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Steelcaseの最新高級チェア「Karman」を半年間使ってみて、オフィスデザイン会社が正直レビュー!

昨年7月のショールーム訪問をきっかけに、木下商会オフィスにSteelcaseの最新オフィスチェア「Karman」を4脚導入しました。

今回は製品の詳細と、実際に半年間ワークチェアとして使用してみたメンバーのレビュー(正直かなり「良かった!!!」)とともにご紹介します。


Steelcase「Karman」について

Steelcaseとは

1912年、オフィス家具メーカーとしてアメリカ合衆国ミシガン州で設立されたSteelcase社は2年後の1914年にスチール製の不燃性ゴミ箱で特許を取得、以降、鉄製家具のパイオニアとしてオフィス家具業界を牽引してきました。
常に「未来」に目を向けた革新的な製品づくりを通して、人間の能力を最大限に発揮できる最上の環境を創出することを目指しています。

Karmanとは

出典:Steelcase

Karmanは宇宙と大気圏の境界線「カーマンライン」をコンセプトのキーワードに開発され、2023年6月に販売が開始された次世代エルゴノミクスチェア(※人間工学に基づいてつくられたワークチェア)です。
コンセプトには「宇宙空間のように重力を感じさせない座り心地」と「人が宇宙に感じる飽くなき探究心」といった意味合いが込められています。
人間工学に基づいた快適な座り心地と無駄のない近代的なデザイン、また同社初のメッシュ素材が採用されている点も大きな特徴です。

開発には実に6年の歳月を要したそう。まさにSteelcase社の集大成とも言えるKarmandせうが、その価格は1脚18万円を超え、ワークチェア・オフィスチェアの中でもかなり高額です。購入に勇気がいるほどの「高級品」ですが、実際どれほどの製品なのでしょうか……!

まずはKarmanを知るべく、その特徴を「デザイン」「生地」「座り心地」の3つの観点でまとめてみました。

デザイン:空間によく馴染むスタイリッシュさ

Karmanはその座り心地はもちろん、緩やかな曲線と最小限のパーツで構成された近代的なデザインが大きな特徴です。ワークチェア・オフィスチェア特有の野暮ったさがなく、シンプルでスタイリッシュな見た目は居住空間との相性も抜群。
ご自宅用に圧迫感のないワークチェア・ゲーミングチェアをお探しの方にもおすすめです。

左からRed Blue Shift(KR12)・Black(KR08)・Bright Peacock(KR10)・Black(KR17)

Steelcase日本公式オンラインショップでは、こちらの4色が購入可能です。

また、法人の場合は代理店を通して購入となり、さまざまなカスタムができます。生地・フレームともに10種類以上のカラー展開で、空間に合わせたさまざまなコーディネートが可能です。

木下商会ではブロンズとグレーを2脚ずつ購入しました!
角度によって色合いが変化して見えるRed Blue Shiftを推す声もありましたが、今となってはオフィスに馴染む落ち着いた色を選んで正解だったかも、という結論に。

左・背/座:Bronze フレーム:Merle リアフレーム/アーム:Burnished Bronze右・背/座:Platinum フレーム:Platinum Solid リアフレーム/アーム:Platinum Solid

ちなみに、Red Blue Shiftはこちらです。

出典:Steelcase

生地:独自開発のIntermix

KarmanはSteelcase初のメッシュチェアです。
メッシュチェアといえば、その通気性扱いやすさが好まれる一方、座面が沈むことや背中や大腿部に硬さを感じやすいといったデメリットがあることも事実です。
そこでKarmanではIntermix(インターミックス)という独自開発の生地と軽量で柔らかいフレームを一体化させることで、座った際の体重を座面と背もたれに均等に分散。メッシュチェアの弱点であった背中や大腿部への圧迫を解消しつつ、通気性や扱いやすさといったメッシュチェアならではの機能にも長けています。

座面アップ

実際に触ってみるとわかるのですが、生地は非常に薄く滑らか。メッシュ特有のしなやかさと程よい張りもあります。
一方で糸の密度が高く、一般的なメッシュチェアに見られる「透け感」はほとんどありません。その点、メッシュチェアの透け感のある軽やかな見た目が好きな方にはおすすめできないかもしれません……。

座り心地:ライブバックシステム・体重検知

Karmanの最大の特徴はなんと言っても「人間工学に基づいた快適な座り心地」。体重を分散させながら背骨の自然な動きに背もたれが追従するライブバックシステムに加え、チェアの反力を体重に合わせて自動的に調整することで姿勢変化に滑らかに対応する自動体重感知機能も搭載。作業中の度重なる姿勢変化に柔軟にフィットしてくれます。

一般的なワークチェアよりも、背もたれの下部が内側に大きく張り出しています。これによって腰と背もたれの間の隙間がなくなり、腰部分に抜群のホールド感をもたらしてくれます。 腰痛持ちのメンバーも、このホールド感はかなり気に入っているみたいです! 

