許し、愛し、命を生きるということ - 熱海アート合宿レポ
絵は、自らの生き様を映す鏡であると同時に、その先もしくは奥底を覗かせてくれる、パワフルな世界だった。
この3連休、「アート合宿」という不思議イベントのため、熱海に行ってまいりました。
私の体験
感じたのは、フラクタル構造でした。ひとつ扉を開いて歩いていくと、また先に扉があり、それが良くも悪くも終わらない。「世界だなぁ」という言葉が湧いてきます。
「ゆるし」
疲れてるので、これについて書くのは厳しいです。厳しいですが、とても大切なので書きます。でも理性的に書けないので、ジャーナリングでご容赦ください。
p.s.
なんかすごいことやりました。
ここからは、3日間で描いた111枚の絵を時系列順にご紹介します。
Day1
1/7 18:12 - 私の魂(合作)
すとさんに「自分の魂を描いてください」と言われ、まず紫の部分を描きました。その後、他の4人に絵を回す流れがあって、こんな素敵な仕上がりに。自分ではしえない表現ばかりで、驚きつつ、ありがたい気持ちになりました。
1/7 22:45 - 流動1
物理を無視して、下から上に流れるなにか。
1/7 25:00頃 - 100枚ドローイング
必須参加ではないコンテンツとして、「100枚ドローイング」がありました。なぜかスポ根が出てしまって、初日で終わらせたので大変な道のりでした。
20枚目までは楽しく描けたのですが、そこからは5-10枚描くごとに「引き出しがもうない」と感じてつらかったです。でも、周囲を見渡したり、自分の中で滞留してるエネルギーをほぐしてあげると、またスラスラと描けるのです。
ある面から見た、人生の縮図のような体験でした。
Day2
1/8 14:09 - 流動2
正直これはあまり好きではない(色が汚いし、つまらなく感じる)のですが、絵に罪はないですし、他者からリアクションをもらって「いいじゃん」と思える時もあるので、置いておきます。
1/8 15:00頃 - 恣
今回もっとも制作時間が短い作品。2,3分だったので、記憶がほとんどありません。でも、一番みんなからのリアクションがよくて、自分でも「あれ、なんかめっちゃ良い感じだな…!?」と思っています。
なにか創意工夫して生まれたというより、ぽろっと出てきたものなので、どう受け止めたらよいか迷い考え続けています。
でも、努力・忍耐の世界観から「自分が幸せになることを許そう」の世界観にトランジションしていくためには、こういった棚からぼたもち的展開を素直に受け入れていく必要があると悟りつつあります。
1/8 16:00頃 - 菜
これも良いです。色とか形とかバランスとか余白とか、全体的に良いです。キャンバスを斜めにして使っているのは、意図していません。最初から「これを描こう」と決めていないため、後から向きが決まるためです。
1/8 17:00頃 - 炎
これも良いです。生で見ると絵の具の立体感があって、実際に燃えているかのやうなエネルギーを感じられます。
1/8 21:30頃 - 熱海
熱海の砂浜で、波がこちらに迫る様子をスローで撮影してみたら、こんな感じでした。先ほどの火もそうですが、インパクトのある体験から着想した絵は、おもしろくなりやすいです。
1/8 22:42頃 - 実世界
これも良いです。94色の絵の具を、肩の高さから垂らして制作しました。その偶発性ゆえに、自らが意図していない様々な意味が生まれ、それは自分のVisionにも通じていたので、思いがけないギフトとなりました。
1/8 23:58 - Keng-Bang
もうすぐ全作品を並べた写真が出てくるのですが、今回最大サイズの絵です。この時、大きい紙になにを描けばいいか迷う自分がいました。数十分悩んでから、「大きい」なんて主観でしかないので、そんなことで悩む必要がないと気づいて、サクッと描いてみました。
Day3
1/9 12:02 - 花瓶
今回もっとも思い出深い、自分の心と向き合ったからこそ、描けた作品です。わたしは2日目まで、自分の(得意な)着想リソースでパパッと処理してしまう側面がありました。そうするだけで一定おもしろい作品が描けてしまうが故に、それ以上を求めようとしない弱さがありました。
周りの仲間はすごく葛藤して、悩んで、体調を崩してるのにそれでもやる、みたいな人もいる(認識違いだったようです)のに、「私はなにを達観してヘラヘラやってるんだろう」と思いました。
でも、わたしの人生のフェーズとしては、「忍耐・努力」の世界観から脱して、「自分の幸せを許したい」面もあったので、安易に彼らに同調していくわけにもいきませんでした(彼らがそういう世界観なのかというと、必ずしもそうではありません。私の中のフィルターが、特定の振る舞いをそう認知させるのです)。
結果として、「なにかわからないけど、パパッと処理せず描き続けた先にある景色は必ずある。それは忍耐・努力リソースに依存しなくても、たどり着ける」という仮説(直感)に従って、描きました。
完成するまでに10段階ほど展開があり、その度に悩み、考え、感じ、答えを作り出しました。絵の具を塗ることは、不可逆的な動作なので、すごく心への負荷を感じました。
1/9 12:02 - パレット(右から2列目の最小のもの)
すとさんから最小サイズのキャンバスをパレット代わりに使うアイデアをいただいて、そうしてみました。完全に無作為な作品に仕上がるのが、おもしろいです。
おわりに
時々ハードでしたが、全体としてはとても楽しかったです。体感としてはあっという間で、でも同時にすごく長くて、5日くらいいたような感じがしています。
また、過去と未来と今が一筋に流れていない感じもあって、振り返ると「わたしはいつのどこの誰として存在していたんだろう?」と疑問が湧いてきます。
あの時の自分が2度と戻ってこない恐ろしさ・寂しさはあるものの、蘇ることを望んでいるわけでもなく、「あの時をただただ生きていたんだなぁ」と噛み締めています。
今回の作品の一部は、あたたかくなった時期に何かしら展示できればと思います。ご縁がありましたら、ぜひわたしの絵とお話されてみてください。
【追記】いい写真
いい写真です。
イヌ
これまで出会った犬の中で、もっとも落ち着きを感じました。尊敬。
大木
来宮神社の大木です。下の方が絡まり合ってるのが印象的でした。
トリ
モッコモコのトリです。
波をスローで撮影してみたら、神秘と出会いました。
業火
歩いていると、業火がありました
ネコ
旅館内外で暮らすネコです。パーソナルスペースの1mを死守され、触れることはできませんでした。
ごはん
今より体重が5kg重かった、高校水泳部時代くらい食べていましたが、余裕で消費できました。1日中絵を描くと、相当体力を使います。
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