先週のkinologue【7/24-30】
あっという間に7月最終日。慌てて月末の支払いを済ませる。今月は映画1本買えるくらいの支払いがあったので、支払い後残高にため息。がんばろう!
「暑い」を通り越して日差しが「痛い」と感じた先週、本当によく動いた。書籍カバーなどが届いた火曜から、頭の中でシミュレーションしていた新刊の出荷作業に取り掛かった。その詳細は「ひとり出版者」noteに後日まとめる予定。作業完了後は非常勤授業の準備。遂に今期の最終回。これまでの14回を総括するためにスライド78枚、90分間ほぼ1人で話しっぱなし(バカかー!)。前回課題の提出物を見て、ChatGPTを相談相手にすると、回答がどれも似ていて全くもって面白くない結果になることがわかった。課題の出し方が試されるなぁ。来年はAIの状況が全く変わっているだろうから、どうなるかわからないが、現時点ではとても勉強になった。教育者とはいえない私の実験台になって貰って、学生さんたちにはホント今期も感謝。
非常勤最終回の後、去年は打ち合わせが入って旅立てなかったが、2年前は松本・塩尻に行った。今年も「山が見たい!」と思い立って信州上田へ。お世話になっている映画館があって、行ってみたい本屋とパン屋があったら、行くしかないでしょ〜とずっと思っていた街。上田は盆地だから暑いよ!と聞いていたが、20時過ぎに着いて、駅から一歩出ると無風でもわっとしていた(それでも都内よりはマシ)。上田映劇の近くにあり、直感的に良さそう!と思って2日前に予約したゲストハウス・犀の角。駅からそこまで10分ちょっと歩いて行く途中で目にしたのは、深夜までやっている数軒のラーメン屋。チェーンではない飲食店が多い街だと気づく。好印象。犀の角はアーケードのある商店街に面していた。劇場の舞台と客席がそのままロビーになっていて、舞台上で芝居の本読みらしきことをしている人たちがいる。ゲストハウスは別館にあり、隣接する美容院に黒のウニッコのカーテンがかかっていて、これまた好印象。しかし、久しぶりのドミトリー且つ暑かったせいか、あまり寝られないまま朝に。舞台の上にあるテーブルで、朝食を食べながら何気なく読んだフリーペーパー「のきしたjournal」。コロナ禍から始まった犀の角や上田映劇などによる誰もが雨風をしのげる「のき」を街中に作って街を「のきした化」するプロジェクトについて書かれていて、なんて優しい街なのだろうと感動する。「映画や演劇、美術や音楽が溢れるこの街で、私はもう一度誰かと出会い直す。」というフレーズ。「出会い直す」っていいなぁ。新たな出会いが全てではない。出会い直しは何度でもできる。
その後、30分程電車に乗って「信州の鎌倉」別所温泉へ。北向観音、国宝八角三重塔、茅葺の常楽寺、神楽の舞台がある別所神社などを熱中症寸前まで歩き、温泉と十割の田舎おしぼり蕎麦を堪能してから、再び上田へ。かつてご近所だったルヴァンの上田店は駅から1キロくらいあり、ふらふらしながら商店街を歩いて向かう。久しぶりに上田西高校が甲子園出場を果たしたらしく、お祝いのポスターがどの店にも貼られていた。アポなしで行った上田映劇で、受付にいた方に名乗ると「ああ、わかりますー!」と編成の原さんだった。劇場営業は共同配給の会社に担当してもらうので、劇場と直接関わることが少ないのだが「『〈主婦〉の学校』良かったです。kinologueさんの作品はいつもビジュアルが素敵だし、上映したい!ってすぐ思います」と嬉しいお言葉。上田映劇は築100年以上の歴史ある建物をリノベ(天井は手付かずとか)していて、隅々まで映画と地元愛に満ちた空間が楽しい。
「2館で2スクリーンってないですよね」と笑う原さんはスマホのタイマーがひっきりなしに鳴ってとても忙しそうだったが、もう1館のうえだ子どもシネマクラブの活動拠点でもあるトラゥム・ライゼにもご案内いただく。進学校に通えなくなったコがここでずっとお手伝いをしながら映画を見続けて、日芸の映画学科に合格したイイ話を伺ったり、犀の角の洗面所で朝会った女子が実は『炎上する君』のスタッフで劇場ロビーで再会したり、お正月にアイスランドに行きましたというお兄さんにコーヒーを淹れて貰ったり、数メートル圏内をウロウロしながら、ひとしきり楽しい時間を過ごした。
いつも買ったり売ったりお世話になっているバリューブックスの直営店に閉店15分前に滑り込む。コミックがセットで200円とか、子どもが大人買いする店らしい。値段がつかないけれど捨てられない本の中からとりあえず3冊ピックアップ。この前、買取して貰ったばかりなのに完全に循環している。
激混みの新幹線に飛び乗る前に10分で食べた馬肉うどんが最後の上田メシとなった。今回は暑すぎたので、気候が良いときにまた行きたいよ、上田。
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