アーム部分には、上下左右に調節可能な4Dアームを採用。デスクワークのみならず、ゲームプレイなどといった多様なスタイルに対応します。
アーム裏のボタン一つで調整できるシンプルな操作方法もありがたい。

背もたれのリクライニングと反力は4段階に調節可能。シンプルで洗練されたデザインは素敵ですが、メンバーの中には、「4段階」という段階的な調節しかできないのが惜しいといった意見もありました。

エルゴノミクスチェア4製品比較

デザインや機能はもちろん、保証年数や重量も製品を選ぶ上で重要な要素です。 今回は、代表的なエルゴノミクスチェア4製品を「サイズ」「重量」「価格」「保証年数」の4つの観点から比較しました!
Karmanに加えて、SteelcaseのSeries1、HermanMillerのセイルチェアは木下商会のオフィスにも置いてあります!

比較してみてもKarmanの「13kg」はやはり圧倒的な軽さ!
また、SteelcaseやHermanMillerなどの海外メーカーは保証年数が長いことでも知られています。 高額な製品なので、長期保証が付いていると安心ですね。

ErgohumanはJAIFA(日本オフィス家具協会)に加盟しているメーカーです。JOIFAで定めている「JOIFA標準試用期間」によると「オフィスチェア」は、一日8時間程度使用した場合「8年間」は安全に使用できると示されています。つまり、Ergohumanのチェアは保証期間こそ短いものの、毎日8時間使い続けても、「最低8年間」は壊れないよう設計されているということになります。

半年使ってみて、メンバーによる正直レビュー

快適です! 体になじんで、仕事中に椅子の座り心地や座り疲れに気を取られることがなくてよいです。そんなにいろんな椅子に座ってきたわけではないですが、しなやかさ、軽さは抜群なのではないかと思います。ただ、これだけ値が張ると革新的ななにかを期待する人もいそうですが、そういったものがあるかと言われるとないかもな〜。

ショールームで試した時は軽さに感激したけど、いざ仕事しながら座ってみたら、座面がもう少しクッション性がある方が個人的には好みでした。私の姿勢が後傾なんだと思う……。デザインは、スリムで主張が強すぎないので半年使用した今でも変わらず気に入っています。

軽さが特徴のチェアですが、身体のわずかな動きに反応して作業中にチェアが緩やかに移動してしまうことがあります。集中して書類を読みたいときなどはかえって軽さが仇になるかも。

腰に当たる部分のカーブが強く、腰が包まれている感覚を実感できます。カーブが腰に当たりすぎて最初こそ違和感があったものの、数分座ってしまえば慣れて楽になりました。
腰がかなり押し出される形になるため、整った姿勢が自然にキープできる(気がする)。

あぐらがかけない!(座面のフレームが太ももに当たる)

アーロンチェア(出典:Herman Miller

アーロンチェアだとちょっと野暮ったいんだよな、という方には嬉しいスタイリッシュなデザインだと思います。

やはり座り心地がしなやかでグッド。シックな色合いがオフィスに馴染んでますね。
 先月、ホームセンターで1万円ほどのオフィスチェアを試座したところ、アーム部分の荒さやホールド感の物足りなさを感じました。普段Karmanに座っていたからこその感想だと思います。

身長が高いせいか、背もたれに寄りかかったときにリクライニングしすぎてしまうように感じました。個人的にはセイルチェアくらいの硬さのほうが好みです!

まとめると

〈いいところ〉

  • スタイリッシュでスリムなデザイン

  • 抜群のホールド感

  • しなやかで柔らかい座り心地

  • 軽い

  • 疲れにくい

〈いまいちなところ〉

  • 座面のクッション性が足りない

  • 値段のわりに革新的な機能が見当たらない

  • 背もたれが後ろに倒れすぎるのが嫌

  • あぐらかけない!!!

  • 軽さが特徴でありながら、軽さが逆効果になる場合もある

  • リクライニングが段階調節(自由に調節できない)

全体として好みの問題ではありますが、デザイン面での高評価が多くみられる他、「ホールド感」と「疲れにくさ」といった観点からもポジティブな意見が集まりました。
一方、「座面のクッション性に物足りなさを感じる」といった声や、「軽すぎる」といった意見もありました。また、価格が高いぶん高まった期待値に応えるほどではないとの意見もあります。購入の決め手としてはやはり価格が大きな判断基準になりそうです。
あぐら派のメンバーからすると「あぐらをかけるか」というのは案外重要な評価ポイントになっているみたいです。(あぐらで作業する人、意外と多いらしい……!) 「あぐら」の観点では、同じSteelcase社から発売されているSeries1の方がおすすめらしいですよ!

Steelcase「Karman」はこんな方におすすめ!

  • 高機能なワークチェアが欲しい方

  • 身体のホールド感が強いチェアが好きな方

  • 自宅に馴染むスタイリッシュなワークチェアを探している方

  • とにかく軽くて扱いやすいチェアを求めている方

  • 腰痛持ちの方

  • ワークチェアに目新しさを求める方

一方で、比較的低予算でワークチェアを探している方や、座面のクッション性を重視する方にはあまりおすすめできません。(あぐらで作業する方にはSeries1やセイルチェアのほうがおすすめ!)

座り心地が気になる方はぜひ木下商会のオフィスに遊びに来てください!

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