通える範囲にノーレートフリーの雀荘が無いため、できるだけ自分ひとりで練習しようと考えた結果です。

フォロワーに聞きながら、雀卓でよく使用されているという28mmサイズの麻雀牌を買ってみました。

とにかく目標のオフ会で牌をぶちまけるようなことは絶対にしないよう、1人で夜な夜なカチャカチャと牌を触って指に馴染ませました
この練習に効果があったかどうかはわかりませんが、飼い猫は喜んで牌を撒き散らし、マットで爪研ぎをしていました。

その後もとにかくリアル麻雀に触れる機会を増やし、目標にしていた4月のイベントでできるだけ迷惑かけないように思いつく限りの練習をしました。

フォロワーと練習 初のセット麻雀
ボードゲーム仲間と練習 初の手積み麻雀 サイコロは飾り

そしてついに、4月のイベント当日を迎えるのです…。


7.ついにイベントデビュー!

ついにイベント当日の4月8日!始発で地元を出発し、新幹線でいそいそと東京にやってまいりました。

膝の上

新幹線ではこのようなスタイルでぶつぶつと点数を唱えていたので、側からみたら受験生に見えたのではないでしょうか。

会場のまーすた王子店

イベントの内容はゲストや参加者と4半荘打ってトータルポイントを競うシンプルなものでした。シンプルではありますが、初のイベント参加・初の大会形式なのでド緊張していました。
そもそも王子駅の独特な構造に迷子になりまくり、到着する前から体力ゲージが擦り切れていました。

わたしが参加したイベントはこちらでした。錚々たるメンツに震えが止まりませんでしたが、募集要項にあった「初心者歓迎」「点数計算できなくてOK」の文言に救われました。
初の麻雀イベント参加はこのルールスターズがおすすめだと事前にフォロワーから聞いていましたが、この文言があると初心者は本当に安心できます。


大会がスタートして、さっそく下記のことに気づきました。

  • 麻雀牌28mmで練習してきたけど、この雀荘の卓は26mmでなんか小さい!そして自動配牌じゃない!雀荘や卓によって牌のサイズや雀卓の仕様は違うんだ

  • サイコロを使うタイプの雀卓だったので、サイコロの使い方を勉強していなくて激焦り!

  • 卓によって点棒の色が違う!カラフルなやつもあれば、銀色のやつもあったりして、何点の棒かわからない!

今となってはすべて当たり前のことなのですが、初めて見た自動雀卓を親だと思って1か月を過ごしてきたわたしは大パニックでした。

そういえば自動卓でもサイコロ回してるの、μリーグとかで見たことあるわ…と、事前に勉強してこなかったことを悔やんでいました。

サイコロの見方については同卓した奏未ゆいなpが丁寧に教えてくださり、ここで初めて詳細を知りました。おしゃべりしながら打てたので緊張もほぐれ、点数申告や点棒のやりとりも同卓の方々がサポートしてくれたので本当にありがたかったです。

8.当初の目標、ついに達成

そもそも「リアル麻雀を打ちたい」と思った理由は、冒頭で説明した通り「応援している麻雀プロに会いたいから」でした。
その麻雀プロとは麻将連合・U-NEXT Pirates所属の小林剛pなのですが、初のイベント参加で勝手がわからないわたしは、遠くから存在を確認するだけで満足していました。

そして「いつかお話する機会があればいいな…」とぼんやり眺めるわたしの元に颯爽と現れたのが「みやP」こと宮崎和樹pでした。
剛さんのファンなの?呼んできてあげるよ!写真撮ってもらいな!
わっ!本物のみやPだ!となっている間にすぐに小林剛pを呼んできてくれたみやP。

この日のために用意した色紙にサインをいただきました

この底抜けに明るいみやPの心遣いに救われ、憧れの小林剛pとお話する夢が叶いました。みやPに救われた人間がまたここに1人生まれた…

小林剛pきっかけで1か月前にリアル麻雀を始めたこと、たくさん応援していることを直接お伝えできて感無量でした。勇気を出してリアル麻雀デビューして良かったと心から思えた瞬間でした。

せっかくの東京遠征なんだから欲張ろうということで、このイベントの次の日も同じ会場での別のオフ会に参加しました。

1日目のイベントのおかげで会場までの行き方や雀卓の使い方などは理解していたのですが、こちらのイベントで始めて小林剛pと同卓できることとなり、この一か月の間で最も緊張することとなりました
対局中はぽろぽろとおしゃべりしながらも、絶対にご迷惑をおかけしないように…!と集中して打ちました。

緊張の初同卓!

そして対局後に小林剛pに「始めて1か月とは思えないくらい、スピードには問題なかった」と言っていただき、雀荘デビュー初日に「アガることより周りのスピードに付いていくことに集中しよう」と決めて必死に打った自分が完全に報われた心地がしました。

勇気を出して行動した1か月前の自分、ナイス!

9.リアル麻雀を始めて3か月経った現在

そんなこんなで、「小林剛pに会いたい」という気持ちがきっかけでリアル麻雀を始めて3か月が経ちました。
麻雀プロに会うのが目的で始めたリアル麻雀でしたが、実際に手を動かして行う麻雀は本当に楽しく、今は強くなりたい!もっと勉強して大会で勝ってみたい!いろんな人と打ちたい!という気持ちで日々麻雀を楽しんでいます。

リアル麻雀をやってみると普段見ていた放送対局の見え方も変わって以前よりも真剣に画面を見るようになりました。
また、麻雀仲間が指数関数的に増えてセットの回数がかなり増加しました。
脱・ぼっちです。

フォロワーとセット麻雀したり
昔からの友だちに布教したり

そして情報収集に慣れたため、様々な大会や教室に行くようになりました。直近では小林剛pの点数計算教室やSS教室に行き、麻雀の基礎やコツなどを教えていただきました。

わたしのとんでもない打牌選択にもたくさんダメ出しをしていただき、「初心者の域を脱するにはまだまだ時間がかかりそう…」と思いつつも、実りのある麻雀ライフを送っています。

10.さいごに

先日、「イベント楽しかった〜!」というわたしのツイートに対して、このような引用RTをいただきました。

こういった「一歩を踏み出せない方」、本当にたくさんいると思います。わたしもその一人でした。

周りに麻雀仲間がいないと、リアル麻雀を始めるのは本当に大変です。
生活圏内にノーレートフリーの雀荘が無いと猶更です。

しかし、あのとき勇気を出して一歩踏み出せたおかげで、現在とても楽しくて貴重な経験がたくさんできています。
今回のnoteは備忘録のために書きましたが、こういった方の背中を押すお手伝いになればいいなとも思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

わたしの現在の目標は「脱・初心者」!
どこの雀荘で誰と打っても、点数申告がスラスラ言えてプラスマイナスゼロくらいの成績は残せるように日々精進します!

まだまだ目標達成には時間がかかりそうだな…。


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