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2020年コロナ禍前半(4-7月)を振り返る。

気づくと3ヶ月以上もnoteをご無沙汰していた。その理由はまた改めて記すとして、今年もあと2ヶ月ちょっと、これまでの振り返りとこれからの妄想をするのにちょうど良い時期である。移動が伴わないためか、何かをやった実感が薄いまま過ぎ去っていったこのコロナ禍での時間を、4-7月と8-10月に分けて振り返ってみることとする。本日は前編、4-7月のこと。

指導教授に日記をつけることを薦められていたが、そんなことが習慣づくはずもなく、とりあえずスケジュール帳とiPhoneのアルバムを見ながら振り返る。例年通りイベントいっぱいの楽しい2月が過ぎた後、3月は予定の中止が相次いで外出が激減。それでもまだ打ち合わせや会食、近場の1泊旅に出ていた。しかし4月になると、ほぼ家から出なくなった。そして、去年1回だけ打ち合わせで使ったZoomでオンラインmtgをする動きが散見しだす。4/3に「はじめてのZoom」というセミナーに参加。そこから、Zoom画面が外界をつなぐ「窓」となる日々が始まった。新しいモノにすぐテンションが上がるタチ、、、調子に乗って、4/6にはオンラインmtgをして企画を立ち上げた。そして、4/11(プレ)から5/23まで毎週土曜夜、ダーニングなど手しごとをしながらオンラインでつながる「リペアカフェ」を運営することに。

この時期に唯一と言っていい、家族以外とたわいもない話をする定期的な場に誰よりも癒されていた。そういえば、この頃、ブックカバーチャレンジなど色んなチャレンジがSNS上で大流行。つながる・つなげるがテーマとなっていた時期だったのか。

2月のベルリン映画祭前後に次の配給作品のことを考えていたが、2月下旬から劇場の来場者が目に見えて減っている話を聞き、3月になると自主的に休館をするところが出て、更に4月に緊急事態宣言が発令されると、こちらも思考が停止した。配給の売り上げのシミュレーションをどう立てていいのかわからなくなった。そんな中、Save the Cinemaやミニシアター・エイドが立ち上がる。配給者が置いてきぼりになったような、居ても立っても居られなかった気持ちをnoteに綴った。

そして、業界の先輩に声をかけ、小さな独立系配給会社で連帯して「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げるに至った。殆ど面識がなかった業界の先輩たちと一緒にプロジェクトを組むことができたことは、このコロナ禍前半のハイライトと言えるだろう。

この不安しかなかった日々を支えていたのは、
①4/7から完全オンラインで始まった大学院の授業(週4コマ)
②庭しごと(+夏みかんママレードづくり=30瓶くらい)

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③リペアカフェ他オンラインイベント
④絶対に美味しいテイクアウト(週1回)

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だった。
今、振り返ると、結構忙しくしていた。移動がないと、こんなに時間を自由に使えるのか!という悦びに満ちていたと言おうか、ほぼずっと家にいながらも、充実した時間を過ごしていたように思う。

③のオンライン・イベントのひとつが、kinologue配給作品での「コミュニティトーク」(ほぼ月1回開催)。

馴染みのはじまり商店街・だいちゃんとのイベントだったので、いつもユルいながらも(1回目は参加URLが送られておらず、参加者1名の珍事!)、オンラインでのダイアローグの可能性を探れたこと、配給してきた作品を改めて見つめ直す機会となったことは有り難かった。

また、6/1から営業を再開した劇場とHelp!がコラボしたオンライントークイベント。1日に訪れた横浜のシネマ・ジャック&ベティで梶原支配人に相談し、10日には1回目のイベントを実施した。こんな考えられないスピード感は、ある意味、コロナ禍故だったかもしれない。勢いしかなかったその時の気持ちもnoteに綴った。このHelp!のロゴが映える赤い壁が、MCのスタジオだった。


オンライントークイベントは、7月までに4回行なった。

お昼くらいに軽く劇場の様子などを伺いつつ事前mtg。トーク自体は30-45分とそう長いものではない。しかし「今日は完璧だった!」という日は一度もなかった、、、その後、録画を見つつレポートにまとめる。これは宣伝マンの性だから仕方ない。毎回反省しながら夕方までこの作業をすると、ほぼ土曜日が終わっているという週末が続く。ジャック&ベディさんと先輩方のおかげで、なんとも贅沢な時間だった。

来年2月公開の映画を業務委託することになり、7月初めに久しぶりに都内で内覧試写。試写の後に「こういうことが出来るかな」「こんな人たちに観てもらいな」と考えることは、映画の配給や宣伝をするときに、最初に訪れる至福の時。この時のお客さんに一番近い状態で観た気持ちを忘れないようにすることも大事なことだ。そして、この時から劇場公開するまで、頭の片隅でずっと映画のことを考えるようになる。そうやって「映画を育てていく」のが配給の仕事だと思っている。半分しか座席を空けられない劇場、オンラインかハイブリッドか悩ましいマスコミ試写やイベント、予想できないターゲット観客層の劇場での鑑賞意欲など不確定要素が多いが、来年2月の状況を想像しながら進めていくしかない。自社の配給作品をどうするかも考えつつ、都内に通って配給・宣伝の仕事にゆるりと戻っていく、、、はずだった(後編につづく)。




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