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今週のkinologue【10/3-9】

先週はあんなに暑かったのに、急に冬のような寒さに体が固まった今週。先週のギックリを引きずっていたのもあって、久々サウナへ。3セットと温泉入浴を繰り返していたら、だいぶ軽くなった。サウナ、偉大!
業界の人々が「釜山に行ってきます〜」というのを尻目に、こちらは新学期が始まった。3年どころじゃない久しぶりに週3登校。いい加減、授業をとるような年次ではないのだけれど、今期は敢えてゼミの他に二つ履修して仕事だけでなく自分を追い込むことに。これもここ2年ナマっていた心身への鍛錬。対面で先生に会うとやはり良いことはあって、思いがけない話が聞けた。幸先良い♪ ここから3月までの怒涛の日々を考えるとクラっとするが、一歩ずつ着実に進んでいくしかない。

次回配給作品の構想を練る今はインプットも大切。今週は「柚木沙弥郎の100年」@女子美ミュージアムと「フィン・ユールとデンマークの椅子」@都美へ。会期最終日となる10/17に100歳となる沙弥郎さん。以前PLAY! MUSEUMで見たようなアーティストとしての作品展示に加えて、47年教えた女子美での教育者としての沙弥郎先生の一面が、学生と交換日記のような交わしていた制作ノートなどから垣間見れてとても面白かった。図録はまだできていなかったが「『柚木沙弥郎』と『女子美工芸の教育』」に関する調査研究報告書をいただくことができて、そこで沙弥郎さんが脇坂さんよりも先に60年代にマリメッコを訪れていたことも発見。女子美で学生と一緒に様々な試みをできたことがアーティストとしての沙弥郎さんに大きな影響を与えたことがよくわかり、こういう生き方もあるのか、と興味深かった。染色家になろうとしたきっかけは、大原美術館で働いていた頃に目にした芹沢銈介のカレンダーだったとか。そこからの流れもあり、近所のギャラリーで開催中の芹沢銈介の水彩画展示も初日に訪問。沙弥郎さんのおかげでギャラリーのマダムと話が弾む。

沙弥郎先生の机まわり再現。色や形がいいなぁと思うものに囲まれていることを大切に。
オススメ通りに先に見れば良かった自宅インタビュー映像もよかった。

土砂降りの中、閉幕ギリギリの「フィン・ユール〜」展に滑り込む。フィン・ユールだけでなく、デンマーク・デザインの展示でもあったが、フィンランドと比べると本当に洗練されて、美しい。フィンランド人が都会としてイメージするのがコペンハーゲンなのも、きっとそういう意味だろうなと納得する。もちろん、私はフィンランドの素朴さを愛しているのだれど。笑。ちょうど10年前になるが、アアルトの夏小屋をユヴァスキュラに見に行ったとき、同じ見学時間に日本人が2人いた。こういう時に話しかけないのが日本人らしさなのだけど、既にフィンランド滞在が2ヶ月近くなっていた時で、日本語で話したくなり、こちらから2人に声をかけた。ぎょっとされたが、1人は建築家、もう1人は電通のコピーライター(うる覚え)だった。後者の方がフィン・ユールが好きでデンマークを巡ってきたと言っていた。その時に初めてフィン・ユールを知った。その時には何も言えなかったが、今だったら少しは語れるのになぁ(2人には旅の後に渋谷で再会するという奇跡があったが、それっきり)。フィン・ユールは椅子やテーブルといった家具だけでなく、建築や空間展示も手がけていた。さりげなく自宅にアアルト・ベースがおかれていたのもチェック。フィン・ユールは60年代に酷評される憂き目にあってから、表舞台に出なくなったよう。日本には有名なコレクターがいたために1989年に亡くなってから追悼展が開かれたり、北欧デザインの一つとして紹介され続けている。アーティストの人生は本当に色々だなと想いが巡るが、こんなソファがうちにあったらいいなぁという妄想も止まらない。

ポエトソファ。名前からも惹かれる理由あり。復刻品なら買えない値段でもない。
本人もご満悦ではないですか。


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