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今週のkinologue【6/17-23】

先日、新宿西口の小田急百貨店がなくなって東口駅ビルが丸見えになっていてびっくりしたが、こちらもびっくり。渋谷東急百貨店本店が跡形もなく、Bunkamuraの壁面が丸見え。それもそのうち壊すのでしょうけど。奥渋の入口のこの辺り、Bunkamuraだけでなく、アップリンクもシネ・アミューズもあった。仕事でもプライベートでも、想い出の多い東京の光景がまたひとつ消えていく。

ラウンジトークの会場になった場。会場の外で見ている人たちを見るのも面白かった

大雨のなか、現代美術館へ。雨の日に美術館はよいチョイスなのだけど、現美は駅から遠すぎるので、靴がびしょ濡れになったまま過ごすのは正直気持ち良くない。目的の展示は『翻訳できないわたしの言葉』。「言葉」と「翻訳」について考えさせられる展示だった。言語のメディア的性質に関しては、最近本で読んだなぁと思いつつ(タイトルが出てこない)、展示にも納得するところが多い。コロナ禍で海外にしばらく行けないことのフラストレーションは、実は母国を出て、母語を話さない時間がなかったことにもあったように思っている。フィンランド人の友人たちと英語で話すとき、お互いに母語でない言語で話すと距離が平等な感じがして(もちろん相手の方が英語はうまいのだけど)、落ち着く。そして、不思議と頭が整理されて、自分の考えが露わになる感覚がする。会話をしている相手との信頼感があってのことだと思うけれど、私の中での「翻訳」はそんな効果がある。
今回はWSD育成プログラムの講師だった新井英夫さんたちのラウンジトーク「夏至の午後3時に会いましょう」に合わせて見に来た。去年の夏、友人が企画した新井さんの公演を見たとき、ALSを発症されてから少しずつ体が動かなくなっていらっしゃるものの、言葉も表現も伝わってくるもの全てが10数年前に会った新井さんのままだったことに驚いた。それは今回も同じだった。一緒に行ったWSD仲間の友人も同じことを言っていた。そしてむしろ表現者としてのステージが上がったように感じた。また、このイベントでの思わぬ副産物が、目の前で手話通訳さんの「言葉」を見たこと。こんなに間近で手話を見たのは初めてだった。上手い通訳さんの素晴らしさは仕事でも感じることだが、手話にもあるのだなと感動の目でつい凝視してしまった。

時間がなくて参加できなかった新井さんの「影ダンスをいっしょに」

家にいるときに昼ごはんとちょうど被って、つい見ちゃうのが『古畑任三郎』30周年記念再放送。見られなかったらTVerまで追いかけるハマりよう。オチを覚えている回も多いのに。古畑の田村正和をはじめ、菅原文太、加藤治子、山城新伍、松村達雄など昭和の名優たちの演技が濃くて惹きつけられる。今のところ、澤村藤十郎の回がお気に入り(ご存命のようですが)。FAX、留守番電話、子機のリダイヤル、業界人の携帯電話、深夜ラジオ、、、殺人のトリックに使われるメディアがメディア史的に興味深い。30年のメディアの変化は本当に大きいなぁ。古畑が令和にいたら、AIを使ったりするのかな。

第1〜3がミックスで放送されているけど、今のところ第1が面白い
https://tver.jp/series/sr48q0fsn7

某ファミレスの全部塩辛いロブスターセットに打ち消されそうになったけど、今年初の牡蠣。生牡蠣、最高!季節を感じるもの、やはり大事。

ラズベリー風味のソースがかかった生牡蠣。見ためより爽やか。



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